Zaurus部屋 品書きへ


2.MI-C1が最強になった日(前編)−PDB II ユーティリティ−

 1999年12月10日、MI-C1購入。その夜札幌行きの全日空機内で、私は怒りに震えていた。"パーソナルデータベースII(PDB II)"なるものに、絞り込み機能がなかったのだ。

 それまで使っていたMI-P2Bのデータベースは、非常にまともなものだった。検索対象フィールドを指定し、検索条件を3つまで設定した上で、ヒットしたレコードのみを絞り込んだ一覧表示ができる。おかげで、PC上のトラブルデータベースをひょひょいっとP2Bに放り込んでさえおけば、現場だろうが会議中だろうがいつでも問題の切り分けやら事例報告やらができたのである。

 "そんなおもちゃで何ができる"という目で見がちだった職場の連中もこれにはさすがにインパクトを受けたらしい。実際私がその運用スタイルを見せた直後に、机をならべていた同僚はすぱっとP2Bを購入したのである。結局、"職場でZaurusを使うのは基本的に仕事に役立つことをやっているんだろう"というコンセンサスが形成され、私としてはまあなんというか非常にやりやすい状況が作れたのだ。データベースのおかげで。

 ところで私のP2Bは、C1購入とともににょーぼにもらわれていく約束が既に出来上がっていた。"新しいの買ったら、ソレいらないよね? ちょーだい"というまことに素直なノリに、よく考えもせずにOKしていたのだが、あぁあぁあ、なんということだ。

 C1のPDB IIでは、まず、検索対象フィールドは指定できない。全フィールド対象だけである。検索条件は一つだけしか設定できない。よって当然、and/orもへったくれもない。さらに"絞り込む"という概念がなく、順/逆送りキーで次/前検索を行うだけ。

 その日の昼休みに手に入れたばかりのC1を握りしめてファーストインプレを書きながら、空の上で、私は必死で探した。メニュー構成を隅々まで追った。マニュアルを眼が血走るまで読んだ。信じたくなかった、この時ばかりは本当に真剣に心の底から嘘であってくれと願った。

 電子情報機器で検索機能を落とすとは、そも何事であるか。C1は確かに、色も付いた、一部例外もあるものの特にCF絡みで速くもなった、RAMも増えたしインクワープロ(参照)も復活したなどなど、と対P2B比では飛躍的によくなったのだが、情報を電子化して得られる最大の恩恵である(と信じている)"探す"機能がどかんと劣っているというのは許せなかった。いくら入力が楽だって、入れたものを活用する機能が充実してなければ無意味だろうに。

 幸い当時抱えていたプロジェクトがおおむね安定期に入り、大抵のトラブルは出切ったところだったので、にょーぼに頭を下げてP2Bを返してもらうというところまでは行かなくて済んだのだが、MI-C1について私の中では唯一最大の汚点として、いつも心に引っかかっていたのである。MI-P10が発表された時にも、@Niftyに"PDB IIか、んじゃあのままだな"なぞと書き込んでいるほどで、こうなるともはやトラウマ。

 さて。

 2000/09/29、夕方職場でメールチェック。SZABサポートから一本。"PDB II ユーティリティ...!?!?!?"

 震えたなぁ。こればかりは噂も何もなかった。まったくの不意打ち。タイトルからしてその辺りのものだろうと当然思いつつ、だがしかし裏切られるのも恐いし、もう頭の中は真っ白状態でとにかくクリック。

 ...騒いだ叫んだ吠えた。おぉおぉお、ついに、つ〜い〜に〜。

 この瞬間我がMI-C1は、マルチメディアだかなんだか知らんがなーんか妙な視点でもって情報機器の本質を歪められた鬼子ではなくて、本道をがっつり見据えた<最強の>PDAになったのだった。職場の誰彼が次々と私の興奮の犠牲になったのは言うまでもない。"あのさあのさぁ、見て見て、これで仕事ができるよぉ"...まずい、本音が出過ぎたな。

 フィールド指定はもちろんのこと、検索条件は最大10個。絞り込みのスタイルはP2Bとは異なるものの、今度は情報ファイルへの書き出しになるので、結果を保存しておける。しかも情報ファイルを使うのだから、データがダブってメモリを圧迫することもない。1)サーバ機において2)今年4月以降に3)北海道以外の地区で発生した4)起動時のトラブルで5)UPS絡みではないもの、なーんていう絞り込みができるのよ。ああ、できるのよできるのよ。

 ちなみに対象機種はEX1/C1/P10。思えばEX1以来、この部分はダメダメだったのだ。P10登場時に毒づいたのも、この方向が正常進化とは承服しがたかったからである。

 ...ザウルスチーム偉い。よくぞ本道を見失わずにいてくれた。くぅぅ。なによりその点にもう感涙である。よし。このベクトルを見せてくれた以上私は応援するぞ。

 というわけで、本駄文を今夜書くことはタイトルも含めてこの時点で確定したのだった。

 あろうことかあるまいことか、まさかもう一発来るとはねぇ。というわけで、後編に続く。

(2000/09/30)

(2001/01/12 追記)
 PDB IIユーティリティは、一時リンクが消えて行方不明状態だったが(モノ自体は元の場所にあったらしいがリンクがないので探せない状態だった)、2001/01/05、シャープ社の対応によりリンク復活。面白コレクションのページにあります。
(追記終わり)