エフェクターを理解するための基礎講座

音の要素やフィルターの働きなど、理解するとエフェクターで音を作る上でとても役立つ講座です。

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第1話 「まず、音を理解しよう〜周波数」
第2話 「まず、音を理解しよう〜振幅」
第3話 「まず、音を理解しよう〜音色」
第4話 「フィルターってなんだ? その1」
第5話 「フィルターってなんだ? その2」
第6話 「フィルターってなんだ? その3」
第7話 「周波数特性 〜ロー・パス・フィルターの場合」
第8話 「周波数特性 〜その他のフィルター」
第9話 「変調 (モジュレーション)とは?」



「まず、音を理解しよう〜周波数」
「音」が空気の振動だと言うことは、ほとんどのみなさんが理解していると思います。ここではその振動というものをいくつかの要素に分解してみましょう。最初にあげられる要素として、振動の「周波数」があります。周波数 とは、1秒間に何回の振動が起こるかをヘルツ [Hz] という単位で表した物で、例えば一秒間に 100 回の振動が起こる場合は、100[Hz] のように表します。
ギターの5弦は、440 [Hz] にあわせてチューニングをしますが、この音は、一秒間に 440 回振動する、と理解できます。ちなみにこれは 「ラ」の音にあたりますが、これよりも1オクターブ高い「ラ」の音は、880[Hz]で、周波数が2倍になります。逆に1オクターブ低い「ラ」の音は、220[Hz] となり、周波数が1/2倍になります。


縦軸の間隔=0.001[秒]

上の図は440[Hz] の振動 (オレンジ)と 880[Hz] の振動 (ブルー)を表示したものです。二つの白い縦線の間隔は 1/440[秒]です。880[Hz] の振動は 440[Hz] 振動が1回振動する間に、2回の振動をしている事が確認できます。



「まず、音を理解しよう〜振幅」
ギターの弦を弾いて見てみると、上下左右に振れているのが見えると思いますが、この振れの大きさを「振幅 (しんぷく)」と呼びます。振幅が大きいほど大きな音になりますが、ギターなどの弦楽器の場合、振幅は時間を追って変化していきます。まず、ピッキングした時に最大の振幅になり、しばらく一定の振幅 をたもって、その後だんだんと小さくなって消えていきます。この振幅の変化を 「振幅のエンベロープ」 と呼びます。エンベロープは、アタック (Attack) 、ディケイ (Decay) 、サスティン (Sustain) 、リリース (Release) と4つの部位に分けられています。無音の状態からピッキングをして振幅が最大になるまでの間をアタック、最大の振幅から一定の振幅に移るまでをディケイ、一定の音量をたもっている間をサスティン、だんだん小さくなって消えていくまでをリリースと呼びます。
コンプレッサーリミッターゲートなどは、この振幅の変化をコントロールするエフェクターです。


「まず、音を理解しよう〜音色」
ギターに限らず、楽器の音色は「倍音構成」によって決められます。それでは倍音とは何でしょうか? 絵の具の全ての色は、赤、黄、青から成り立っているように、全ての音は、サイン波と呼ばれるテレビの時報の様な音から成り立っています。 ギターの5弦の開放音を例にあげてみましょう。ギターの5弦の開放音 A (ラの音)は、110 [Hz], 220 [Hz], 330 [Hz], 440[Hz], 550[Hz] ...のサイン波から成り立っています。この時、最も周波数の低い 110 [Hz] のサイン波を基音、その他のサイン波を倍音と呼びます。ギターの音色の違いは、どの倍音がどのくらいの量含まれているか (倍音構成)によって変わります。この倍音構成をコントロールするエフェクターには、
イコライザーエキサイターワウなどのフィルター系エフェクターがあります。
「フィルターってなんだ? その1」
フィルターと言う言葉は、日常でも耳にすると思います。コーヒメーカーのフィルター、エアコンのフィルター、タバコのフィルター etc. これらの働きとは、必要な成分を抽出する事。逆の意味では、要らないものを取り除く (ろ過する)事です。実は電子楽器では、このフィルターが大活躍しているのです。 身近な例では、ギターのトーンコントロールはギターの音から高い周波数の成分を取り除くフィルターですし、アンプのトーンコントロールは、ギターの音から低い周波数の成分 (BASS) と高い周波数の成分 (TREBLE) をフィルターによって抽出し、これらを混ぜ合わせることで音色を変える仕組みになっています。低い周波数の成分を抽出するフィルターをロー・パス・フィルター (Low Pass Filter)、高い周波数の成分を抽出するフィルターを、ハイ・パス・フィルター (High Pass Filter) と呼びます。ロー・パス・フィルターは LPF、ハイ・パス・フィルターは、HPF と略されることもあります。また、ある特定の周波数の付近のみを取り出すバンド・パス・フィルター (Band Pass Filter) と呼ばれるフィルターもあります。例えば、ギターの5弦の音を、110[Hz] の付近のみを取り出すバンド・パス・フィルターにかけると、理論的には基音だけを取り出す事も可能です。これらのフィルターを使ったエフェクターには、
イコライザーワウオート・ワウアンプ・シミュレータ等があります。


