遊想雑貨バナー ←表紙へ←巻の20へ巻の22へ→


巻の21 メカモ (学研) 2001/ 6/ 2

あえて今時のアイテムに喩えるなら
ソリッドなTOMYのZOIDS(ゾイド)…と言えばイメージが近いかも知れませんね。
こいつが2つのモーターを唸らせながらボディ全体をダイナミックに伸縮可動する、その姿には最近のエレクトロニクス玩具ではとうてい味わうことの出来ない迫力と感動とをない交ぜにしたインパクトがあるのです。     



“メカニマル3”版シャクトリムシ“インチウァーム”


ゴールデンウィークを使って数年ぶりに組んでみた、上の写真がその「インチウァーム(しゃくとりむし)」のモデルです。
残念ながら単品製品としてのインチウァームは手元に残っておりませんで、下の写真にある「メカニマル3」という「ヘビ」「クモ」「しゃくとりむし」の3モデルに組替え自在というシリーズ唯一の組替式製品から一番見映えのするインチウァームを組んだものです。


“メカニマル3”パッケージ


組替えモデル故に単品版に比べて簡易な造りなのはしょうがないにせよ、それでもいい塩梅の味わいを醸し出してると思いませんか?
造りが簡素化されてるとはいえ、それでもちゃんと2つのモーターを使って伸縮歩行&方向転換を見事にこなします。
RE260モーターが2個とも経年劣化で動かなくなってたのにちょっと戸惑いましたが、いろいろジタバタした末になんとか復活したのも今となってはいい経験かと(笑)。
 ※アドバイス下さった@Niftyの「動く模型のフォーラム」のアクティブの皆さん、どうもありがとうございました。





調べてみると、ロボット工学者の森政弘氏により「メカニマル(メカニック・アニマル)の少年向きモデル」として『機械工学から生まれた動物ロボット』をキャッチフレーズに学研からこの「メカモ」が発売されたのが昭和46年(西暦1971年)というから、もぅ30年も昔の商品なんですねぇ。
厚さ1mmしない薄い金属板をビスとナットで組み上げて、スイッチONでモーターを唸らせて、モチーフになった動物さながらリアルに動きだす科学玩具。
ドライバーとスパナを駆使してロボットを組み立てる作り応えの満足感、そして完成すると明らかにプラモデルとは違うメカニカルなスタイリングとリアルな動き。子供の頃に今は亡き父親に思いっきりせがみ倒して「ステップドーザー(ぞうがめ)」を買ってもらった時どれほど夢中になったか、今でも鮮やかに脳裏に浮びます(笑)。当時としても決して安い買い物じゃなかったはず(最初2,300円也、後に5,000円に価格変更)なんですけどね。

商品のラインナップは、「メカニカルスネーク」「ステップドーザー」「インチウァーム」「メカニカルスパイダー」「アクロバットモノレール」「メカニカルクラブ」「メカニカルセンチピード(むかで)」「メカニカルジャンパー(バッタ)」「メカニカルロープウェイ(つなわたり)」
…となってました。モチーフになった動物は名前で見当付きますね?さすがに最後のロープウェイだけは動物モチーフとは思えませんが(苦笑)。

当時はオモチャ屋よりも科学教材も扱ってる模型屋、もしくは大きな文具屋に置いてたものでした。
価格的にも高嶺の花で、なかなか当時欲しくても簡単に手が出る代物ではありませんでしたが、一気に店頭から消える類の商品でなかったので「お金さえ貯まればいつでも買える」と勝手に思いこんでいたものでした。
昔も今も、そんな簡単にお金が貯まれば不自由なんかしません(大笑)。  
結局、社会に出てそこそこの小遣いが自由に使えるようになってから「子供の夢よ、再び!」と思ってあちこち探索に回ったのですが…どんなものでも旬をすぎるとキビしいもので、ムカデとカタツムリを入手出来たのが精一杯でした。
文具屋もオモチャ屋同様に少子化の波をかぶって急速に減ってます。その上キャラクター物じゃないせいでマニアに漁られる事すらなく世の中から消えているフシがあり、その意味ではかなり寂しい事態になっているように感じます。  

その後、思い出の詰まったアイテム、ステップドーザーを苦難の探索の末に再度入手出来たのは実にラッキーでしたけども、それ以降メカモを市場で見る事はトンとなくなっちゃいました。  

 
“ステップドーザー”の箱の中身




    
やはり学研に「再販しないのか?」という問い合わせはあったみたいです。にもかかわらず、残念ながらコストが高すぎて採算ベースに乗らないという理由で実現しないと知りました。
東南アジア等海外で生産すれば?と検討してみるも、金属の精密プレスの技術がイマイチで精度が出せないし、環境問題の関係でメッキのコストもアップする一方だとか。
他にも子供達の興味がTVゲームの関係でソフトウェア指向になり、ハードウェアに興味を持つ子供が少なくなったからという意見もあるようですが、この意見については私は異を唱えたいです。現代はHONDAのASIMOなどを皮切りに人間の生活環境にロボットが入りこんでくる正に過渡期ぢゃないですか。今こそソフト技術と歩調を合わせてハード技術の発展をも期待される時期だと思うのですよ。
今こそ子供達に機械工学を楽しく学べる優れた教材玩具があるべきだと。メカモはその意味で理想的なアイテムだけに、もったいないというか残念というか…そんな気になるのです。

幸いな事に、商品の市販購入こそ叶わないものの、見る機会だけなら今もあります。
昭和50年に開催された沖縄海洋博の芙蓉館で海洋生物をモチーフにした大型メカモが展示され、海洋博が終わった後東海大学の海洋博物館に寄付されたのです。
うれしい事に、今でもコンパニオンさんによる解説や、操縦体験なんてのも行われているそうです。
興味ある方は、一度足を向けてみてはどうでしょうか。

そして私は、気長にコツコツと市場の在庫を探して回り続けたいと思います。だってホントにいい商品ですもん。


※ 情報提供:みずよんさん(多謝感謝)
※ 参考文献  《光文社文庫『子供の大科学』 串間努氏著》


この項終わり
←表紙へ ↑ページの先頭へ 巻の22へ→