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8.ファイラ3本比較

 WindowsPCでもMacでもUnixでもなんでもいいんだけれど、"ファイルを扱う"というのは絶対必要な操作である。新規作成はアプリケーションからでもいいんだけれど、リネーム/コピー/削除/移動といった操作ができないでは、マシンの用途がものすごく限定されてしまう...うーむ、想像も出来んな。

 などとえらそうなことを言っている私も、その昔はじめてPC(当時はNECの98だったが)に触った時には一太郎Ver.3しか使わなかった。ほとんどワープロ専用機。必要最小限ながら一応ファイラ的機能も持ってはいたので、もう本当に、フロッピー起動で一太郎を使う、だけだった。結局すぐに"ファイルを整理する"必要に迫られて、エコロジー(おぉ懐かしや、よく思い出せたもんだ)を使いはじめるわけだが。

 さてZaurusだが、標準機能としてはいわゆるファイラがない。

 ファイラがあると当然ながら、まっとうに動作するために必要なシステム関係のファイルまでも消してしまうという危険があるため、ユーザー層を考えるとこれは正しい処置と思える。例えばWindowsだって、98になってから、Windowsフォルダ配下をExplolerで表示させようとするとアラートが来たりするのだから。こちらにとっては大きなお世話だが、サポートに汲々とするメーカーとしてはやむを得ない処置だろう。

 とはいえ、本体機能だけではなくエディタなどで独自にファイルを作りはじめると、あるいは本体機能からPC送出なんてことをはじめると、どうしてもファイラが必要になるのだ。特にメモリーカードを使いはじめると、もう駄目。作りためたファイルの整理や管理という話になった時に、本体メモリとメモリーカードを行き来できるファイラは不可欠。

 シャープ純正のファイラとしてはPC ExchangeというMOREソフトがあり、これは現在でもSSTの"ユーティリティソフト"からダウンロード可能。ただし、対応機種がMI-310/600/500/100に限られる(EX1/TR1では使えるらしいが、P1以降は全滅である)し、標準の使い方では扱えるファイルが非常に限られる。裏技を使えばほとんどの種類のファイルが扱えるのだが、保証された動作ではないし、第一面倒。そういうことを語るよりは、ユーザMOREに頼るのが一番である。

 現在MOREソフトで公開されているファイラは、3本ある。こーれがそれぞれ個性あって、比べてみると非常に面白い。ボビーさんのものはまだβ版ながら、機能的にも出揃ってきて安定もしているので、ご本人に了解をいただいた上で掲載させていただく(余談参照)。まずはさらっと、機能比較(2001/02/12追記:直近の比較表はこちらを参照)

ファイラ3本比較
MOREソフト名 TWinFileManager Drive Cruiser 拡張メモリ操作
作者 yonezawa氏 nakaban氏 ボビー氏
初出日 1999/7/14 2000/6/30 2000/12/21
最新更新日 2000/6/18 2000/10/16 2000/1/10
最新バージョン 6.1 1.21 1.00β8
ファイル一覧 △(511個まで)
追記4参照
○(1,024個まで) ○(1,024個まで)
任意ディレクトリ対応 △(一階層) ○(多階層) ○(多階層)
ディレクトリ間コピー/移動
ディレクトリ内コピー × × ×
削除
リネーム
表示拡張子任意設定
RO属性ファイル保護
RO属性変更 × ×
日時変更 × ×
ファイル内容表示 ○(BMP,JPG,TXT,
HTML,ダンプ)
× ○(txt,ダンプ)
本体アプリデータ読み込み × ×
本体アプリデータコピー × ×
文字列検索 × ×
MOREソフト移動 × ×
ZAC展開 × ×
アプリ起動 △(連携対応要) ×
アプリ停止 × ×
アプリ削除 ×
SD/CF両対応 × ×
SD/CF切り替え × ×
SD/CFバックアップ × ×
12 8 15
2 1 0

 一見して、"拡張メモリ操作"の多機能さが目につく。最後発でもあり、"個別データバックアップ"や"重複チェック"などの不可欠お役立ちユーティリティ系MOREを発表しているボビーさんのノウハウ凝縮といったところか。

