66.C700/B500 市ケ谷レポート
市ケ谷ショールームには、C700とB500がなかよく並んでいた。B500が出ているという情報をつかんでいなかったので、おぉラッキー。
C700の裏面には"試作5号機"、B500にはなんとか(モバイル事業部、だったかなぁ)4号機の表示が。いずれにせよ、純然たる試作機。
どちらも機体の状態としてはきれいなもので、触りまくられた故の汚れ/剥れ/緩み/ガタなどは、まったく見られなかった。製品発表会場に出たC700が試作一号弐号、ショールームに出たのは弐号という話だったので、試作のバージョンが上がるたびに入れ替えているのかもしれない。
装備状況。
どちらもCFスロットは空。SDスロットはC700は空、B500には32MBのSDが入っていた。クレードルは参考展示してあったけれど使える状態にはなく、要するに外部とのやり取りについては、一切試行できない状況。ちょいと残念。
両機とも電源ONのままでSDを挿せば認識し、ONのまま抜いても電源は切れなかった。便利といえば便利な動きである。Roz兄ぃのVAIOはMSについて同じように活線挿抜状態だそうで、さも嬉しそうに語っていたのを思い出す。
便利なんだけれども、この動きが製品版でも同じかどうかは、まったく分からない。危ない動きには違いないし、特にSDにスワップを作る設定の場合は、危険度高かもしれない。お作法としてはあくまで、電源OFF中に抜き挿しするものだろう。
ちなみにE21の時にはSDスロットはセロテープでふさがれていたのだけれど、今回はそういうことはなかった。説明員の"試作機でなんの保証もありませんが..."とのセリフをがつっと聞きつつ、自分がE25DCで運用中の512MB SDをずばずば...。無事であった。
大きさ。
どちらも、胸ポケットにはすんなりと入る。C700は蓋をした状態で出し入れしてみたが、まったく問題ない。そもそもこれが初対面となるC700なのだが、手にしてみると、イメージよりもずいぶんと薄くて軽い。高級感はあまりないが、スタイリッシュな印象ではある。ターンスタイルではやや苦しいが、ポケット出し入れも無理ではない。ちなみに今日のワイシャツは、手持ちの中で一番ポケットが小さいやつ(あくまでも偶然)。
B500の電池パックは、実物を見るとさほど無様でもない。両手で抱え込んだときにちょうど指がかかり、ホールディングはむしろE25DCよりよいくらい。こちらもすんなりとポケット出し入れ可能。
口惜しいのだけれど、C700/B500どちらも、mitoさんのカバーを装備した私のE25DCより出し入れがスムーズである。ぬぬぅ。ということで、こと携帯性に関しては問題なし。
試作機とはいいながら金物としてはほとんど固まったと思われるので、まずは安心できるポイントである。
キーボード。
C700のキータッチは、かなりぺこぺこ感がある。感触自体は不快ではないし軽くて押しやすいけれど、すごくいい、とも思わないレベルだった。
律義に斜め配置され、しかもキートップ間が広いので、指が迷うし、両手親指打ちするにはちょぉっと遠いのだ。慣れにもよるけれど、私の現時点では、圧倒的にE21タイプの方が入力が速い。キートップ周りは、もう少し練る余地があるのではと感じた。前例からしても、モデルチェンジ(があれば!)でブラッシュアップされていくのだろう。
テーブルに置いた形でもぐらつくようなことはないけれど、さて何本指で打とうかなっと。10本全部はかなりつらい。片手2-3本あたりが現実的なところだと思うけれど、かえって相当な慣れを必要とするかもしれない。
B500の"キータッチ改善"は、実感できた。E25DCよりクリック感が高まり、かっちり押せる印象。現状E25DCでまったく不便/不満は感じていないのだけれど、比べてしまうと、タッチの感触はB500に軍配に上がった。小気味よく快適である。ただしキー配置は若干異なる(Enterキーなど)ので、乗り換え/買い足しの場合、その慣れは必要。
日本語変換周り。
まず、辞書。
ついで、文節移動。E1系とキーアサインが異なる。
左右矢印キーで変換対象文節の移動、シフトキーとの併用で文節長の変更。私、PCではこちらの動き派なんだけど...なにぶん変換→確定の流れが違うので、Zaurus、しかも慣れ親しんだE1/E25DCと同じスタイルの機体で逆にされてしまうと、非常に使いづらい。日本語入力マシンとして普段重宝しているだけに、このアサインがカスタマイズできるものかどうかは、とても気になった。
