魔術士オーフェン
はぐれ旅
「みんなが救われるためなら、犠牲はみんなで等しく 
払っていかないとならない。超人は世界を救わない」 
この作品を知ったきっかけは、月刊ドラゴンJr.に載っていた漫画を読んだことです(ちなみに、この雑誌には当時これだけで
なく「SHADOW SKILL」も連載されていましたが、どちらを先に読んだかは忘れました)
で、なんか呪文がかっこいいなぁと思ったことから原作の方に興味を持った…のはいいんですけど、当時はまだアニメ化
される前だったので近所の本屋には置いておらず、しょうがないので新宿の紀伊国屋まで行った覚えがあります。
アニメ化以降はどこの本屋さんにも置かれるようになりましたが、結局アニメの方はほとんど見なかったですね。
なにしろ、私や姉も初めてアニメを見たときに
「そんなさわやかで正義の味方なオーフェンなんてオーフェンじゃないっ!
 オーフェンはやっぱり目付きが悪くて罵詈雑言を言いまらなくちゃ!!」

と思ってしまったもんで(爆)
#ものすごいこと言ってますが、原作のオーフェンって基本的にはそういう人です……とはいえ、それだけじゃないという
 ところが彼の魅力なのですが(^^ゞ

ところで、オーフェンの世界において魔術士が使う魔術は「音声魔術」というものだそうです。
詳しい説明は実際に読んで確認していただくとして(おい)簡単に言うなら「声を出さなければ魔術は発動しない」ということ
なのですが、そのかわり声が届くならば何を叫んでもいいのだとか。
で、オーフェンの場合は「魔術の効果を端的に叫ぶのを好む」そうですが
「我は放つ光の白刃」「我掲げるは降魔の剣」「我は紡ぐ光輪の鎧」
これは確かに分かりやすいと思います。
「我は癒す斜陽の傷痕」「我抱きとめるじゃじゃ馬の舞い」
この辺もまあ100歩譲って…
「我は見る混沌の姫」「我は踊る天の楼閣」「我は与う巨人の幸い」
どの辺りが「端的に叫ぶ」なのか、本人にせひ聞いてみたいものです(笑)
#「呪文がかっこいいなと思った」と言ってる奴の言うことじゃないですが(爆)

そうそう、最終巻が出た時に名台詞を差し替えてみましたが…最終巻の内容を一言で言うとこうなるというか、オーフェンが
紆余曲折の果てにようやく見つけた「真実」がこれなのかな、っていう気がします。
これはこの言葉を見て私が感じたことに過ぎませんが、もしかするとここで言う「超人」はみんなを救う「救世主」ではなく、
みんなで等しく払うべき犠牲をたった一人で背負う「生贄」なのではないでしょうか。
だとすれば、「超人」にできることというのは「世界を破滅させない」こと、あるいは「破滅を先延ばしにする」ことだけ、
それがつまりは「超人は世界を救わない」ということなのかな、と思うのです。

オーフェンの姉アザリーは最後に、オーフェンへと真実を伝え判断を委ねますが、悩む彼にこうも告げます↓
「勘違いしないで。あなたにその資格があるとか、あなたの判断に特別なものがあるわけじゃない。
 でも、あなたがやらなければならない」

その言葉に従い、彼は「超人」としてではなく「一人の人間」として、「みんなが等しく犠牲を払うために」ある決断を下します。
それは彼らの大陸に生きる者が誰一人として考えていなかった(と思われる)、ある意味世界の常識を根底から覆すような
決断でした。
……まぁあんまり書くと読んでない方の楽しみが減るので、興味を持たれた方はぜひ読んでみて下さい。

ちなみに最近、作者である秋田さんの個人サイトでこの続きが連載されていましたね。
ただしそこに人物名はほとんど出ず、「あいつ」「そいつ」「こいつ」といった書き方をされていたので読む方が「この台詞は
誰のだ?」と推測しながら読む必要があります(もちろんこれは作者が意図的にやってることですが)
で、今後この話が出版される可能性もあるそうですが、まだ詳しいことは未定のようです。気になりますね〜(^^)