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2.MazeMarauders  Yagshi氏

 "めいず・まろーだーず"と読む。私の2000年第一四半期をこれ一色に塗りつぶしてくれた、Zaurus初のRPG MOREである。

 設定やマニュアルは当然ながら上記Yagshi氏のページに詳しいが、"城塞都市ドゥスカ"を舞台に3人のパーティが敵を倒し謎を解きつつ経験値やらレベルやらを上げて行き、ついには都市の危機を救うという、まずは王道(と思われる)RPGモノ。

 RPG自体初めての私にとっては、設定やら考え方やらからして馴染めない部分もあったのだが、物珍しさとグラフィックの奇麗さに惹かれてプレイするうちに完全にはまり切ってしまった。都市を徘徊しながら、"この先に一体何があるんだろう"とわくわくさせるのはやはりYagshi氏の手腕というものだろう。操作法も独特ながらよく練られていて、慣れてしまえば勝手に手が動く。

 モンスターのユニークさや謎の絡み合わせのうまさなども感心するが、やはり"一つの世界"を構築し切っているところが物凄い。プレイ中の感情移入にはかなりのものがあった。それだけに上がった時はほとんど虚脱状態。

 Zaurusでここまでできるとはかけらも思わなかった。小笠原氏の3D Engineやシューティングゲームもすさまじいのだが、全く別のアプローチで可能性を追求したものとしてもっと評価されていいし、私としては改訂新版もしくは続編を期待したい。せめて、最後にグレイを封印した後ではパーティが無敵になって(勿論ルチの魔法も習得し)、各フロアのモンスターを片っ端から完膚なきまでに殲滅し、ドゥスカの永久名誉市民となるところまで行ってほしい。

 それにつけても一つ残念なのは、2000年3月に行われた第2回MOREコンテストにおいて、本MOREが選外となってしまったことである。Web上でYagshi氏もずいぶんと口惜しがっておられた(現在はその部分は削除されている)。同氏の"Clavius"が入選してめでたく色つきZaurus(MI-C1)を入手されたのではあるが、やはり入魂の作である"Maze..."が選に漏れたのはショックだったようだ。さもありなんと思う。

 そのせい、ばかりでもないのだろうが、今年7月のバグfix版以来動きがない。Yagshi氏には他にも"Tickteck the Timer""Precise Preferences"といった秀作MOREがあり、いずれ稿を改めて書きたいこともあるのだが、とりあえずここでは"Maze..."を応援するためにどうしようかと思い悩んで、一つ思いついた。

 プレイ中なにかと行き詰まった時、Yagshi氏のサイトには掲示板がないので情報の集積ができない(もっとも、そんなことをしたら即上がってしまうだろうが)。そのため、私とYagshi氏の間にかなり頻繁にメールが飛び交った。これらのうち9割方は私が報告したり泣きついたりしているものだが、一連のメールを見ているだけで当時のはまり具合やら進捗状況が手に取るようにわかる

 結局上がれなかった方(知る限り少なくとも一名)や、まだ手をつけていない方など、"Maze..."をしゃぶり尽くしていない方々も多いことだろう。どこまで役立つかわからないが、上記のやりとりからめぼしいメールのダイジェストを軸に、私の場合の攻略過程をお送りしたい。内容はすべてまとめ直したが、日付とタイトルはメールそのままである。さて、やる気をかき立てていただけると嬉しいのだが...。

1/07 MazeMarauders TPR(Test Players' Release)- 4 とりあえず動作報告です
1/11 お金がない!!!
2/10 Ask for your entry (MazeMarauders) Yagshi氏より
2/28 1.04落としましたよ
2/29 進んでます
3/14 オートマップ
3/16 じじいついに口を割る!
3/18 恐ろしやシンキングバニー
3/21 Help Me!!地下4階で立ち往生
3/22 噴水故障原因解明!!
3/23 Re: 噴水故障原因解明!!
3/24 上がりました...


1/07 MazeMarauders TPR(Test Players' Release)- 4 とりあえず動作報告です

 動作報告および初メールの仁義きり。この時まだ始めたばかりで、スライムを2匹倒しただけ。RPG初心者なんでバグ取りは無理でしょうとお話したところ、初心者ならではのバグ発見も期待するとのお返事をいただいた。

 Test Player's Releaseでは、MI-C1において動作OK/NG報告が半々とのことだったので、とりあえず正常動作を報告した。まだまだ何もわかっていない頃である。
 ちなみにスライムは、弱っちい割にこいつを倒すと金が儲かるという嬉しい存在である。他の(人型以外の)モンスターはおおむね、倒しても経験値が増すだけで金にはならない。


1/11 お金がない!!!