というわけで、辞書と文節移動については、説明員に問いただして調べてもらった。結論からいうと製品版では、E1系と同じものを搭載する予定だそうな。変換周りも含めて、あくまで試作版ということらしい。展示されているものがなぜ現状こうであるのかは分からないが、なにしろカスタマイズ可能にするということではなく、E1系列と同じ予定、だそうな。あぁ、聞いといてよかった。無駄にテンション上げて騒ぐところであった。
(2002/11/26 追記訂正)
本稿をご覧になったシャープの方から昨日連絡が入り、辞書と文節移動の件、訂正。
"同じもの"というのは、E1系列ではなく、"SL-A300と同じもの"だ、ということである。
辞書については、C700/B500ともに、A300とおなじであり、E1系とは別物。
文節移動については、ショールームにあるものと同じ動作(であるから、やはりE1系とは別物)になる。
ショールームでのやりとりで、互いのニュアンスが食い違ってしまっていたらしい。
辞書について。"甘樫丘"を一生に何度入力するんだといわれてしまえばその通りで、元来の書院辞書が、ある意味では常軌を逸していたということもできる。"鞍作止利"なんて..."止利仏師"の方が通りがいいと思うのに、こちらは知らんのよね。
そういう意味で、書院辞書資産に必ずしもこだわるわけではない。ただ、私は巡礼のときこれでずいぶんと感動したし、この資産が継承されていくことになにがしのノスタルジーがある(あった)というだけのことかもしれない。
ただ、SL-A300と同じ辞書、となると...どの程度の内容なのか。E1系の辞書よりもさらにUP TO DATEに生まれ変わっているというのならむしろ大歓迎なのだけれど。A300はビューア主眼ということもあり、辞書の内容についてあまり論じられていないように見えるけれど、どうなんだろう。
待ちに待ったキーボード付き、しかし辞書は(ビューアとしての労力しか割かれていない)へろへろ、となってしまったら、それは問題かも。
文節移動については、C700/B500のスタイルは、PC上の多くのIMEと同じである。恐らくは、ここを重視したのだろう。ただPC版であれば、挙動は選択可能になっている(知る限りE1系列の動き−左右矢印で伸び縮み、キー併用で文節選択−というのは、旧ATOKのインターフェースである)。
良し悪しをいうようなところではなく、個々人の慣れの問題でしかない。出来うればC700/B500でも選択可能にしてほしかったところではあるが、どうでこうで、こういうものとして慣れるしかなかろう。
というわけでC700/B500の日本語入力環境については、若干不透明な部分が残る。私の心配はとにもかくにも辞書であって、SL-A300の辞書内容がどれほどのものであるか...キーボードでがしがし入力するに足るだけのモノなのか。検証したくともA300は手元になし、あったとしてもキーボードがない環境でハードな検証は厳しかろうし。なにしろ上記話の流れからして、ショールームの機体が積んでいる辞書はほぼ本番と同じと見ていいはずなので、機会があったらもう一度じっくり叩いてみたい...が、無理だべなぁ。
(追記終わり)
アプリケーション
速度だけれど...まず、もっさり感は十二分である。モノにもよるが、時に固まったかと思うほど待たされる。特にメモ帳の起動にあれだけかかるのは、疑問。これはアプリケーションというより画面の話だが、SDに入れた雑感堂トップをクリックしたら、NetFrontが起動した。すさまじい高精細である。フォントサイズ最小だと、息を飲むしかないレベル。この表示は麻薬である。欲しい。
単発モノとしては、B500のボイスレコーダーを試した。ショールーム内の音と自分の声を録音、音声メモとしてはじゅうぶんに役立つ。マイク内蔵の意義は大きい。ちょうどSHUさんが今朝方書かれていたように、耳からの情報も捕捉したいという場合、かなり便利だと思う。
ただし画面上の操作ボタン類が小さくて、操作性はよくない。ハードウェアキーにアサインされているかもしれないが、そこまで検証する余裕がなかった。また録音した音声は、メディアプレーヤを立ち上げて聞くスタイル。このあたり、ボイスレコーダーのファイルリストからシームレスに再生に移れればよかったのにと思った。ま、その場で聞きたいってケースはさほどないのかもしれないが。
(021212 追記)
Mobile Newsの試用レポートを読んで。
イメージノートの起動は、初回たしかに遅かった。しかし二度目以降はそんなこともなくて、SDに画像を入れていったわけだけれど、あとでみたらちゃんとサムネイルファイルが作られていた。