「フィルターってなんだ? その2」
フィルターの働きとは、必要な成分を抽出する、あるいは要らないものを取り除く (ろ過する)事と書きましたが、電子回路のフィルターには、発振というもう一つの働きがあります。ボリュームを上げたアンプの近くでギターを弾いた時に、ギターが ピーピーと鳴り出した(ハウリングとも言う) という経験をした人は多いと思いますが、これはアンプの音をギターのピックアップが拾ってまたアンプから出てくるというフィードバックと呼ばれる現象で、ギターとアンプの間で、一種のバンド・パス・フィルターが形成された状態です。エフェクターの中にはこのフィードバックを電気的に発生させて、音にクセを付ける効果があるものが、
オート・ワウフランジャーフェーザーなどいくつかあります。これらのエフェクターでは、フィードバック (Feedback)、 レゾナンス (Resonance)、 リジェン (Regan) などのつまみで、フィードバックの調整をします。通常フィードバックは、発振しない範囲内で適度にくせが付く程度に調整します。


「フィルターってなんだ? その3」
ここでは、フィルターの種類とその働きについて整理してみましょう。

その他のフィルター (ちょっと上級)。



「周波数特性 〜ロー・パス・フィルターの場合」
フィルターがどんな働きをするかはおわかり頂けたでしょうか?ここではそのフィルターの働きをグラフに表す、周波数特性というものについて説明します。まず、ローパス・フィルターの周波数特性を見てみましょう。
ロー・パス・フィルターの周波数特性
このグラフは、横軸に周波数 (音の高さ)、縦軸に音量 (音の大きさ) をとっています。フィルターに音を入力すると、出力される音はこの周波数特性にしたがって変化します。色の濃くなっている部分を通過域と呼び、音が通過する周波数の範囲です。つまり、このグラフからロー・パス・フィルターは「低い音はそのまま通過し、ある程度高い音になってくると通過しにくくなり、高い音は通過させない」 性質を持っていることが読み取れます。通過域の右端は、斜めに落ち込んで行きますが、このポイントをカット・オフ周波数と呼びます。例えばカット・オフ周波数が 1000[Hz] のローパス・フィルターと言えば、「1000 [Hz] 位までは通過させ、それ以上の高い音は通過しにくくなるフィルター」 のことです。ギターのトーン・コントロールでは、次の様にカット・オフ・周波数を自由に動かす事によって、音質を変化させています。
カット・オフ周波数
カット・オフ周波数を右の方向に動かす (トーン10の状態) と、高い音まで通過させる事が出来るために、明るい音質になります。逆に左の方向に動かす (トーン0の状態) と、曇った、モコモコした感じの音質になります。


「周波数特性 〜その他のフィルター」
次に、ハイ・パス・フィルターとバンド・パス・フィルタの周波数特性を見てみましょう。
ハイ・パス・フィルタの周波数特性
ハイ・パス・フィルターの周波数特性からは、どのような事が読み取れるでしょうか?考えて見ましょう。(答え) アンプのトーン・コントロールのトレブルやプレゼンスは、ハイ・パス・フィルタであるような事を以前書きましたが、ハイ・パス・フィルターの仲間と言った方が正しいです。ミュートロンと言う名前のオート・ワウには、ハイ・パス・フィルタが装備されています。
バンド・パス・フィルターの周波数特性
バンド・パス・フィルターを表現するには、カット・オフ周波数ではなく、中心周波数が取り扱われます。周波数 100[Hz] のバンド・パス・フィルタと言ったらば、「100 [Hz] 前後の音を通過させるフィルタ」 と考えて下さい。ワウ・ワウはこのバンド・パス・フィルターです。
注) ここで言う周波数特性とは、正確には 「周波数振幅特性」 と呼ばれるものです。


(答え) 「低い音は通過させず、ある程度高い音になるとだんだん通過するようになり、高い音は通過出来る」 です。(戻る)


「変調 (モジュレーション)とは?」
変調 (モジュレーション) は一般的にはあまりなじみの無い物ですが、いったいどんなものなのでしょう?別の言葉で言うと「抑揚」です。ギターを弾いている時に伸ばしている音に抑揚を付けるにはビブラートをかけますが、この「ビブラート」はまさに変調のひとつといえます。
ギターのビブラートの場合、音程=周波数を弦をチョーキングさせる事で変化させますが 、これは周波数に変調をかける 「周波数変調」の一種と言えます。周波数変調を利用したエフェクターには、
コーラスフランジャービブラートピッチ・シフターなどが有ります。
変調には他にも音量=振幅に抑揚を付ける 「振幅変調」や、フェーズ・シフター等のエフェクターの原理となる 「位相変調」等の種類が有ります。振幅変調を利用したエフェクターにはトレモロがあり、位相変調を利用したエフェクターには、フェーザーやユニ・バイブ等が挙げられます。


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