42.データから行ってみよう
とっかかりとして。私、PCではファイラをランチャとして使っている。アプリはデータファイルから呼ぶのが大抵で、素でアプリを立ち上げることは滅多にない。
Windows3.1の頃に、ほぼこのスタイルになった。DOSの頃は例えば一太郎Ver.4のメニューからファイルを呼んでたけれど、Windowsのファイルマネージャに目覚めてからは、もっぱらそちら。Windows95からはExplorerで、ここに至って完全に定着している。
ファイラをランチャにする理由の一つには、アプリのファイルオープンコモンダイアログがちっこくてイヤだ、ということがある。目的のファイル探すのにちまちまスクロールするのが面倒で。ファイラであればその点、見渡しも自由に拡げられるしサーチも効くしで、オペレーションとして楽なのだ。
特にフォルダを分けて管理している場合、"あそこにあるあのファイルをいじりたい"という要求が、まず最初に来るはず。個人的にはあまりフォルダに分類せずにどかっと溜め込んで、検索なりソートなりで引っ張ってくる方が好みなんだけれど、職場のファイルサーバはがっちがちにフォルダ切られてるんで、これをアプリのダイアログから探すってんじゃぁ日が暮れる。やはり、まずはファイラで目的のファイルを見つけて、ファイルからアプリ起動。
さらに、不要ファイルの削除や不明ファイルの内容確認、リネームやバックアップコピーなど、PC上では常にファイラが起動していて、そいつをランチャにも使うのは、操作として理にかなった話なのだ。
WindowsPCの場合、ファイルを(ダブル)クリックすると特定のアプリが起動して、そのファイルを読み込む...というのは、拡張子とアプリの関連づけによる。関連づけはレジストリに記録されていて、まぁ大抵はアプリのインストール時に自動でデフォルトの設定がされるわけだが、なにせOSが絡んだレジストリの一元管理なので、1対1の関係しか作れない。テキストファイルを(ダブル)クリックすれば、デフォルトの状態で立ち上がってくるのはWindows付属のメモ帳だが、このときに例えば秀丸を選択しようとしても、そういう機能は、ない。
この話になると必ず引き合いに出されるのが、MS-Wordが自分のデータファイルの拡張子に"DOC"を採用したということ。昔からドキュメントを表わす拡張子としてテキストファイルに用いられてきた拡張子を、かくも重いワープロソフトに関連付けさせるとは何事ぞ、と、MS叩きでは定番の話題である。
Wordでファイルを作ると必ず"*.DOC"で保存されてしまうので、この関連付けをまったく無視するわけはいかない。ところが一方、MSのお作法に右へ倣えする必要を認めないメーカやシェア/フリーウェア作者は、テキスト形式のドキュメントを"*.DOC"で提供する。本来ならばこうしたドキュメントは軽いテキストエディタでささっとみたいのに、ダブルクリックするとがりごりがりごりいいながらうんとこしょとWordが立ち上がって、しかもデフォがプロポーショナルフォントだったりしてもうわやくちゃ、というのがこのお話。
さてそれでは、拡張子関連づけされている以外のアプリでファイルを開きたいとき、どうするか。
これが"送る"というヤツで、まずは*\\Windows\SendTo フォルダの中に、起動させたいアプリケーション実行ファイルへのショートカットを置いておく。いじりたいファイルをファイラで選択して、目的のアプリのショートカットに送ってやれば、おぉけぇ。
前述のMS Wordの場合だったら、Wordのモノとわかっている場合は素直に(ダブル)クリック、こりゃテキストだなというモノは"送る"で秀丸エディタへ("*.DOC"の中身を判別してエディタとWordに振り分けてくれるツールもあるが、本質的な話ではないので割愛)。
私は"*.HTM"も未だにテキストエディタなので、いじるときは秀丸に"送る"。仕上がりとか内容を見る場合は、(ダブル)クリックでInternet Explorerへ。