たまたま残してあったので情報として書くと、SD上に".icons72"という名前のフォルダが切られ、"オリジナルのファイル名"+"_jpg"+".jpg"という形で、60X45ピクセル、1-2KBのJPEGファイルとして保存。時間を計測したわけではないので、どの程度速くなったかははっきりいえないけれど、少なくともサムネイルを作るという、ある意味まともな挙動ではあった。製品版でも同じ仕様かどうかはわからないが。
(追記終わり)
メモリ不足関係。C700でメモ帳(のみ)を起動したまま、Jeodeメニューからサンプルアプリを起動。ビデオカードのベンチマークでよくあるような、パターン塗りつぶしタイプである。起動にえらく時間がかかって忘れた頃に走り始め、一通り表示終わったところで液晶を回転させたら、メモリ不足警告が出た。"メモリが足らんからどれかアプリを終わらせなさい"ってんで、動いているタスクリストが出る画面である。
画像としては、自分のSDのルートに、1600X1200のJPEG画像(サイズ約1MB)を入れていった。C700では約7秒ほどで読み込み、スクロールさせようとするとメモリ不足で、イメージノートが強制終了。他のアプリはメモ帳だけで、不足警告ではなく、強制終了である。スクロールした結果、ではなくて、ちょっと動かそうとしただけで、そうなる。同サイズの画像何枚かを試してみても、同じ結果だった。
一方B500では、読み込み時間はほぼ同じ。ぐりぐりスクロールはできたが、バッファ分を表示しきって次のエリアを読みに行ったときに、メモリ不足警告(強制終了ではなく)となった。このときタスクリストには、イメージノートと共にメモ帳/アドレス帳/ターミナルが同時に上がっており、少なくとも現段階のデモ機を比べる限り、C700よりは余裕があるようである。ま、そりゃそうか...。
でまぁ、どうよ、とか、どうするよ、って話なんだけれど...
とにかく現状では、ソフトがダメすぎる。一方で、金物としては素晴らしい。
...てぇことは、発売までのチューニングおよび発売後のアップデートで、実はどうにでもなるってことか。というより、そうでないとやばいだろう。RAM容量のネックは後を引きそうだが、そこもなんとか実用範囲内に収めてこそのものである。月並みながら、ここは奮励努力を期待、としかいえない。
C700とB500の比較ってことになると、実際に触ると想像以上に感触としてのコンセプトが異なるので、そこはA300も含め、棲み分けには問題ないように思う。個人的にはやはり、画面以外の魅力をC700に感じなかった。キーボードがもうちっと使いやすかったら、評価ぜんぜん違うんだけどなぁ。
とはいえ、あのVGA画面にぎゅぎゅぎゅっと映し出された雑感堂トップ...あぁ、もういちど見てみたい。なんかこぉ、有機的にぬめぬめした魅力があるのだ。たまらん。
B500は、ものすごくバランスのいい機体である。これ1台でできることの巾ってのは実はC700より上なのであって、ハードとしては、E1からのブラッシュアップの(今のところの)到達点として、ポテンシャルは非常に高いと思う。
それもこれも、とにもかくにも、ソフトがなんとかなってこそ、である。なんとかなるだろうと思いたいのだけれど...ふたたび、がんばれぇ技術陣。
(2002/11/21)
(2002/11/22 追記)
インライン入力について。
普段PCで慣れ親しんでいるだけに、インライン入力であること自体には、特段の違和感はない。実際、打ち出してしばらくしてからやっと、あぁそうだったっけと気づく始末。
とはいうものの、C700での入力のし辛さ−どこまでいっても慣れの問題が絡むので、"辛さ"と言い切ってしまうのはためらわれるのだけれども−に、インライン入力であることが影響しているのは間違いない。キー位置を確認しつつ入力位置に目を戻しながら、の視線移動量はかなりのもので、正直、疲れる。まずC700をいじってからB500に行ったのだけれど、これはこれでまた...縦画面だけに、画面上部に書いていく場合、やはり遠い。キー自体に慣れているので、C700よりはるかに楽ではあったけれど。
E1系でも英文(半角英数字)入力は、もろにインライン入力である。物理的な状態はこれで体験できるわけだけれど、変換が伴わない英文入力の場合、ずっとキーを見ていることも可能で、これが一番効率が良い。日本語の場合はこれに変換操作が入るわけで、どうしても入力結果を逐一見てしまう。普段E25DCで日本語入力していて、どれだけキーボードを見ているかというと、なかなか表現が難しい。入力位置とキーが近いので、見るともなしに常に見ているといったところか。漠然とポジションを確認しつつどんどん指が勝手に動く状態で、まぁ、半タッチタイプというあたりだろう。これはこれで、快適である。
インライン入力は、直感的で自然ではある。そのメリットを活かせるかどうかは、修行のいかんによってくるのかもしれない。