 独自の機能としては、なんといってもMORE移動。"個別データバックアップ"にも入っていた機能だが、本当に重宝している。実はシャープ純正のMORE移動ツールもあるのだが、こちらはどうやら*.APLと*.BOXしか移動してくれないようで、MOREが作る設定ファイルやらデータファイルやらは移動されず、私にとっては無用の長物だった。ボビーさんのツールはアプリケーション識別子を見て、関連ファイルをすべて移動してくれているようで、完璧な移動ができる。カード上だと動作が遅くなるMOREを本体に移したり、その逆をやったりと、MOREメンテにはこの機能が欠かせない。

 ただし、"拡張メモリ操作"はMI-E1専用である("個別データバックアップ"はMI汎用)。承知の上でMI-C1で試してみたが、機種チェックにかかって起動しなかった。逆にE1で使う分には、SD/CF両対応のファイラとして唯一の存在でもあり(2001/02/12追記:Drive Cruiserも対応した。こちらを参照)、E1ユーザーには必携の一本だろう。


 汎用のファイラという意味では、Drive Cruiserの、ファイラとしての必要かつ充分さに注目。独自の"ディレクトリユーティリティライブラリ"を発表しているnakabanさんのこだわりが光る。"拡張メモリ操作"がβ8になるまでは、表示ファイル数制限がゆるく、かつ多階層ディレクトリに対応しているのはこの一本のみだった。また、E1以外のMIユーザでこの機能を必要とする向きには、選択肢はこの一本。

 "アプリ起動"項の"連携要"というのは、呼び出し先アプリが"mab方式MORE連携仕様"に対応している必要がある、の意。現在のところ、mabさんあるいはnakabanさん作のものしか対応していないのが若干辛いところ。ただし、拡張子からの関連づけでアプリを起動する仕様なので(WindowsPCを思い浮かべていただければ近いか)、"このファイルをこのアプリで開きたい"という要望にすぱっとこたえてくれる。対応が進めば、アプリ主体の運用からデータ主体へと、ほとんどパラダイムシフトに近いほどのインパクトがあるのだが。

 Drive Cruiserについてはもう一点、表示拡張子の設定インターフェースの秀逸さを挙げたい。他2者があらかじめ登録しておいた拡張子をリストから選択するのに対して、Drive Cruiserでは、その都度入力した拡張子に対して前方一致のインクリメントサーチをかけてくれる。これ、柔軟性ピカ一。素晴らしい。


 TWinFileManeger...私は一体このソフトにどれだけ助けられてきたことか。PC Exchangeが前述のとおりアイゲッティで使えないとなった、ほぼ同時期に初版リリース。私がNiftyに「igeti欲しいけど...」てなタイトルで書込んだのが1999/07/26だから、P2B購入直後からお世話になっている。

 改版を重ねる度に物凄い機能が追加され、特にMOREの停止については他に頼りようがない(ひどい嘘でした。追記2及び3参照)。展開についてはL.Force導師のLfMoreUtilityという選択肢もあるのだが、"停止"機能だけはTWFM独自のものである。こちらにも書いたように、シャープ社純正MOREというのはどういうわけだか自前で終了機能を備えていないものが多く、もしこの世にTWFMがなかったら、なんとリセット操作するしか終了手段がないという極悪な事態になってしまっていたのだ。

 また、ファイル内容表示機能も秀逸。表中に挙げた表示機能はすべて自前で備えており、えらく高速かつ手軽に内容確認が出来る。"この画像ファイル、一体なんだったけ? いらなきゃ消すんだけど、えーと..."ってな場合に、ボタン一発で即表示。"なんだいらねーや、削除削除"ってのが実にスムーズに行える。

 さらに、本体データ読み込み。CSVファイルからのスケジュール/アクションリスト/アドレス帳へのデータ読み込みが出来る、というのは"個別データバックアップ"にもある機能だが、加えてなんと、*.XLSファイルの表計算への読み込みができる。これすなわち、いちいちリンクソフトで(変換をかましながら)転送する必要がなく、ナマのXLSファイルをZaurusに持って行きさえすれば(カードリーダ使ってもCliplink使ってもいいわけだが)、即TWFMで読み込んで使える、ということ。肝心の表計算MOREがP2BとかC1だと遅くて使い物にならず実用としては断念していたのだが、E1用が発売されたら速攻で導入して、この機能をフル活用させていただくつもりでいる。

