2008年5月28日
「生物多様性 基本法」に期待する
私たち人間を含むすべての生物にとって生きる基盤となる自然を積極的に守っていくための重 要なステップとして、「生物多様性基本法」の成立を歓迎し、期待します。
これまで、国内には包括的で実行力のある野生生物の法律はありませんでした。今回の基本法が大きな傘として、これまで十分に調査もされず、保全のための 有効な手段を施されなかった生物も陽の目を見ることができる可能性を感じています。
一方で、第3次国家戦略に始めて記述され、また海洋基本計画でも言及されている「沿岸・海洋の生物多様性保全」に関して、この基本法の対応は不十分であ ることは残念なことでありました。私たちにとって海の生態系の保全は、私たちにとって大切な魚介類や海草などの食料資源として、またさまざまな地域の文化 として、今後発展を期待されるエコツーリズムにとっても、なくてはならないものだからです。
私たちがかかわる海生生物、特に海生哺乳類に関しては、これまで省庁の縦割りの弊害とともに、業の立場からのみ理解されるなかで、何らかの早急な保護・ 保全を必要とするものが多くあります。
これらの生き物は、ジュゴンのように、鳥獣保護法対象となりながら、具体的な保護の方策に欠けていたり、ニシコククジラのように、鳥獣保護法の対象にす らならない、また個体群そのものを消滅させるような漁業の継続などで困難な状況下にあります。
言うまでもなく、海生哺乳類は海の生物多様性の要となる種であり、海洋環境の悪化により、生息地の消失や汚染、混獲、捕獲等によりその生息が懸念される ものです。こうした種については、鳥獣保護法や種の保存法、水産資源保護法等の関連個別法の早急な改正、あるいは海洋生物の保全に関する新たな法律や仕組 みが求められます。
今後、関連する法律に生物多様性基本法の基本理念が十分生かされることを願ってやみません。
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