←表紙へ|←巻の30へ|巻の32へ→
|
|---|
| 巻の31 | 地球ゴマ (タイガー商会) | 2002/ 4/ 6 |
|---|
|
今回は
あんまりアイテムの説明はしなくてもいいでしょう。 ここにやってこられる方で「地球ゴマ」がどんな物か知らない方はそうそうおられないでしょうし。 この懐かしい玩具を手に入れたのは、実はほんの数年前のことだったりします。 今月は、そのあたりの話なんかしよぅかな、と。 |
![]() |
| 始まりは、@Niftyのオモチャフォーラムでメカモ関連の話題を交わしてた頃でした。
こちらのフォーラムスタッフさんに、関連書籍を紹介していただいたのです。 巻の21とかで参考文献にも使ったその本が、串間努氏が著された光文社文庫の『子供の大科学』という本でした。 紹介して戴いて初めてお名前を知りましたが、丁度我々の世代のひじょうに馴染み深い子供文化を調べている方で、学研の高級玩具をはじめ先日潰れた(悲)イマイのプラモ、サンスターのスパイ手帳やテンヨーの手品グッズ等々… それはそれは懐かしいあれやこれやを、様々な取材とインタビューで真摯にまとめておられていました。 その本の中で、ずいぶん懐かしく名前を見たのが名古屋にあるタイガー商会の「地球ゴマ」でした。 読んでみて驚きました。地球ゴマなんてたしかに最近とんと見ないけど、それはそれでその気になればどぅにでも手に入ると思っていたのですが… すでに高齢の社長には現在後継者もなく、社長自身が「命ある限り作りつづけていくつもり」とおっしゃっているが…と書かれていたのです。 …なんと… ヘタすると、うっかりしたらもう手に入らないかも知れない!? ちょっとしたショックが走りました。なんとしても、一度ちゃんとした地球ゴマを遊んでおかないと! そう思った私は、早速探索に出たのです。 |
![]() |
|
情けない話なんですが。 私は子供の頃、なんど練習しても普通の和独楽が回せませんでした。 (ちなみにベイゴマは遊ぶ文化そのものが近隣にありませんでした) そんな私でも回せるコマ、それが地球ゴマだったんです。 フレーム構造のせいで手で持っても止まらないというのがまず驚きで。しかもエンピツの上だって回るし、糸を張ったら綱渡りだって出来る。 箱に入ったまんまでも箱ごと回るし。 当時友達とかと一緒になって、そりゃもー思いっきり遊びまくった記憶が残ってます。 ところが…どうも今思うと私が買ったのは「宇宙ゴマ」とか「京都 地球ゴマ」とか(笑)まぁ要はそういう類の露店あたりで出まわってたパチモン臭かったのです。 うまく回るのは最初のうちだけで、そのうち回りが悪くなってくるのです。元々の精度が悪いのもあるでしょうし、フレームの強度不足で変形をおこすともぅ最悪で(苦笑)。 いくらで買ったかなんて忘れましたが、少なくとも子供のサイフに優しい金額ぢゃなかったはず。つまり「回らんからポイ!」なんてもったいなくて出来るワケなくて。「回らんでも意地でも回すッ!」なのです、当然。 中のジャイロ(当時はそんな表現知りませんでしたけどね)をフレームに支えるネジをキツくしたりゆるめたり。それでもアカンかったらフレームそのものをムリヤリ変形させて調整ッ!なんて豪快なこともやりました。 もちろんホントにどうにもこうにもならんかったら(ここまできたらフレームの溶接が取れるなんてこともちょくちょくあったような)フレームをあっさり捨てて中身のジャイロだけ回して遊んだり。 動かんかったら動かんなりに、それでも骨のズイまで遊び倒す。当時みんなこんな子供だった…ですよね(笑)? その後1回10円か20円だったかのガシャガシャ(今で言うガシャポン)でも当ったような気がします。 当然メッチャ小っちゃい上に、そりゃもー華奢で華奢で。糸巻いて回そうと力込めたらその力でフレームが変形するなんて始末で、逆に回すのにヤケに燃えたような記憶もあったりします(大笑)。 |
|
「子供の大科学」を読んでみると、やっぱり本物の地球ゴマはもっと精度が高く、もっとキチンとした造りだそうです。 当時TVCF流して話題になったせいでパチモンが大量に世に出て、そのうちのかなりが露店で売られてて。 しかも客寄せでは本物の地球ゴマ使って実際に売るのはパチモン。これで「回らなくてもそれはそれで」なイメージが根付いた…って。 これって、まさに当時の私じゃないですか(苦笑)。 こうなると「せめて一度はキチンとした本物の地球ゴマで遊びたいッ!」な欲求が出てくるのもわかってもらえますよね。 |
|
思い立ったのはいいとして。 問題は、いったいどこで買えばいいのか?なんですよ。 文具屋?駄菓子屋?それとも夜店の露店?今頃どこにこんな酔狂な商品置いてるの? さすがにしばらく考えこんでしまいました。そしてひとつ閃いたのが そぅや!京都に行こう!!
確か、かーなり昔に和凧を普通に置いてる駄菓子屋を見かけた憶えがあったのです。和凧があるんなら玩具系の品揃えはかなりあるんと違ゃうか? …確信と言うより趣味人の直感に近いものがありましたが、なにせ「動くなら早いうち」です。 そして、自分ってスゴいと思いました(笑)。 見事にその直感は大当たり!その店でおばちゃんに訊ねてみたら、みごとに2種類の大きさの地球ゴマが店の奥から出てきたのです。 さっすが京都!奥が深いなーと感心しつつ、いそいそと家路に急いだのでした。もちろん早く遊びたいから。 しかし。 開けて見て改めて感心しちゃいました。フレームの造りが実にしっかりしてるなぁと。 子供の頃の記憶があやふやなのを差っ引いても、思ってたよりガシッとした感じがします。 感心したのが、付属の糸の先っちょがノリか何かで固めてあるんですよ。糸使っての回し方には「軸に一周巻いて引っ張る」方法と「軸に空いてる穴に糸を通して巻きつけてから引っ張る」方法と2種類あるんですが、その後者の為に糸の先っちょがほつれないようにしてあるんです。 間違いなく、買い手の顔がちゃんと見えてる職人の仕事ですよ、これは。 |
![]() |
| 念の為言っときますが、決して子供の頃パチモンで遊んでたことを後悔してるワケではありません。
大切なのは玩具の質とかじゃなく、それで遊んだ想い出なんですから。 ただアレンジにせよパロディにせよパチモンにせよ、それらをわかる為にも出来るだけオリジナルをちゃんと知っとくべきと私は考えます。 現在タカラから出てるベイゴマのアレンジ「ベイブレード」が大ブームですが、話によるとタカラの開発者の中でコマの企画を立ち上げたとき「対戦型」「技巧競技型」の2種のどちらにするか悩んだ末、後者の要素を思いきって捨てたおかげで今のベイブレードの大ブームが起きたんだとどこかで読んだ気がします。 ブームというものは巡りめぐってくるものなので、いつの日か今回切り捨てられた「技巧型」にまたスポットが当ることがきっと来ることでしょう。 その時に、その元祖にして極であるこの地球ゴマが心の片隅にうかんでくればいいなと思ったりするのです。 今頃だけど、手に入って、遊べて、ホントに良かったぁ。 |

|
《参考文献:光文社文庫『子供の大科学』 串間努氏著》 |
| ←表紙へ | ↑ページの先頭へ | 巻の32へ→ |
|---|