吃音(どもり)の危機を通して
’99/12/1


そもそも
ご存知の通り娘は、超未熟児で生まれましたので、長期間人工呼吸に頼っておりました。
それゆえ、声は小さく、発声も良くありません。
また、動脈管閉鎖の手術が声帯の神経に及ぼす影響も少なからずあります。

従って、他の赤ちゃんの様に『ぎゃー』という力強い声を聞いたことがありませんし、しゃべり出すのも遅かった。
特に障害と言うほどの障害は残りませんでしたが、幼稚園に通うようになった今でも他の子供に比べると発声が悪く、しゃべりも達者ではありません(比べるのは良くないと思いますが…)

それでも特に気にしていたわけではないのです。
しかし、子供としては、言語ははっきりと認識できるにもかかわらず、意思が伝わらないと言うもどかしさがあったみたいです。
それに体が小さいと言うこともあって、他の子ともまれるとどうしても押されたり、自由が利かなかったり、
そのいらいらは見て取れました。

私達にも何と言っているか解らず、何度も聞き返したり『大きな声で話して』なんてことを言ったりしました。『おうちえん』と発声するところ『ようちえん、でしょ』と訂正したり。

子供にとっては、心と体のバランスがとれずストレスが溜まっているのだと思います。

4歳を過ぎたころから
急にどもりだしたのです。
それまでは、『あのな、今日な…、あのな、今日幼稚園のな…、あのな、今日幼稚園の先生が言うてた』
のようなしゃべり方をしており、これに付いては特に問題視していなかったのです。

ところが一変して
『あ、あ、あのな…、よ、よ、幼稚園でな…、せ、せ、先生がな…、あのな幼稚園先生が言うてた』と言うようになってしまったのです。
しかも、一日二日の内に急激にです。

ただ、緊張せずに何気なく話すときはどもりません。なにか、必死で意思を伝えようとするときにどもるのです。

いじめに遭うかもしれない恐怖
娘は、体が小さいから、いじめに遭うかもしれないから注意しておこう、私達夫婦はいつも語り合っていました(ちょっと神経質なのかもしれないけど。実際、子供には子供の世界があるようで、その心配は無かったのですが)。
ここへ来て、どもりのことがあっていじめの懸念が再燃し、『直さなくては』と言う意識が働いたのです。
私は『そんなにあせらんと、ゆっくりしゃべりなさい』といい、妻は『ど、ど、どじゃなくてどうぞでしょう』と、ついつい口を出してしまいます。

今までのやり方が間違っていたのか、これからの対処法はこれで良いのか
吃音に陥る原因は多様で一概にその原因を探ることは出来ないと思います。
それでも、やはり今までの(言葉に対する)接し方が悪かったのか、などと思い悩まずには居られません。
そして、これからどうしたら良いのか。


インターネットで模索してみる
吃音の専門家が居るわけでもなく、医者に掛かるわけでもなく、しかしどうにかせねば。
とりあえず、yahoo検索で吃音に関するホームページを探してみました。
すると、いくつかの候補の中で、詳しくためになりそうなページがありました。

Hero's Home Pageがそのページ(ひろさんのホームページ:お医者さんかどうかは不明ですが、かなり詳しく解説されています)

その中には!
やはり、推測したような事柄が書かれていました。
心と体のアンバランスから来るストレス
上手にしゃべらなければならないと言うプレッシャー

まだまだたくさんの要因が挙げられていましたが、私達に関連する要素は、ここらへんかな、っと思い当たります。

心と体のアンバランス:即ち自分では良く理解できているのに、発音が悪いために理解してもらえない。ストレスになっていることでしょう。
プレッシャー:にもかかわらず、私達はしっかりしゃべることを要求してしまう。おりこうさんで居ることを求めてしまう。
しかも、どもっていることをわざわざ意識させるようなことを言っている(そのたびに子供は恥ずかしそうにしています)のです。

良かれと思ってやっていることが、実は子供に大きな負担をかけているかもしれないのです。

その他には、親の愛情不足と言うのが書かれていました。これに付いては『そんなことは無い』と言い切れる…いや、もしかしたら、愛情の掛けかたが間違っているのだろうか?
反面、愛情過多が原因となると言うことも述べられていました。
愛情が強すぎるために、子供のためにと多くを求めてしまい、結果、子供の負担になるのだ、とも…。

(極端な例として、左利きを右利きに矯正する場合、その推し進め方によっては吃音の原因となる可能性さえも示唆していました。精神的ストレスを与えることが理由でしょう)


これではあかん
親が過剰に反応してしまっていることもいけないのかもしれません。
その内きちんと話せるようになる、吃音はその内治る。要は、子供に『自分の言葉が変だ』と意識させないこと。幼稚園や外界で溜まっているストレスを家庭で解きほぐしてやること。
が、重要なように思います。

そして、子供の為にと矯正する時、命令口調で話さないことも重要なのかもしれません。

このページを書いたのは、吃音が始まって間も無い時。
この続きは、追って報告することにしましょう。


2000年1月15日
吃音に関しては、色々な原因が考えられます。その中で自分の子供に当てはまる物だけを抜粋してみても、広範囲に渡り、原因を特定することは困難です。
しかも、考えられる原因はあくまで可能性を示唆している物であって、必ずしも原因になって居るとは限らないのです。
又,吃音の大きな原因に囲まれて育っていても全く正常な話し方をする子供の方が多いのですから。

私達は、約1ヶ月間特になにも対処せずに過ごしました。それが一番言い方法だろうと予測したからです。
『はっきりしゃべりなさい』『落ち付いてしゃべりなさい』『大きな声で言わないと解らないでしょう』
等と言った、しゃべることを意識させるような言動を慎むようにしました。

どもっていても、それがおかしいと気づかせないように、一緒にしゃべってあげる。
それくらいしかやることはありませんでした。

そのせいか、どうなのかは解りませんが、1ヶ月くらい経つと少しづつ吃音が和らいできたのです。
このページを更新する頃になるとすっかり元通りになっています。
単なる一過性の物だったのでしょうか?
いえ、単なる一過性の物であったとしても、あのまま私達の接し方が変らなかったら治らなかったかもしれないのです。

私達は、余りに子供に世話を焼きすぎ、それが逆にストレスになっていたのかも知れません。
別に『おはようって言いなさい』なんてしつけなくても親がそのようにしていれば、そのうちおはようって言うだろうし…。


2000年2月10日
吃音の状態を観察していまして、ひとまず沈静化いたしました。
言葉は、順調に回復し以前よりも落ち付いて話せるようになったみたいです。

観察して分析してみても、それがほんとにそうなのか確かめ様が無いのです。
子供が本来持っている力で回復(特に気に留めることでもなかったのか)したようにも思えるし、
反面、私達が気付いて早めに対処したのが良かったとも思えるし。

子供の成長とは、かくも大人が考えても及びもつかないものであり、そもそもえらそうにあたかも分析しましたとHPで公表することすら馬鹿馬鹿しいことなのかもしれませんね。
でもちょっとだけ、満足感を味わわせてください。

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