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49.MI-E21市ヶ谷レポート

 しばらくぶりの市ヶ谷ショールーム。すっきりしすぎちゃってなんだか落ち着かない。E21展示品2台は壁際に設置、1台はCE-VRC1とクレードル付き。
 昼休み時間帯だったんだけど、客は私一人。ゆっくり触れた。
 あ、先に書いておこう。今回一切、カード類は挿していない。置かれた環境でいじっただけ。凶悪なことも極悪なことも突っ込んだことも、なぁんにもしていない。


外形
 たしかに軽くなり、幅が狭くなったことは触ってすぐに感じる。直線基調になり、E1に対してシャープな印象。

キーボードカバー
 上部のエッジにしっかり角がついた分、開け閉めはしやすい。
 センター決定ボタンは、やはりとんでもなく便利である。"決定"キーが独立してある意味が理解できなくなるほど。
 各キーは大きくて軽くて押しやすい、んだけど、押しやすすぎやしないかというのが正直な印象。どうも意図せずに押してしまうことがありそうな。電源ロックがあったかどうか確かめるのを忘れたが、鞄の中で勝手に電源が入るケースは増えるかも。
 ライトはつかなくなっちゃまずいしメニューが開けなきゃ困るしインデックスは必要だし(第一E1では割り付けできなかったな)電源ボタンがないんじゃどうにもならんし順送り/逆送りは検索の時に使うし。殺せるとすれば二つある"決定"キーのどちらかなんだけど、キーコードは同じだろうからセットものの挙動しかしてくれないだろう。
 ...困ったもんである。

キーボード
 "メモ帳"に、訪れたユーザのコメントが続々と。んーと、トーンはさまざまながら概ね"打ちやすい"と好評。
 確かにキートップのサイズ/形状、ストロークやクリック感、よく練られている。全体のサイズが小さいぶん指の移動距離も短くなっているし、打ち疲れはE1より少ないかもしれない。タッチが固くなっているのは、特に気にならなかったし。
 ただ、ホールディングとしてはよくない。キーボードカバーを閉じているときはいいが、開けてキーを打っていると安定感にかける。
 それと、見え方。キートップやキーの間の刻印が太字になったことと色合いの関係、加えて全体が密度アップしてるんで、かなりやかましい感じ。
 これもユーザコメントに多数あったけれど、E1からの乗り換え組は慣れるまで少々かかるかも。なにしろ"、"と"。は別だし、キー配置はかなり違うし。実際私が打っていてもかなり戸惑いがあって、苦労した。ただ、慣れてしまえばE21の配置の方が入力効率はよさそう。
 "慣れ"と書いてしまうと実はたいていのことは慣れで片づく部分もあって、上記ホールディングの話も手がE1サイズを覚え込んでいるだけ、ということもあるかもしれない。しかし例えばZ@CにあるRozさんレポートではいきなり触って"持ちやすい"とコメントされているわけで、このあたりの感覚評価はことほど左様に難しいのだ。
 私の場合主にキー配列が邪魔をして、すくなくともE1とE21を並行して同頻度使うということにはなり得ないだろう。そのくらいの違いであることは確か。

インデックス
 あちこちでいわれていることとダブるが、これは使いやすい。見た目もすっきりだし、時計表示もインデックス画面らしくてマル。なにしろ表示できるアイコンが増えたのは喜ばしい。

インクワープロ
 すでにniftyでは林さんから報告が上がっていることながら、上下キーがスクロールではなくカーソル移動になった。おぉ、やぁっと。でも画面タッチによるカーソル移動や選択が今ひとつやりにくいのは変わっていない。

速度
 速いという話はあちこちで出ているので、今回はなにもせず。標準アプリをちょちょっといじる程度では、E1との差はほとんど感じられなかった。速度をセーブしているという話なので、当然だろう。"カード録画"とか"カード録音"とかのかなり重い(らしい)アプリに切り替えるのには、それなりの時間がかかっていたけれど。
 デモ機にインストールされていたゲームソフトを普段やり込んでいれば実感できたのだろうけど、この項目はパス。

録画機能(CE-VRC1)
 液晶ディスプレイにプロモーションビデオが流れていて、CE-VRC1経由で録音/録画が可能。当然やってみる。Nice to meet you, Nancy. 320X240フルスクリーンでプロモが画面に再現、むむぅ。やるではないか迫力あるぞ。音もステレオ、よいよい。
 ちなみに録画予約アプリが入っていて、予約録画可能。
 サンプルとして入っているセントラルパークも、若干のカクツキはあるけれど、E1とは雲泥の差。これなら、映画もTVも楽しんで観られるだろうなぁ。
 CE-AG06+マイクでの録画は、環境が用意されていなかったのでパス。

