ヨシノ タマキの作品
管理人のにしやんはヨシノタマキという筆名で短歌を書いていた時期があります。そのときの作品をとりまとめてみました。感想等いただければさいわいです。

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 ヨシノタマキの短歌

芳野環(ヨシノタマキ)という名ですこしだけ短歌結社に所属したことがありました。
「芳野」は尊敬する、というか、畏れ多いながらもちょっと酒に関する深情け的あり方に引かれ、かつ我が身を照らし合わせて愛している?吉野秀雄先生から苗字の音をいただきました。
「環」はなんとなく、ですね。中性的な感じと野の結実の硬質なイメージからえらびました。
ほかの掲示板では「半玉」「たまはん」などハンドルネームの中核に「たま」があったので、「たま」は生かしたかったようです。
いまとなっては辞めた結社時代の作品を見るのは残滓とでもいいましょうか、自分の今の生身にふれているものではないので、なげようかでも棄てきれない愛着の残る燃えないゴミにいちばんちかい感覚でおります。


 西川和恵の短歌(NHK歌壇ヴァージョン)

一時期、西川和恵という名前で(ってそのままですが)NHK歌壇に投稿していたことがあります。
旧姓をつかったのは、多分どこかで19.20歳頃の
大学の短歌ゼミにかかわっていた仲間に分かるような符牒にしたかったのかもしれません。
わたしもわりと未練たらしい人間だな。
そのころのことはかなり脚色してますが、「蟹」の黄色い本に書きました。
かつての短歌会の重鎮だった二人の男性は袂を分かち別な団体として進むことになったそうです。
おのおのの作品を見れば袂を分かつこと自体に意味が見出せないほど微差しかないとおもうのですが、当人同士にすればたいへんな意識レベルの差なのでしょう。
ま、とりあえずここでは西川和恵名義のNHK歌壇に
限定して作品を紹介します。選者の批評も合わせて掲載いたしますので御笑覧あれ。


 ヨシノタマキの短歌

竦みいし少女のような匂い立てムラサキツツジは抱かれ縛らる

老嬢のひそかな眠り四肢曲げてカヘリタマヘヨこの無精卵

両生類の肌光らせて斜坑よりぬるりと出でぬ最終列車は

尾をかえしスペルマのごと地下鉄は冥きホウルを突き進みたり

弾頭の大きなる芽は夢みしか世界の涯ての清しき荒涼

釘を打つ代わりに夜毎米を研ぐ 誰を殺すんだったか忘れて

凍てしまま立つ千の樹の残像をDNAはシベリアと告ぐ

戻り来し一人の部屋に幾匹か紅いホタルがじっとしている


 NHK歌壇投稿作品

●母のごと無言で圧す朝焼けを憎みて帰りぬ十九のわれは         (河野裕子選)
★河野評「作者にとっては、時間がたっても忘れがたい鮮明な朝焼けなのだ。思いが正面から歌われインパクトのある歌。」
●音立てて新聞受けの入り口に青白き朝駆け込んでくる          (尾崎左永子選)
★尾崎評「団地などの扉の新聞受けだろうか。新聞をいれるパタンという音。早朝の光もともに入ってくるのである。北国の朝らしくて新鮮。」
●ビーズ玉瑠璃玉播玻璃玉携えて重き耳らの集う街角           (岡井隆選) 
★岡井評「ビーズと玻璃(ガラス)玉がまがいもので、瑠璃が宝石。イヤリングの歌はたくさんあったが、なかではこれがおもしろかった。
(補足:ゲストの安永蕗子は「携えて」が人でないものに対しての表現としては違うのではないかと岡井に反論。う〜〜ん、ヨシノは耳そのものを主体としたので、つ
まり耳の擬人化。結果「携えて」は自然に出たのですが、岡井さん、そこまでフォローしてほしかったわ)

(以下佳作:TVではとりあげられなかった作品)
●林立する日時計のごとき男らの手にきらめくけり薄き電話は       (尾崎選佳作)
●戻り来てジャンバー脱げばひんやりと魚市場の風もともに脱げたり     (高野公彦選佳作)
●さういへば鳴かない鳩を飼ってゐる壁掛時計の奥の小部屋に        (河野選佳作)
●人はみな川持つけもの ししむらに流れる音を聞きつつ眠る        (岡野弘彦選佳作)

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