他に、画像編集ソフトを使い分けたい場合などにも有効である。拡張子関連づけはとりあえず軽いビューアあたりにしておいて、ごりごり編集したい場合は編集ソフトのショートカットに"送る"、とか。
その他よくあるパターンが、"なんじゃこりゃ"というファイルの中身を確認する時。いろんなアプリがいろんな拡張子で設定ファイルだのバックアップファイルだのを作ってくれるので、正体不明のものが結構できる。こういうやつらにはたいてい、拡張子関連づけもされていない。中身確認には、とりあえずエディタに送ってしまうのが一番早道なのだ。
というオペレーションを続けてくると、頭の中が、"このアプリでどのデータを開くか"ではなくて、"このデータをどのアプリで開くか"になる。
...ふぅ。この一言をいいたいがために長々と...。まぁ実は、オペレーションの問題だけではなくて、データかアプリかと聞かれたらそりゃぁデータでしょう、といったあたりの、考え方の問題だったりするのだが。例えばバックアップの必要性とか、データドライブはRAID組んでおきたいなぁとかいった意味でも。
で、本題はこれから。
さて、データ主体の考え方をZaurusでも継承したい、となるとこれは、本体機能及びシャープ純正MOREが作るデータの場合と、ユーザMOREが作るデータの場合で、だいぶ事情が異なる。
本体機能(純正MOREは、たいてい"以前は本体機能だった"連中なんで、扱いは同じ)...例えばアドレス帳だったリスケジュールだったりPDB IIだったりするわけだが、こいつらのデータを上記PC的にファイラで探して、作成元アプリに渡して起動というのは、意味がない。
これらのアプリ(機能)は、1アプリ1データファイルが原則である(モノによっては複数ファイルを持つが、要するに1つのデータが1つのファイルではなく、データがまとまってファイルになっている)。ファイラで例えばADDRESS.IDXを探してタップするとアドレス帳が起動します(起動しないけどね)、なんてったってぜんっぜん嬉しくないのだ。それではただ、アドレス帳に切り替わるだけである。そんな話なら、SYSTPREF.TXTでもC-Indexでもランチャでも使って、さっさとアドレス帳そのものを立ち上げた方が、よほど便利だ。
PC-Exchangeでは表計算とフォトメモリーについて、ファイルの中身を1データごとにリストし、タップで起動ができる。インターネットライブラリについてもリストはされるが、タップしても無反応。しかしまぁ、機能2種類だけではどうにもならん。
じゃあデータ主体に使うってのは無理なのかというとそうではなくて、情報ファイルとアクションプランナーという強力な武器がある。
要するに、アプリをまたがってデータを抽出分類できるわけで、条件にあったデータをだだーっとリストしてくれ、タップすれば作成元機能/MOREが立ち上がってそのデータの画面になる。ほら、できた。
"データを探してそこからアプリに行く"って考え方としては王道をいっている。アクションプランナーでの検索はインクワープロとライブラリは対象外だとか、MOREは起動していないと検索対象にならないとか、本体とカードのデータを一緒に検索できないとか、そもそもリスト欄が小さいとか、不満もあるけれども(このへん、あかべ〜さんとネタかぶりあり。すいません)。あるけれども、もっと積極的に使われていい機能だと思う。ほとんど話題にならんようなので。
...でもさすがに、このコンビをランチャ代わりに、とまではいかない。PIM的な利用の場合、例えばスケジュールだったら本日の予定、PDB IIだったら本日の日記、に用があることが多い。そういうときは、ほんとにささっとそのアプリそのデータが出てきてくれないと話にならんわけで、素直にアプリ立ち上げてしまうのが一番。そりゃまぁPCアプリだって、PIM系だったら立ち上がるときにデータ読むわけで、事情は同じか。なんにせよ、自分がしたいことの内容によって、データから攻めるかアプリから迫るかは、やはり選択が必要な状況。
さてもう一方、ユーザMORE関係。これ、ユーザMORE云々というより、本体機能が扱えない形式のファイルという方が正しいか。要するに、生のテキストファイルとか画像ファイルとかの話である。