録音機能(CE-VRC1)
 同じくビデオから録音のみもしてみたが、まぁプロモの音を録ってショールームで聴いて音質を語ろうとは思わん。とりあえずはきれいに録れていた、としか言えない。無音部分を検知してファイルを分ける機能付き(ON/OFF可)。
 録音中の画面のメッセージが変で、"録音時間:無制限"ってのと"録音可能時間:31分"ってのが両方表示される。製品版では直ってるだろうけれど。
 カードなしで"カード録画"を起動すると、"カードがありません。挿せばアナログMP3が作れます(大意)"ってなメッセージ。言いたいことはわかるけど、"アナログMP3"は妙だと思った。
 9素子イコライザー独立設定の画面は壮観。プリセットを比較するのもよかろうし、ちょいといじって好みの設定も思いのまま。ただぁし...
 レベル調整はなし。オートのみ。号泣。こればかりは聞いてみたが、とにかく録音レベルをいじれる機能はソフト的にはまったく入っていないと断言された。くうぅ...


 レポートはこれだけ。以下ちょっと考察。


 まずはNancy。
 品質としては、音付きの映像を持ち歩いてみるという用途としては十二分に実用的。ビデオクリップもいいだろうし、TVドラマでも映画でも、完璧とは行かないまでも満足できる質で楽しめるだろう。
 であるがゆえにコピーガードがかかってしまうわけだが、確かにグレーゾーンではある。メーカとしては面倒はフルフルだろうし、それを考えると私も歯切れが悪い。
 とはいえ、"録画したカードでしか再生できない"のが真実だとすれば、それはやはり利便性が悪すぎる。とりあえず手持ちの容量でできるだけ楽しみながら、ボーナスをあてにしてSD増強とか、できんではないか。
 著作権に抵触するような配布をするか/受け取るかというのは、基本的には個人の良識の問題ではないだろうか。アンダーグラウンド文化に関りたくない、んなもんの生成発展に手を貸すような真似はしたくない、というのはわかるが、それを恐れるあまりまっとうな使い方まで閉ざしてしまうのはいかがなものか。製品の魅力や位置づけにかなり響いていると思うが。
 トラップさんがおっしゃるように、劣化のないデジタルコピーである以上この議論は先鋭化して行ってしまうように私も思う。それにしても今回のコピーガードは、下手をするとガード中最悪のものである。これもトラップさんのお言葉だが、"使う自由"を失いたくないものだ。
 と疑問を呈しておいてさて私自身はというと、動画に関する限り、実はさほどこだわっていない。元来がTVもろくすっぽ見ない人間であり、ビデオライブラリも昔BSから撮ったものが10数本程度である。なにしろ現在自宅で使っているPCモニタ直結型のTVチューナが、ステレオ音声に対応していないのだ。その意味では、E21のCE-VRC1/Nancy絡みの機能は、今のところ私には持ち腐れともいえる。
 ただし、CE-AG06とマイクでの動画撮影には、期待もある。動画圧縮処理と音質については、eggyを上回ると思えるから。光学系とCCDが心もとないけれど。
 それでも、eggyを持ち歩くことなく動画が撮れ、しかも15秒制限つきながらメール添付もできるというのは、かなり美味しい話である。ZaurusビデオカメラVer1.0では独自形式ファイルでしかも音はナシ。それでも実は娘の動画を何本も撮ったりしたのだが、今回は決定的に話が違う。"自分で撮影する"のと"ソースを録画する"のは全く別のことであって、このパスには興味あり。


 録音については、騒ぐ。いつも読んでいただいているみなさんには耳タコで申し訳ないが、音楽については文字通り寝食を忘れる人間である。手持ちCD-ROMのMP3化はほぼ終え、現在はアナログソースのMP3化。演奏時間リアルタイムX2という効率の悪さがE21で救えるならば、にょーぼを質に入れてでも(入ってくれるわけがないが)、だったのだが...
 繰り返しになるが"録音したカードでしか再生できない"のが真実だとすれば、SDで録ってPC経由でCFに落として再生、すらできない。バイト単価の高いSDに、そうそう投資はできんのである。
 加えて、録音レベルがオートだけだと...あのう、オートは必須だとは思う。特にマイク繋いでモバイル環境で音を録るとき、いちいちレベルに気を使っていたら対象を逃すから。しかし、音楽はねぇ...
 レベルがオートだと、当然ながら音の大小が平均化されてしまう。ピアニッシモもフォルティッシモもぜぇんぶメゾフォルテになるわけで、それじゃ私のジャンルは成り立たんのだ。
 録音がVBR(Variable Bit Rate-可変ビットレート)のみの対応というのも、気になるところ。これ要するに、情報量によってビットレートを動的に変えて、ファイルが肥大するのを避けるって方法なのだが、要するに音質も変動するわけである。私の場合はMP3は128kbpsで固定なのだが、これ以下になると聴感上明らかに落ちる。フルオケとかコンチェルトとか聴いていてソロになるとダメになるとか、無伴奏ヴァイオリンはハナからダメとかだとすると、痛い痛い痛すぎるのだ。
 まぁレベルにしろVBRにしろ、ジャンルによってはほとんど気にならない部分だろう。とはいえ一方では9素子グライコなんて付けてきているのだから、もう一息こだわっていただきたかった。ハード的に絶対に無理というのでない限り、末長く騒ぎたいところである。