 さらに極めつけ、文字列検索。なんとZaurusでgrep/tag jumpが出来てしまう。ある文字列を含んだファイルをだーっと探して該当行を一覧の形でファイル保存し、該当行タップでそのファイルが開いてしまうという...涙モノ。これが発表された時にはFPDAJで大騒ぎした記憶がある。検索速度には若干難があるが、なにファイルに保存してくれるのだから、苦労を繰り返す必要はない。私は、仕事のログをZaurusに溜め込んでおいて、いくつかのキーワードでこの機能で検索した結果を溜め込んでいる。"あの話いつ誰がやったんだっけ?"ってなことは大体キーワードが限られるわけで、無限に重宝している機能である。

 唯一残念なのが、表示ファイル数制限と多階層への非対応。実際、私の場合FO:もF1:もとっくに300は超えてしまっているので記述に誤まりあり。追記4参照、全ファイルの表示は不可能である。拡張子で絞り込めばなんぼなんでも300以下にはなるので、実害はないのだが。

 それにしても、半年以上更新なしか...久しぶりにyonezawaさんにメールしてお願いしてみようかな。


 最後に、インターフェースについて一言。ここに紹介させていただいた3本とも、かなり独自性の強いインターフェースである。いずれも作者の意向があってのことだし、どれもそれなりに使いやすく考えられている。むしろ、"ファイラ"という、ある程度機能が共通する分野で、これだけ多様なインターフェースがあり得るってことに感動。こういうことを統一しようという方向も考え方としてはあるだろうけれど、私は断然、"あれこれある"状態の方がダイナミックで好きである。

 ...てなわけで、ファイラ3本比較紹介。いやほんとに、ユーザーMOREあってのZaurusであることよ。


 余談。戻る
 ボビーさんに、「β版ですけど比較紹介書かせてもらっていいでしょうか」メールを、草稿添付して出したのが昨日(2001/01/09)。即日快諾いただいた。それじゃ、てんで書き上げる予定が、まさかの公式呑み会勃発で昨夜は果たせず。本日昼前ボビーさんより追い打ちのメール、なんとまあβ8でさらに進化、表示ファイル数制限緩和/多階層対応その他もろもろ。
 勿論、ボビーさんにお送りした草稿の段階ではβ7だったわけで、この時はファイル数300までで1階層のみ、だった。いきなり書き直し発生。
 タイミングからして、私の草稿がトリガーで対応されたはずもなく、むしろMarさん@ザウポケの紹介記事がトリガー、さらにいえばもともとボビーさんの予定には入っていたのだろうが、なにしろMORE進化の現場に立ち会えているという実感が非常に強く湧いて、とてもとても幸せな気分だった。
 自分では何も作れず一切他力本願な私だが、なんとなくなにかにコミットしている気分は味わえた、というお話。
 ちなみにβ9の予定も教えていただいたりしたのだが、うーむ、数日中のことでもあるし、ここは内緒内緒。

(2001/01/10)

(2001/01/11 追記)
 "拡張メモリ操作"、いきなりβ9へ。多階層フォルダへの書込みでエラーが出ていたのを回避、ZAC展開/MORE実行/停止/削除機能を追加。
 というわけで申し訳ない、上記紹介文は一部読み替え必要。ま、"拡張メモリ操作"については正式版公開で改めて一本、かなぁ。
(追記終わり)

(2001/01/11 追記2)戻る
 大嘘。MOREの停止って、本体機能のMORE管理であっさりできていました。いかんまずいやばい。とりあえず指摘受ける前に自分で気づいたのではあるけれど、大変失礼しました>シャープ社御中。いやぁ、通勤途中にモノ考えるとやはりなにかしら出てくるものであるなぁ。
(追記2終わり)

(2001/01/11 追記3)
 さらに大嘘。MOREの停止は、LfMoreUtilityでも初期版から備わっていました。L.Forceさんご自身からご指摘受けました。申し訳ございません。
(追記3終わり)

(2001/01/11 追記4)
 TWinFileManagerの表示ファイル数制限を当初300個としていたのは、私の完全な勘違い。正しくは511個で、これはMI-10からMI-P1までの本体/カードに格納できるファイル数制限と等しい(MI-10のみ、本体は255個)。TWFMのドキュメントにきちんと明記されているのに、思い込みで書いていた。yonezawaさん、申し訳ございません。
 ちなみに私のファイル数は、F0:451個、F1:732個。従って、F0:のファイルはTWFMでもすべて表示されていた。幾重にも申し訳ございません。
 Keiさん、ご指摘ありがとうございました。

 うーむ...やはり足かけ二日は急ぎすぎたか...まだまだ力不足を実感。猛反省。
 すべて改訂した文を上げるべきかもしれないが、自戒を込めてこのままに。
(追記4終わり)