 このメールではとにかくゴールドが足りないとグチグチ。曰く、"防具も武器も買えずろくに医者にもかかれないので、すーぐ死んでしまいます"...そう、当時本当に途方に暮れていたのだった。"Maze..."では、地上から冒険を初めてだんだん地下深く潜って行くのだが、この頃地上は大体見て回ったのに、地下1Fであえなく全滅してしまう。Yagshi氏からは、正式版では少し楽にするとのお言葉と共に、金儲けのコツを少々伝授いただいた。

 TPRのバージョンが一つ上がって5になっている。この段階でスクロールキーに対応し、飛躍的に遊びやすくなった。


2/10 Ask for your entry (MazeMarauders) Yagshi氏より

 テストプレイヤーとしての名前登録依頼をいただいた。泣きついてしかいないのにいいのかなぁと思いつつ、もちろん快諾。このおかげで、MazeMaraudersのオープニング画面をじーっとみていると、スクロール文字列中に"CommA"の標記が...。ありがたし。

 この頃まだ地下1Fを攻略できず。前便で伝授いただいたにもかかわらずやはり金が足りず、スライム退治で細々と食いつなぐ日々。そろそろ一からの出直しを考えていた。

 ...さて。Mar氏からリクエストがあって、曰く"地下1Fについてもっと詳しく書いてほしい"...まぁ確かに、ここで挫折する人は多いだろう。ってことで、Yagshi氏の許可も得られたので、地下1Fの攻略済みマップを公開する。"方眼マップ"を入手しておけば、最初はベタ一色の地図が足跡に対応して白抜きになっていく。完全に踏破した部分は黒線の壁で囲まれていくので、未踏査部分が一目でわかる仕組みである。なんてことは常識なのでしょうねきっと。ちなみに今回公開した地図で一か所、"黒線の壁"が切れていて見掛け上未踏査というところがあるのだが、さてそれはどこでしょうそしてなぜでしょう。


2/28 1.04落としましたよ

 正式版1.04ダウンロード報告。とうとうTPRでは上がれなかった。正式版ではこれまで空き家だったところがきちんと商店になっていたり、TPRとはがらりと様相が変わった。何より大きいのは、"門の施錠確認"という金儲け手段が用意されたため、まめに働きさえすれば裕福になる道が開けたことである。それまでは落ちている金を拾うかスライム退治かしかなかったもんなぁ...ちなみに、1Fに金儲けの手段はもう一つ用意されている。

 この段階で既に、一つの世界ががっつり構築されていることに感嘆のコメントを送っている。Yagshi氏本人も、シナリオやデザインにはかなり苦労されたとのこと。


2/29 進んでます

 やっと地下2Fに到達。金儲けに励んだおかげで徐々に強くなり、この段階で全員レベル6。これは作者の意図と異なり、本来レベル5か6で上がり、となるはずだそうだ。貧乏生活に嫌気がさした私は反動で少々金を儲けすぎ、この局面としては分不相応な装備までを身につけてしまったらしい。

 まだオートマップ機能がなかったので、地下に入ってしまうとすぐに現在位置をlostしてしまうのに閉口。なにしろ暗いし、どの壁もどの扉も同じだし、第一こちとら日常生活でも方向音痴で有名なのだ、すぐに見当識障害に陥ってしまう。本来なら方眼用紙にマッピングするのがこの手のゲームの定法らしいのだが、うーむ、面倒でついにやらなかった。

 このメールではもう一つ、"独房のじーさんが口を割らない"と嘆いている。幽閉されている、というより独房に住み着いているような妙なじーさんがいて、某所で手に入る情報によるとこのじーさんがなにか重要なことを知っているはずなのだが、いくら金を渡しても知らんぷり。これについては、"もっと貢ぐように"とのお言葉であった。


3/14 オートマップ

 改版され、ついにオートマップ機能搭載。これで迷子にならずにすむ。この段階で霊薬である半月草が手に入り、不治の病に侵された入院患者は私のおかげで、しかし礼の一言も言わずに速攻で退院して行ったのだった。なんか見返りがあるものと思って気合い入れたのにぃ。この点については、"時間とアイデアがなかったのであんな無礼者になってしまった..."とのコメント。


3/16 じじいついに口を割る!

