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| 巻の7 | PCエンジン・プリントブースターフルセット (NEC−HE) | 2000/ 4/ 1 |
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| 家庭用ゲーム機に
ゲーム以外の機能を必要とするかどうか。メーカー側にもユーザーにもいろいろな考えがある事でしょうが。 任天堂のファミコン市場が成熟を通り越して完熟した頃、時期にして1987〜8年頃に「次世代機で夢を我が手に!」と思ったメーカーが2社ありました。 うち1社は16ビットCPUを採用して圧倒的な性能差でヘヴィユーザーの心をワシ掴みにした我が家現役の愛機、セガエンタープライゼスのメガドライブ。そしてもぅ1社が機能もさる事ながら「ゲーム以外の機能に発展可能」をウリのひとつにした日本電気ホームエレクトロニクス(NEC−HE)のPCエンジンでした。 ICカードROMをソフト媒体に採用し見た目にもコンパクトな本体。この小さな本体の後部の拡張端子を使う「コア構想」という将来への発展性がその頃のPCエンジンのウリのひとつでありました。そして出てきた拡張ユニットはビデオ出力アダプタから始まってバッテリーバックアップユニットや家庭用ゲーム機初のCD−ROMドライブ、プリンタ、モデム…いかにもPC9801シリーズで一大シェアを築いたNECグループ、夢(とハッタリ)だけはやたら大きく広がりましたが、結局CD−ROMドライブこそ大成功したものの、その他ははっきり言って総コケ。モデムに至ってはついに一般販売すらされず仕舞い。 しまいにはCD−ROM一体型モデル「Duo」を主力商品に据えてしまい、結局拡張端子の夢すらも事実上なかった事にされてしまったのでした。 |
| さて、そのコア構想の中でもなまじ製品化された為に一番イタい商品。
笑えることに、よりによってそんな物が我が家に、しかも一式あるのです。 それがPCエンジンのプリンター「プリントブースター」と必要ユニットのフルセット。 ユニット一式含めたセットの内容をざっと紹介しましょう。 |
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・プリントブースター(事実上のプリンター本体) : 24,800− ・アーティストツール(必要不可欠の専用ソフト) : 5,800− ・イラストブースター(専用ペン使用のタブレット) : 9,800− ・フォトリーダー (ペン型専用スキャナー) : 5,000− |
これらのセットを定価で揃えるとなんと45,400円!ちなみにPCエンジン本体だけでも当時の定価24,800円ですから合わせて揃えるととんでもない価格となります。出てすぐに飛びついた人っていったいどういう人種だったんでしょうか(笑)? 私ですか?投げ売りを一式1万円ポッキリで見かけたのが奇縁の始まり。確かに定価を考えれば安い買い物かもしれませんが安物買いの何とやら〜という言葉がその瞬間に浮かばなかった自分はまだまだ青かったと言うか… 冷静に購入価格の事を抜きにつくづくと眺めると苦笑いしか出ない代物だったりします。 |
本体後部の拡張端子を使ってプリントブースターにPCエンジン本体をまんまゴソッと突っ込んでセットし、専用ソフトのアーティストツールをセットして、画面を使ってパッドで絵を描き、プリンターで印刷出来ます。 このプリンターはプロッター式の機構を用いていて、ペンの左右移動と印刷用紙の前後フィードにより印刷します。 また、このペンの代わりにフォトリーダーというスキャナーをセットすると印刷機構をそのまま流用してイラストや写真をライン単位でスキャニングし取り込む事も出来ます。 で、どうしてもペンで描きたいという時には本体付属のパッドの代わりにイラストブースターなるタブレットを使う事で手描き入力が出来ます。タブレットの描画部分は透明なので下書きをなぞって描く事も簡単に出来るのです。 つまり、とりあえずお絵描き〜印刷まで一通りの事がそれなりに本格的に出来る、機能的にはけっこうゴージャスなセットなのです。プロッタ機構上の問題とはいえワープロ代わりには使えないというあたりが今思えば中途半端やなーと思ったりしますが。 |
さて「出来る(機能)」のと「使い物になる(性能)」のは別です。ではその実力はいかほどか? さっそく画像スキャンとプリントアウトの実験をしてみましょう。 題材はワンダーメガ(ビクターから発売されたメガドライブと専用CD−ROMドライブ「メガCD」との一体型ハード)のイメージキャラクター「ワンダードッグ」のイラストです(爆笑)。 当時店頭で販促用に「ご自由にお持ちください」とあった便箋の表紙を元にしてます。 |
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《素材スキャニング協力:Michel氏(Thanks!)》 元のイラストのサイズは100mm×100mmの大きさ。これをフォトリーダー使って取り込むのに必要な時間がなんと約35分! 次は印刷。取り込んだサイズそのままで印刷したかったんですが拡大率の見込みが甘かったせいで70mm×70mmのサイズでの印刷になりましたが(注:比較用に画像の大きさは見た目揃えてあります)その所用時間が約20分。 合わせて小一時間ほどかかっております。 「どんなふうになるのかなー、ワクワク♪」って期待を保ち続けるにはあまりにも時間かかりすぎで…はじめはカップ麺食べてるうちに出来るかと思っていましたが、それどころじゃないほどの時間が悠〜然と流れていくのには本気で困惑しました。 一応仕上がりは見ての通りで、思ってたよりマシやないかと驚いた人も結構おられるかも知れませんね。 とりあえず「TV使ってイラストで遊ぶ」って感覚なら一応及第点の性能…ではあるのですが。 あるのですが…まともにお付き合いするほど現代人ってヒマじゃないですッ!。 追い討ちをかけるかのように画像のセーブ(保存)という概念すらもありません。プリントもしくはビデオ録画に頼るしかないというあたり仕様の半端さが暴走しております。 |
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さらにもうひとつの難儀な点。図体がやたらにデカいんですよ。
小ぶりなミカン箱ぐらいのサイズの箱は、見るたびに史上最凶の押し入れの肥やしと納得するのに十分なデカさ。 押入れから引っ張り出すのが一仕事だし、片付けるのも手間。 手軽なTVお絵かきグッズとしてならホビーユースとして使えなくもないけど、かと言ってそこそこ十分な機能も性能の低さにとことん足を引っ張られ、ましてや実用には以下省略… 家庭用ゲーム機がなまじ実用機能にあこがれてしまった結果うっかり世に出てしまったアイテムと言えるでしょうか。 コア構想が事実上これで打ち切りになってしまったのを納得するにも十分すぎる事例とも言えますね(苦笑)。 |
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