こちらになると、ほぼ上記PCでのファイラランチャ的な運用ができるようになってきている。なにはともあれ、mabさんのMORE連携方法と、それをライブラリにまとめられたnakabanさんのお二人に、改めて感謝。
ZaurusのファイルシステムはFAT互換なので、Windows PCの場合と同じように拡張子を持つ。けれど、mabさんのMORE連携法そのものは"指定されたアプリに指定されたファイルを渡して起動するもの"で、ここで、拡張子とアプリの関連づけがされているわけではない。もちろんZaurus OSがこの関連づけを決めているわけでもなく、ここがPCの場合と大きく違うところ。
実際の関連づけは、それぞれのMORE作者にまかされている。ここはいろいろと考え方があって、とても面白い。VGAファイラの話ができないのはとぉっても残念なんだけれど...。
どうしたってファイラの話になるわけで、ファイラ比較記事とその後日談もご参照を。注。以後の記事で、ファイラMORE草分けであるyonezawaさんの"TWinFileManager"は、残念ながら割愛した。本駄文の趣旨である"ファイルをアプリに渡す"という挙動ではないから、だけれど、これはこれで特殊な高機能ファイラであり、独自の拡張子関連づけでものすごい便利な使い方ができることを付記しておきたい。
ボビーさんの"拡張メモリ操作"では、拡張子とアプリの関連は固定である。そのかわり、拡張子に関係なく、指定ファイルを指定MOREに渡して起動する機能は用意されている。ただし、起動できるアプリは決められていて、エディタを使い分けるといった操作には向かない。
nakabanさんの"DriveCruiser"では、iniファイルをユーザが編集することで、拡張子とアプリの関連を自由にカスタマイズできる。同一拡張子に対して複数のアプリを関連づけることも可能で、DriveCruiserで目的のファイルを見つけてタップすると、開くアプリを選択する画面が開く。1対1しか割り付けていなくてもこの選択画面が開くので、一手間増えてしまうところが痛し痒し。だけれど、テキストいじるときに32kb以下だったら"mabEditor"、越えていたら"かえで"、オンラインドキュメントだったら"PostEditor"なんて使い分けをしょっちゅうする人だったら、ベストのやり方だと思う。
さてそして、takuさんの"Tree!Explorer Plus+ Ver1.50 ベータ3"である。Look&FeelをWindows Explorerに限りなく(?)似せてしまったというこのファイラ、まだβだし、いずれMORE部屋に書かせていただこうと思っているので、今回は本駄文の趣旨絡みだけ。
拡張子関連づけは、ユーザがカスタマイズ可能。ただし、1対1のみが有効になる。そのかわり、ファイルタップでダイレクトにファイル渡し起動が可能。
じゃ、関連づけと違うアプリに渡したいときは、というとこれが、Windows Explorerとここまで似せるかぁという"送る"メニューがあるわけである。
拡張子にまったく縛られずに好きなアプリに好きなファイルを渡せるという機能は、知る限りこれだけ。実際、いろんな拡張子があるのだ。エディタも画像編集アプリも複数あることだし、そういう意味ではPCの場合と、たいして状況は変わらない。拡張子に縛られないという"送る"機能、私にとっては大ヒットなのである。
というわけで、どうであれ、まずデータを探すというアプローチはありよ、という話。
PCとZaurusは、いうまでもなく別物である。データ主体と言ってみたって同じようにはいかないし、そもそもPCの作法をそのまま持ち込むという考え方をしてしまったら、それはZaurusの翼をもぐだけだと思う。けれど、目的のデータにたどり着くのにどの方法が早くて便利かということを考えただけでも、アプリにばかりこだわらず、データ主体のアプローチを視野に入れてみるのは役に立つだろう。
次なる段階は...なんたって、検索機能の強化だなぁ...
(2001/07/05)