 凶悪ながめつさで沈黙を守っていた独房のじじいがようやっと口を割った。これまで貢いだ金は忘れられていたわけではないらしい。このじじいの情報が、最後の最後で重要な意味を持つ。


3/18 恐ろしやシンキングバニー

 地下2F西側をほぼ探索終了。シンキングバニーは見かけの割に凶悪な奴で、こいつに仕掛けられるとこちらのArmer Classが減り、がたっと弱っちくなってしまう。

 パワーに物をいわせればなんとかなった地下1Fと異なり、地下2Fは魔法戦となる。ゾンビだのドクロだの、この世の物ならぬ連中も登場し、キッタハッタよりも魔法で土に還す方がしっくりするし、敵方の攻撃もかなり魔的になってくる。

 しかしレベル6は強力で、地下を一回りするとがっぽり儲かるので、地上の宿屋で寝る時はいっつもスィートである。この段階で既に、聖剣スターブレードの材料となる隕鉄も手に入れていた。これを鍛える技は既に失われているというのが地上での噂だが、なにいずれその謎も解けるはずと思えば否が応でも血湧き肉踊る


 ここから3F制圧まではとにかく夢中。モンスターも"ザウルスナイト"だの"マーブルドラゴン"だの名前は失念したがモアイの化け物のようなやたらタフな奴だの、2Fで遭遇した無気味だがどこかひ弱だった連中と違って、文字通り魑魅魍魎の怪物が目白押しとなる。


3/21 Help Me!!地下4階で立ち往生

 ついに泣きが入ってしまった。3Fで暴れまくった結果、"ドゥスカの鍵も手に入れたし、スターブレードもジオソードも装備、どこでも扉も持っている"のに、地下4Fで先に進めなくなったのである。地下3Fで開かずの間があったのをそのままにしていたりしたので今思えば当然なのだが、どの謎がどこにリンクしているのかわからないため、原因は地下4Fのこの扉の向こうにあると思い込んでいたのに、そこで立ち往生。自分が謎のどの部分までクリアしたのか一時わからなくなって途方に暮れ、泣いて助けを乞うてしまったのであった。

 このメールを発信したのが21:00の新千歳空港だったのだが...


3/22 噴水故障原因解明!!

 羽田に向かう全日空機内でついに謎が解けた。結局、一番始めに市長に問われた謎を解かずに進めていたのが間違いであって、噴水故障の原因(ここに思い至ったのは、あれほど手こずった独房のじじいのコメントを思い出したおかげ)は、実はもっと早くに解いておくべきなのであった。謎が解け、続いて一度地上の牢屋でも遭遇したある生物(?)の皮が地上に旋風を巻き起こす...!!!

 以後謎の解明は一挙に進み、このメールでは既に最終目的キャラである"グリーン(太古に眠りについた善玉宇宙人)"から話を聞いている最中。というわけで、泣きメールに対しては私が空を飛んでいるうちにヒントをいただいたのだが、一応自力解決してしまったのであった。


3/23 Re: 噴水故障原因解明!!

 最終局面。グレイ(ボスキャラ)を倒しつつ、グレイの巣であるフロアを封印するスイッチを押して行く。さすがボスキャラ、グレイの強さは半端ではなく、通常兵器では埒が明かない。許容ステップ以内に脱出エレベータに乗り込めればよし、さもなければ自らも一緒に封印されてしまうという泣かせどころ。たとえパーティが封印されても"ドゥスカは救われた..."とはなるのだが、納得できるものではない。全員がレベル8にまで達しているのだがそのパワーもむなしく、3度連続で閉じ込められてしまった


3/24 上がりました...

 あとは気力と体力と根性の勝負である。最後に封印を遂げつつエレベーターに乗り込み、無事地上に射出された時の感慨は忘れ得ない。"やった..."しばし開放感にて脱力。おお、空の青さが目に染みるぜ...

 ...ところが。

 自分によって救われた(掛け値なしに本気でそう思い込んでいる)ドゥスカ市の平和な姿を見てやろうとふらり散歩に発つと、なんということであろうか、相変わらずスライムだのアイツだのアイツだのが出てくるのである。まさかまさかと地下に向かうと、やはりアレだのコレだのが群がってくる。

 この件Yagshi氏によると、やりたいのではあるが時間切れだそうである。が、惜しい、いかにも惜しい。やはりここは、前にも書いた通り、ぶっちぎりのカタルシスが欲しいところである。いや、もう血生臭いことは一切なしで平和を満喫するんでもいいのだが、なにしろまだストーリーが完結していないという感触は否めない。


 というわけで、このくどくどしい駄文をここまで読んでくださった奇特なあなた、奇特ついでにMaze Maraudersをダウンロードして完全制覇を目指し、さらなる高みに昇っていただくようYagshi氏を激励し、みんなでしあわせになりましょう...

 強引にまとめに入り、この稿これまで。

(2000/09/27)