1、無人岩(ムニンガン)
聟島列島〜父島列島に産する無人岩(Boninite)ボニナイトは「マグネシウムを多く含む特殊な安山岩で,地球内部のマントル上部に直接由来する珍しい岩石」(日本の地質100選)である。枕状溶岩(Pillow Lava)として二見湾入口の烏帽子岩[えぼしいわ]、宮之浜、釣浜、初寝浦などで見られる。初寝遊歩道を下ると橋の手前の足元の露岩は、無人岩の枕状溶岩でその上を歩いているが、気付かずに通り過ぎることが多い。枕状溶岩は全て無人岩であるというわけではなく、安山岩、デイサイトも枕状溶岩となる。4,800万年〜の海底火山の活動の跡が地上で見られるのは驚きだ。枕状溶岩が無人岩か安山岩かデイサイトか、その区別は難しい。小港、長崎トンネルの枕状溶岩は安山岩、象ノ鼻(象鼻崎)の枕状溶岩はデイサイトからなる。これも、無人岩をよく研究している先生にフィールドで教えられ、地質図と対照できるから言えることだ。
参考文献
海野 進・中野 俊(2007)父島列島地域の地質 産業技術総合研究所地質調査総合センター
海野 進・中野 俊(2006)地質図(父島列島) 産業技術総合研究所地質調査総合センター
黒田 直(1992)地質 フィールドガイド小笠原の自然 小笠原自然環境研究会編
(2007―09―12)


枕上溶岩






写真はむにん岩(Boninite)




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月刊小笠原諸島 113(07-'08) Monthly Bonin Islands
4、ガラパゴスGalapagosとの比較
 “東洋のガラパゴス”と言われている小笠原諸島の自然環境保全の参考にするため本場
のガラパゴスを知らなければと、2006-9月(乾季)と今年2008-05月(雨期明け後)にJAGA(日
本ガラパゴスの会)の体験学習ツアーに参加した。
 何といっても、そこまでと驚いたのは人間は外来種の一で元からいる生物の生活を妨げ
ないという理念が徹底していることであろう。ツアーに使う桟橋や岸壁にガラパゴスアシ
カ(Aalophus califorianus)が寝そべってボートが近づいても動かなければ、動くまで待
つか上陸地点を替えている。今年泊ったサン・クリストバル島のホテルの玄関は、ある特
定の1匹のアシカの居場所となっており、人の出入りは脇の通用口からであった。このア
シカはガラパゴスの島々どこにでもおり、ガラパゴス固有種ではなく絶滅が危惧されてい
る訳でもないにもかかわらず、である。日本なら国立公園地域でなければ、シ、シと警告
し追い払うのが普通であろう。
 砂浜のある島への上陸はウェットランディングと決められ、ボートから直接島へ上陸す
ることができず、一度海水に足を漬けなければいけない。戻りのボートへの乗船も同じで
ある。足を濡らさないように上陸させることが、サービスであるとする小笠原諸島とは、
えらい違いである。(2008-07-31)
写真はアホウドリ(Diomedea albatrus)雛(黒)とデコイ(聟島)(2008-04)

写真は小笠原村主催南島外来種除去ボランティア一行(2007)(このHP作者も写ってる)

写真はオガサワラツツジ(Rhododendron boninese)
世界自然遺産候補地 World Helitage-小笠原諸島
2、アカガシラカラスバト(固有動物)
 アカガシラカラスバト[赤頭烏鳩](Columba janthina)は、カラスバトの亜種で頭部から首は赤紫色の光沢があり、胴体は黒っぽく美しい。聟島、父島、母島、硫黄列島で観察されている。森林内に棲む鳥で、群がらず個体数は小笠原群島(=硫黄列島を含まず)で40羽程度とされるがもっと少ないと思われる。絶滅危惧TA類、天然記念物。棲んでいる森林の縮小、外来種クマネズミ(Rattus rattus)による餌の果実の減少、地上での餌採りの際のノネコ(Felis catus)による捕食などにより、絶滅の危機に瀕している。2008-01-10~12、父島で「アカガシラカラスバト保全計画づくり国際ワークショップ」が開かれ、保全計画が策定され、計画の実行が求められている。ワークショップには延島も参加した。(2008-01-31)
ムニンノボタン
写真は捕獲されたノネコ(Felis catus)父島2008

写真は捕食された海鳥(Seabirds)の死骸 母島・南崎(1993-05)

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写真はオガサワラゼミ(抜殻)(Meimunaboninensis)

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小笠原諸島現代日本語事典
小笠原諸島地名事典
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写真はムニンノボタン(Melastoma tetramerum)

写真は同(Columba janthina)硫黄島(1987-04)

写真は同(Columba janthina)聟島(1990-06)

3、ノネコ(外来種対策)
 ネコ(Felis catus)は人に不可欠な家畜であり、小笠原諸島では鼠を捕るもの又ペットとして1830年定住開始頃から導入されたと思われる。早くから野生化し日本本土からの入植とともに人口に比例し爆発的に増え、避妊・去勢が無い戦前には人の手により始末されることもあった(「ねこすてば」小笠原諸島地名事典18参照)。
父島ではアカガシラカラスバト繁殖期に繁殖地周辺で、母島では南崎の海鳥繁殖地でノネコの緊急捕獲が行われている。捕獲されたものは内地に送られ東京都の獣医師が家猫化し新飼い主に渡している。ノネコの駆除は緊急の重要課題であり、また家内飼育の徹底が求められている。父島の緊急捕獲ボランティアに延島も参加している。(2008-01-31)
世界自然遺産候補地、小笠原諸島の自然と課題を考える。
デイサイト枕状溶岩の上に立つ(象ノ鼻)
写真は翌年の同じ空巣nest(母島1984)

写真はアカガシラカラスバトColumba巣中のヒナ(母島 桑ノ木山1983)

写真はホテルの玄関に寝そべるアシカ(Aalophus califorianus)
(ガラパゴス)