←表紙へ|←巻の18へ|巻の20へ→
|
|---|
| 巻の19 | 魚(ナ)コード (明和電機) | 2001/ 4/ 1 |
|---|
|
「コレをオモチャとして扱うか!?」とお思いの方もおられるでしょうが
作り手は曰く「芸術作品」として。実際使うならその使い道は「実用品」として。 それでも私はこのアイテムの根底に流れてるのは、良い意味で紛れもなくオモチャのそれと同質と感じております。 遊び心、シャレっ気。ちょっとしたセンス。 そしてそれらを踏まえた上で、どう感じるかどう扱うかを受け手に委ねるそのスタンス。 繰り返すけどやっぱりこのアイテム、根底に流れてるものは玩具のそれと同質ですよ。 そういう個人的な解釈から、今月は一種特殊ですがこんなアイテムを紹介しちゃいます。 |
![]() |
|
まずは、そもそも『明和電機』とは何ぞや!?といったところから解説しないといけないでしょうね。 …それにしても、彼らをどう説明すりゃ判ってもらいやすいのやら。 1993年に土佐正道(社長)、土佐信道(副社長)の兄弟が結成した「総合芸術ユニット」というのが正式な肩書きといえるでしょうか。 ソニー・ミュージックエンタティンメント(SME)主催の「第2回アート・アーティストオーディション」にて大賞を受賞したのをきっかけに、同社と「専属芸術家契約」を結んで華々しくデビュー! 中小企業の電気屋が珍妙な作品を「新製品」として開発しては、「製品発表会」という名のライブステージで公開するという、前代未聞の強烈な印象が酔狂な人達に忘れたくても忘れられないほどのインパクトを叩きつけたのでした。 見たことのある人は、副社長の電動指パッチン木魚「パチモク」や社長のスイッチングビートマシン「コイ・ビート」などの突き抜けたバカバカしさが脳裏から離れないと思います(笑)。 ちなみに『明和電機』の名前は、彼らの父親がかつて実際に経営していた本当の会社名から取られているとか。 活動を通じて、日本の産業基盤を支えるオヤジさんたちのクラフトマンシップの継承を試みていると彼らは言います。 社訓は『やったもんがち、とったもんがち』、活動方針は『やりにげ』。 ツクバミュージックというジャンルを提唱し、100Vの家庭用電源をスイッチングしまくるヤケクソにアコースティックな楽器を(笑)次々と開発しては、 『 宇宙の力を100ボルトに変えて 』
をキャッチフレーズに(社歌にして)毎回ライブの主催者に会場のブレーカー落ちを心配されつつもライブハウス等での製品発表会で着実にファンを増やしてきたのでした。 一応CDも何枚か出てますが、彼ら自身が「自称ビジュアル系」と言うように(一瞬「はぁ!?」と思うけど、言われれば確かにその通りやなぁ)彼らの魅力は一目見ないとサッパリ判りません。興味出た方は、ビデオやLD(どうやらDVDはまだ出てないような?)とかで一度自身の目で見てみる事をぜひともお勧めします。 |
| その明和電機の開発シリーズ製品群の中に『魚器(NAKI)シリーズ』というものがあります。
魚をイメージしたナンセンスマシンを全26種類ラインナップを目標に研究開発していたのです。 楽器に限らず、実用品の方向にまでひたすら爆走した魚器シリーズは、その後1998年ついに26種開発完了という成果となって結実しました。 本体とバチの間にダイレクトに100ボルトかけて演奏ごとに火花が走るマジでアブナい金琴「放電魚(ホウデンナ)」や電動演奏立琴「魚立琴(ナタ・デ・コト)」等など、バラエティあふれる製品群はついに写真集にも映像ソフトにもなりました。 そんな中に、コンシューマー向きに作られた製品もありました。非常に好評につき、ついに明和電気初の量産→一般販売にこぎつけたその製品こそ、今回紹介するアイテムです。 長々と説明が続きましたが、全長1.2m 定格125V 12A。品番SRZN−1。 魚骨型電源用延長コード その名も「魚(ナ)コード」です。 副社長自らが製品発表会で「どう使ってもジャマでしかたがない延長コード」とのたまぅた(笑)全長1.2mの魚の骨型の電源延長コード。 そんなモン聞いたら、その場で買っちゃうじゃないですか。 というわけで大阪心斎橋のHMVというデカいCD屋で製品発表会があった折に、場の勢いで買ってしまったのでした。 ちなみに1996年吉日発売で、お値段4,800円也。 粗品として明和の鉛筆も付けてくれましたが、写真で見えますか? |
|
左の写真を見てください。
通電した状態をUPした写真ですが、目が赤く光ってるのがお分かりでしょうか? 一応パイロットランプ付きという凝った構造にはなってるんです。 別に、だからというわけでもないでしょうが、1996年12月、モノマガジン・スーパーグッズ・オブ・ザ・イヤー編集部特別賞っていう何かたいそうなものを受賞なんかしてたりします。 もしも製造工程が知りたいという奇特な方がおられましたら、ビデオ/LDになってる「明和電機画報3」に収録されている「ツクバDEルンバ」という曲のビデオクリップを見てみましょう。 |
| 彼らは、この商品のコンセプトを以下のように説明しています。
− ・ − ・ − ・ − ・ − ・ −
魚コードとは…… おばけの本を見ると、やぶけて使わなくなった提灯やから傘が、化けて出たりします。昔の人はそんなキャラクターを作って、ものを大切にする心を人々に教えていました。現代の文明社会が作り上げた工業製品たちが、そうやってお化けになった話しはあまり聞きません。工場の工作ロボットに愛称をつけて、仕事仲間同様に親しんでいる日本人の姿が、欧米諸国の方々から不思議に思われているという話しをどこかで読んだことがあります。ものに対するやさしさは、おばけがいなくなった現代でも、わたしたち日本人の心の中に生きています。明日の子供たちの未来のためにも伝えたい……そんな願いから、明和電機は「ただの電気のコード」に生命を与えました。それが「魚コード」です。 − ・ − ・ − ・ − ・ − ・ −
私が「このアイテムの根底に流れてるものは玩具のそれと同質」と言った意味合いがわかってもらえたでしょうか? |
![]() |
| とはいえ。
きっといろんな事情があったのでしょうか。 1998年に、突如彼らは吉本興業に移籍することになりました。 金儲けてナンボ!商売命ッ!!の吉本興業に芸術ユニットの明和電機が!? ファンの一人としてはかなり心配で、未だに大丈夫なんかいなと思ってたりします。 こないだタマタマ何かの番組でダウンタウンの松本人志から「そんナンやから客が退くんやないか」と頭叩かれてるのを見たりするもんだから、余計に心配になってたりするのですが… その代わりなのかどうなのか(?)明和電機の製品群やグッズがネット等で手軽に買えるようになったのはちょっぴりありがたいです。なにせ今まで製品群の発売元はSMEでしたから発売場所が主にレコード屋とかに限られていたのが辛かったですし。 「魚コード」も素材の変更とかで(量産効果…なのか?)価格を3,800円に抑えて現在も好評発売中です。 今回のこのコンテンツで、せめて少しでも明和電機が世間に知られて興味持ってもらえれば、酔狂な一ファンとしては嬉しかったりするんですが。とりあえずなんとかして一度ビデオクリップを見てくださいな。 |
| ←表紙へ | ↑ページの先頭へ | 巻の20へ→ |
|---|