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21.さらば初号機−黎明篇−

 私は、PDA本体の汚れだの傷だの剥がれだのにはほとんど注意を払わない。持ち歩く道具だ、どうせ汚れる。

 靴だってそうだ。おろしたては泥濘を歩くのも憚られるのだけれど、せいぜい一週間もすれば適度に煤けてきて、そこからがやっと靴の本領発揮である。

 そんな私でも、画面の汚れだけは我慢がならない。もともと小さい画面につまった情報をぐわっと覗き込むというのに、指紋だの埃だのがちらちらしていては、肝心の情報に気が行かんではないか。特にE1のような反射型液晶の場合、外光を埃が受けて白くちらちら光りよるもんでなおさらである。

 で、とにかく"さっと拭けばきれいになる"状態が長年の理想だった。

 ハダカで使うと、どうしても画面についた埃をこすってしまって、結果ガラスに傷が付く。MI-C1はハダカ運用だったのだが、半年たったところですでにソフトキーボード部分にはキーの形の白濁が出来ていて、しかもパネルの下に埃が入っているのもわかっていて、まぁいずれパネル交換時に全部掃除してもらおうと思っていたのだった。とても"さっと拭けばOK"というわけにはいかず、なんらかの保護手段が必要とここで思い知る。


 で、保護シートだ。E1購入後いろいろと試してみたが、どれも決定打にならず。

 まず、純正専用OZ-227S5。伝統のはめ込み式。この"はめ込み式"ってのが既にダメで、どうあがいてもシートと画面の間に埃が入る。で、シート自体ががたつくため、結果が面を埃がこすることになるし、一度入った埃が出にくくてどんどん溜まるため、それだけのために交換が必要になる。なにより、透明度が低いしタッチでずれることもあるしで、これはNG。

 次に、MI-310用あるいはMI-C1用を、E1純正用より大きめに切って使う。これは純正に比べてずれにくくなるという利点はあるが、所詮"にくくなる"程度の話である。結局は問題解決にはならない。

 さて、はめ込み式ではなくてぴたりとくっつくタイプだと、大体3通り。

 まず、Arvelとかサンワサプライとかロアスから出ているシート。大体特徴は3者共通している。シリコン粘着タイプで後腐れはなく、気泡も比較的入りにくい反面、いかんせん透明度が低く(競ってシートの薄さを自慢しているが、なに見にくさという点では大同小異である)、画面がかなり暗くなる。E1はフロントライトシステム導入のあおりでもともと画面の照度がC1より低いので、この暗さは辛いものがある。フロントライト常時点灯できれば問題ないのだが、それでは電池が保たんのだ。

 アクティスオカモトというブランドがここでクローズアップされてくるわけだが、間違ってもFA115系に手を出してはいけない。これはシリコン粘着ではなくてモロに糊がついているタイプなので、貼ったが最後剥がしにくいったらありゃしないし、画面に糊が残る可能性もある。さすがに気泡はほとんど入らず、シート自体の透明度も高いので貼った当座の満足感はあるのだが、残念ながらシートが柔らかい。使っているうちにすぐに傷がつき、貼り替えたくなって初めて、剥がしにくさに愕然とするタイプである。いい出来だとは思うが、所詮画面を直接いじらなくてよい携帯電話とかサブノートPC向けだろう。

 最後の砦、アクティスオカモトのシリコン粘着タイプ。ベテランZauユーザはほぼ例外なしにみなさんこれを使っている。現在手に入りやすいのはFA-55という型番で、カシオペア/WorkPad/PRESARIO/PalmPilot/PalmIII用と銘打って売られている。剥がしやすさ/透明度ではこれがピカ一。難点は、とにかく気泡が入りやすい。本当に微細な埃がついただけで、それを囲むように気泡が出来てしまう。光の加減によってはこの気泡が実に気に障る。  また、このタイプの常として、アブラとか汚れに弱い。貼る時に少しでもこの手があると、きちんと粘着してくれない。ぴたりと画面に貼りついていてくれないとかえって埃を呼び込む。  画面枠内ぎりぎり一杯ちょうどのサイズでシートを貼るなど、人間にはムリだ。どうしたって、シートが少し小さめで、シートの縁が見えてしまう。まずいことに汚れとかアブラとかはここにつきやすいわけで、結局、せっかく貼ったシートの端から少しずつ埃を伴って剥がれていくという、とっても不幸せな状況になりがちなのだ。


 ってなわけで、問題は絞られる。要は、
埃を入れず、空気を入れず
汚れをつけず
縁を作らず
に尽きる。

具体的には、
1.シャワーで空気中の埃を落とした浴室で作業する

この時お湯を使ってはいけない。湿気を封じ込めることになる。また、調子に乗って天井まで水をかけると、いつまでも滴り落ちる水滴に悩まされることになる。ほどほどに。
2.手はよく洗う
出来れば各工程でいちいち実行するべきである。結局最後には、シートを直接触らざるを得ないのだから。
3.画面は無水エタノール+不織布で拭く
画面についてしまっている汚れを取るにはこれが一番。不織布がなければ、とりあえずペーパータオルで代用も可。
4.本体を分解して、枠をはみ出すようにパネルに直接貼る
はめ込み式シートがあることから自明だが、パネルと枠の間にはわずかながらすき間がある。ならば分解して、枠に隠れるような大きさでシートを貼ってしまえば、組み立てればシートの縁はなくなる。物理的に、後から埃が入る余地がない。
5.クレジットカードをヘラ代わりにして押さえながら、少しずつ貼る
べらっと貼ったら、埃はなくとも気泡が入る。最初に慎重に貼りはじめの位置を定め、すかさずクレジットカードで押さえ、後はフィルムを剥がしながら少しずつ、すこーしずつ貼っていく。

 というわけで、ミニドライバーと無水エタノールと不織布とクレジットカードとFA-55を用意した私は、意気揚々とシート貼りに臨んだのだった。

 分解自体は、Marさんの記事のとおり。あえて言うなら、E1の場合、電池蓋のロックスイッチも抜け落ちることがある。これははめるだけ。もう一つ、オプションポート16の蓋は開けておかないと、3枚おろしの時に引っ掛かる。これは、いざその段階で開けても間に合うが。

 さて、おろしたE1の基盤を万感込めて眺めつつ、おもむろに無水エタノールでの洗浄。

 あぁ...ここで私は一世一代のミスを犯したのだった...続く

(2001/01/31)