◇◆◇ 茶 風 談 義 ◇◆◇



◇初めて知った、初めて見た、初めて飲んだ、「寒茶」の話◇

◆皆さんは「寒茶」ってご存じですか?
僕は、愛知県足助町の「寒茶づくり見学会」(1999年1月24日)に誘われるまで、全く知りませんでした。
きっと昔は、日本の各地で作られたであろう素朴なお茶ですが、今では足助の他は四国の徳島県宍喰町など、ごく一部に残るだけになっているそうです。

◆「寒茶見学会」実施の直前にNHKの朝のニュースで宍喰町の寒茶を紹介していました。これが、初めて見た「寒茶」でした。

◆さて当日、大阪から車で愛知県足助に向かいます。足助に行くのは初めてです。いや、通ったことはあるのです。実は、以前に静岡県に行く途中で道に迷ってさまよったときに、足助の標識を何度も見ました。ずいぶん山の中だという印象だったのですが。
足助町って、東海地方屈指の紅葉の名所だという香嵐渓などがある、観光地なのですね。「寒茶見学会」の会場でもあった「三州足助屋敷」は、山里の暮らしぶりを実際に見学できる楽しい場所でした。紅葉のときでなくても、また行ってみたいところです。

◆「寒茶見学会」は、まず、足助屋敷の中で「寒茶」のお話をお伺いしました。
「寒茶」は、大寒の時期に限って作られる日干し番茶。春の新芽を摘まず、伸び放題にした枝を折り、枝ごと大きな蒸し器に入れて蒸し、天日で干して仕上げたお茶で、昔から身体に優しいお茶として飲まれてきたそうです。

◆何でも、防寒のために、お茶の木は秋から同化澱粉と多糖類を葉の中に多く貯えるため、「寒茶」は普通の番茶より甘みがあるとか。

◆そんな説明を聞いてから、いよいよ実際に寒茶作りを見学しました。見学というより、体験させてもらった、というべきかな。

◆寒茶づくりは、お茶の収穫から始まります。
足助屋敷から車で5分ほど走った、川沿いの空き地。えっ?ここにお茶畑があるの?
実は、足助の寒茶は、お茶畑で栽培しているお茶を収穫するのではなかったのです。一応、町で管理している場所なのですが、雑草も伸び放題の土地に生えているお茶の木の枝を収穫するのです。
最初はどこにお茶の木が生えているのかわからなかったのですが、よく見ると、川に向かって下っている斜面などに枝を伸ばしているお茶の木が点在しています。ここで、見学会に参加した人たちでお茶摘みならぬお茶刈り(といっても、手で枝を折るのですが)が行われました。

お茶の収穫


◆収穫したお茶は、枝ごと蒸します。
下の写真は、集めたお茶と、蒸し器です。でっかい蒸し器だ!一緒に人と比べてみてください。大きさがわかるでしょ。熊だってまるごと一頭蒸せそうだ。
この樽に、お茶の枝を縦に並べて入れて蒸します。樽の底には四角い穴が空いていて、この樽の下でお湯を沸かすんです。蒸し上がるにつれ、湯気からお茶独特のちょっと青臭い香りが漂ってきました。

収穫したお茶の枝  蒸し器  蒸し器アップ


◆蒸し上がったら、樽から茶葉をどっとあけて、広げます。
蒸したお茶の枝は、ちょっと降るだけで茶葉がはらはらと落ちます。降って落ちない葉も、手で触れると簡単に取れます。

蒸し上がった枝付き茶葉  枝から取った茶葉


◆こうして蒸し上がった茶葉を、あとは天日で干すだけ。これででき上がりです。
徳島県の宍喰町の「寒茶」は、蒸したあとに軽く揉むようですが、足助町の「寒茶」は全く揉まずにそのまま干すそうです。

◆足助屋敷では、あらかじめ「寒茶」を沸かしてくれていました。写真のかまどで沸かしていました。手作りのかまどだそうです。
湯飲みに取ってみると、ご覧のように淡い茶色。飲んだ味は、ちょっと青臭く、素朴な甘みがほのかに感じられました。

手作りかまど  寒茶湯飲み  寒茶湯飲み2


◆見学会で蒸した茶葉をいただいて帰ることができました。家で、干して仕上げました。わが家で完成した、「寒茶」です。茶葉の形がそのまま乾いて縮んだような、そう、まるで枯れ葉みたいなお茶でしょ。
枝ごと刈って、蒸して、干すだけ。確かに簡単ですね。うちのベランダで育てているお茶の木でも作れるかもしれないぞ。
そんなわけで、来年には、わが家特製の「寒茶」をご紹介できるかもしれません。(^_^)/

完成した寒茶



◇当たるようで当たらない「茶香服」の話◇

◇お茶、お茶、お茶に堪能したTW2001の話◇

◇全身全霊で揉む「手揉み製茶」の話◇


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