 キーボードカバーとインデックスの絡みは、やはり現状だと操作性ダウンと思える。インデックスが1画面あたり3個増えたが、3面使ったとして9個。これでも、SYSTPREF.TXTでカバーのキーに割り当てている数に満たない。おまけに、インデックスからの起動だとどうしてもオペレーション数は増える。
 キー割り当ての意味は、"覚えてしまえばツーアクションで起動できる"ことにある。"探す"という工程が入らないのだ。
 ダイレクトキーが"ライト"キー長押しになってしまったことも含め、私としてはマイナスポイント。第一、E1のキーって、ちっとも押しにくいと思っていないのだ私。E21が押しやすいのは認めるんだけれど。


 PPP接続は保持されない。DRAM増強で期待した部分だったのだが、NGだった。
 縁側でTOKさんからコメントいただいたように、将来的に(PJAVAのような)でかいものを動かすため、という話はわかる。リセットがかかりがちだったMOREもすんなり動くかもしれないし、MP3聴きながらネットサーフィン(現状でもなんとかできる場合もあるが)も問題なく行くかも。
 しかし、本当に無理なんだろうかブラウザ稼働中の常駐MORE有効化とかPPP接続保持してメールチェックとか。ユーザ側で有効/無効を設定して、てわけにいかんのだろうか。
 間に合わなかっただけ、であることを期待したい。


 電池。20%の増量では変更の意図がわからんと以前書いたが、Rozさんの捕捉レポートは目から鱗であった。そぉかそぉか、筐体変えたら入らんってか。なるほどぉ。
 であれば、変更についてはなんの疑問もない。もちろん、充電器まで買ってしまった私としては乗り換えをためらうポイントではあるが。
 しかしそれより電源回りであれば、MPUを増強してしかも消費電力をE1から0.3W下げてきたという努力に拍手を送るべきだろう。充電器も10月発売がアナウンスされていることだし。
 おまけにMP3再生時間が妙に長いのだ。"CFで約10時間30分、SDで約8時間40分"とは、いったいなにごとであるか。実際1日に2時間はMP3を聴く私の運用は、E1の電池の半分近くをMP3で消費しているのである。ここが伸びる(消費が減る)のは、実はとてもとてもとてもありがたい。なにがどうなっとるのかよーわからんのではあるが、シャープさんが出してきたカタログスペックは無条件信頼に足るものなので、額面通り受け取る。個人的には、非常に大きな改善ポイントである。
 ただ...いしかわさんの外部電源のおかげで、電源の悩みからはほぼ解放されてしまっている。となると、電池が使い回せないデメリットが再燃してくるのよなぁ...。


 ということで、私的結論。今回の購入は見送る。正確に言えば、見守る。
 E21独自の機能に、それほどの必要性を感じないということが一点。E1と共通してできる部分でE21が格段に優れているというポイントが、購入意欲をかき立てるほどではないということが一点。

 MI-P10以前の機種(除くVGA機)からの買い替え、あるいははじめてのZaurusということであれば、お勧めできるマシンだと思う。使いやすさ、できることの豊富さ、値段とのバランス、どれをとっても一級品である。
 E1やL1からであっても、要は自分の中でのバランスの問題であって、"惚れたら買う"あるいは"後悔は買ってからするもんです(版権山之内案山子氏出典こばやかわという人)"という真理は、いささかも揺るがない。

 であるからこそ、今回は見守る。バランスがそっちに寄っとるのだよ。けして高見の見物ではなくむしろ戦々恐々としながら(違うなぁなんか)、ドキハラで見守る。
 道具は使いやすい方がいい。同じことをするにしても、ほんの少しのことで使い勝手は大きく変わるのである。OP16がふっ飛んでいた2週間、なんだかそれでも慣れてきてしまったように思っていたが、本日田端で修理して、痛感。やはり不便に慣れてしまってはいかんのだ。探究探究。
 E21の運用が自分の中で見えてきた暁には、速攻だろう。質屋には行かんが。

 より使いやすくより夢のあるマシンを求めつつ、シャープさんに乾杯。あぁぁ、やぁっと呑めるよぉ(いえ、ちびちびやっとりましたけどね)。

(2001/09/03)