小笠原情報ファイル List for B.I.
リンク先 Links
小笠原諸島森林生態系保全センタ
アイボの Field Note
東京都環境局
GBIF日本ポータルサイト
小笠原自然情報センターHP
|
世界自然遺産小笠原諸島-World Natural Heritage
世界自然遺産、小笠原諸島の
自然と課題を考える。
Twitter
facebook
|

東京都は小笠原諸島における公共工事等への環境配慮指針を策定、個別工事毎に対策を公表し、意見があれば聞くとしている。公表方法が東京都小笠原支庁内で閲覧することに限りインターネットでのアップを行っていない、設計が終わり工事発注前での意見は事業への反映が可能なのか等疑問点はあるが、国・村が行っていない状況で一定の評価ができる手法である。 |
バックナンバー
1、むにんがん(無人岩)
2、アカガシラカラスバト(固有動物)
3、ノネコ(外来種対策)
4、ガラパゴスGalapagosとの比較
4-2、ガラパゴス旅行記2006
5、ねずみ(外来種対策)
6、小笠原国立公園パブコメ
7、世界自然遺産パブコメ
8、小笠原諸島関係・国指定鳥獣保護区パブコメ
9、小笠原国有林活動協定パブコメ
10、私の遺伝子撹乱記
10-2、私の遺伝子撹乱記(2)
11、国立公園特別地域・特別保護地区内行為許可基準特例パブコメ
12、政策コンテスト(国交省)パブコメ
13、小笠原国立公園指定植物パブコメ
父島コペペ海岸園地整備工事
2012年2月6日
1,世界遺産登録後の自然公園施設整備指針
世界自然遺産区域内か否かに関わらず、小笠原諸島における世界遺産登録後の自然公園施設整備指針を明確にする必要がある。
2,従来の整備の考え方
2-1 従来の整備の考え方は利用計画にあれば利用と利便性を重視し、利用箇所(区域)内及びその周辺との調和・保護とのバランスを欠くものであった。小笠原諸島においては利用施設等の整備は東京都が専ら行い自然公園内の一大公共事業として行われてきた。
2-2 その結果は、海岸においては自然状態の海浜に人工物である護岸を整備し、又その影響による潮流、波浪の変化により、自然防潮林を浸食、後退させるという現況が生じている。(宮之浜、コペペ海岸)又、海岸林を伐採し、海岸林内の乾燥化、維持再生を困難にしている(小港海岸)。
2-3 人工物である護岸により、アオウミガメの産卵のための上陸箇所の制限をさせ、産卵後の帰海行動を困難なものにしている。又、孵化稚亀の向海行動には断崖として制約を生じさせ、さらに、護岸と陸地の隙間が稚亀トラップとなり、稚亀の生存に影響を与えている。
2-3-1 産卵のため陸内部から浜辺に行きかつ戻るオカヤドカリにとっても、同じことが言える。
2-3-2 スナガニ類の行動にも制約を及ぼしている。
3,生物多様性を基にした整備指針
海中公園が海域公園と改正されたのは単なる名称変更ではなく、海の公園区域の生物多様性を維持・保全するためであることは言うまでも無いことである。海域公園ではないから採り入れる必要が無いというものではなく、広く自然公園施設整備指針に採り入れ、特に海岸は海域と陸域の「接点」というより「連続帯」(ゾーン)として海と陸とを一体としてとらえる生物多様性の概念に基づく整備指針が求められる。
4,具体的指針
1) コペペ海岸の整備は小港(湾)内の小港海岸と一体として考えることが妥当である。
2) 利用施設は最小限に。トイレと数基のテーブル・ベンチがあれば十分であると思われる。
3) 海岸林の復元。海岸近くのタマナ、モモタナマ林復元のため植林を行い、林内にあったムニンハマウド*群落の復活をも目指す。
5,方針
1) トイレを村道側に移設
2) 休憩舎を後方に移転
3) 既製護岸の撤去(波を跳ね返さない程度で、海浜小動物の行動に影響の少ない護岸であれば可)
4) 植林
* ムニンハマウドは広分布種*1)とされ軽視されているが、最近の分子生物学による研究*2)では他種とは近縁関係が遠いことが分かっており、父島では生育地も個体数も少ないので宮之浜、コペペ海岸、小港海岸では保全に配慮する必要がある。
*1) 豊田武司編著(2003)小笠原植物図譜増補改訂版
*2) AKIHIRO SEO,FUYUO NOBUSHIMA and NORIAKI MURAKAMI(2005)Genetic Status of Angelica japonica var.boninensis(Umbelliferae) Distributed in the Bonin and the Daito Islands Acta Phytotax.Geobot.56(2):173-182 |

護岸に護岸を連ねるコペペ海岸
|
父島小港園地改修工事
2011年12月07日
工事対象地域は、小笠原諸島最大の河川である八瀬川が小港(湾)に流入する河口部の海浜と海岸林である。海岸林は小笠原諸島では唯一といえる自然状態で残されたものであり、世界自然遺産区域でもある。海岸林は、砂浜のシバ、グンバイヒルガオ、ハマゴウなどの地表性の植生から、オオハマボウを林縁植生とし、タマナ(テリハボク)、ハスノハギリを主体とする高木林となり、中低木層にシャリンバイ、ムニンエノキなど、地上は、ムニンハマウド(小笠原諸島固有種、広分布種とする説もある。)などが散在する。一部外来種の侵入もあり、固有種が少ない地域であることから軽視されているが、自然状態で残された貴重な海岸林であり、生物多様性、とりわけ海と陸の生態系の繋がりの上では重要である。自然林の維持及び復元を図り、自然公園利用者の利便性のために海岸林を破壊することは行わないという理念で臨むことが求められる。
具体的には、
1,休憩舎を整備したことによりその部分の海岸林を消滅させた結果、その部分の林冠が欠けギャップが生じて、林内に日差しと強風が直接入り周辺の乾燥化が進み、高木林の稚樹が育たない状況が生じている。近年、島内NPOによるタマナの植栽が行われ林内環境の復元作業が行われているが、施設設置者が施設整備後のモニタリングを行い自然に与えた影響を評価し対策をとることが義務と考えられる。改修後のモニタリング、評価、対策をとることが必要であると思われる。
2,林内と海岸の出入り口を広げたことにより、林縁植生のオオハマボウが消失し、海からの強風に対するマントの役割がなくなり、常に海風が林内に入り乾燥化が進み、海岸林が本来持っている更新機能が失われている。出入り口に工作物を単純に設置して防げるものでなく、工作物の前後に接し又は絡ませる植栽(例えば、ハマゴウ、イソフジ、オオハマボウなど)が有効と思われる。 |

海岸林を伐開して作られた小港公園施設
|
父島宮之浜園地改修工事
2011年12月07日
工事対象地域は、集落にも近く観光客のみならず島民の利用も多い。一方、湾内は海域公園の一部であるとともに世界自然遺産区域でもあり、海浜はアオウミガメ及び天然記念物オカヤドカリの産卵場でもあり、陸上岩石の一部には無人岩[むにんがん]があり、そこから生成された「うぐいす砂」も少し見られる。又、「宮之浜」という地名は1675年(延宝3)幕府の巡検隊が探検した際、ここに祠を建て神を祭り日本領土である証としたことに由来する。太平洋戦争中は海軍震洋隊の基地が設置され、現在洞窟艇庫などの遺構がある。
以上のことから、小笠原諸島の自然と歴史を身近に同時に体験できる場所で、エコツーリズムに最適な箇所の一である。生物多様性、とりわけ海と陸の生態系の繋がりの維持及び復元を図り、自然公園利用者の利便性の重視に偏ることなく、持続可能な利用を重視した理念で臨むことが求められる。
具体的には、
1,オカヤドカリが産卵のため陸内部から浜辺に行き、かつ戻る経路が、護岸整備した箇所には無い。小動物用通路が各所に必要である。10cm程の幅があればよいと思われる。
2,護岸整備をしたことにより、チトセラン・ギンネム群集などによる自然消波堤により海岸全体で吸収されていた波浪が護岸の端に集中し、その結果隣接する自然消波堤を洗堀し、又海岸西側のクサトベラ・ハマゴウ群集の衰退、後退も惹起し、利用施設整備箇所以外の地形改変をも引き起こしている。現状では護岸の法面で波浪をできるだけ吸収する工法・材料を採り入れ、護岸による反射波、集中波を少なくする必要がある。
3,チトセラン・ギンネム群集などによる自然消波堤を破壊して設置されたデッキや階段は、直接波浪にさらされることになった。その結果台風や冬季の季節風による波浪で破壊されることは必然であり、今回の改修では済まない状況をつくりだしている。現状では階段を後退させ、階段やデッキ前部に自然石塊や礫石による築山などを設置することにより、波浪の影響を減じる工法などを検討することに迫られていると思われる。 |

護岸により自然防波堤を破壊している宮之浜園地
|
父島緑地改修工事(23父の1)
2011年12月13日
当該工事対象箇所は、小笠原国立公園及び世界自然遺産区域内ではないが隣接又は近いところにあり、影響を十分に考慮して行うことが求められる。
特に、自然が既に破壊されている場所での改修工事等は問題がないと軽視されがちだが、そうした場所は外来種が在来植生を駆逐し占拠している故、そこでの工事などの攪乱行為が、外来種を新たに侵入させたり付近に飛散させたり、又は工事用重機・自動車・機器・資材・作業員等の靴や被服に付着し、別の場所で外来種を広め、侵略的外来種の島内再拡散をさせている状況がある。最近の事例では、行文線法面へのシンクリノイガの侵入、湾岸道路樹木植栽に伴うダンチクの成長などがある。
具体的には、
1,小港駐車場設備の留意事項
改修する設備のそばに、侵略性の高い外来種リュウキュウコスミレの群落*があり、本意見陳述者は以前にも東京都小笠原支庁土木課道路河川係に複数回にわたり駆除、芝剥がし再利用対象にしないこと、トイレ設置工事での資材置場に利用しないことを求めてきた*2。リュウキュウコスミレの群落は今年の異常気象で減少するどころか増加、生育範囲の拡大*3をしており駆除が望ましいが、最低限でも拡散防止対策をとることが必要である。
1-1,拡散防止対策としてココヤシと道路脇トックリヤシモドキ(最小株)にローブなどを設置し、そのライン以西(小港側)緑地には、重機・自動車・作業員等の侵入、機器・資材等の置場とすることを禁止する。
2,芝植栽上の留意事項
芝は、乾燥、高温多湿、塩害にも強く、地上部が枯れたように見えても地下茎・根は生きていてやがて復活することが多い。芝が地表部の保水力を維持し、又太陽光を適度に遮るので、芝生に落ちた植物種子、特に外来種がよく発芽して目立つ。
2-1,植栽する芝が既に外来種の種子を多く含んでいると思われるので、芝からの外来種子除去作業、例えばブラシによる方法、水洗などの手法が考えられる。
2-2,工事後の外来種の侵入状況の監視(モニタリング)、評価、対策をとることが必要と思われる。
* リュウキュウコスミレ ブログ小笠原諸島の外来植物 http://boninintroplant.cocolog-nifty.com/blog/cat20646322/index.html
*2 一例として、2011年06月07日付、父島・母島都道管理における工事・作業についての 意見(メモ)
*3 2010-02-05 雑草の会初報告
2010-03-07 322個体(開花198,非開花・開花終了124)*、生育面積約65m2
2010-07-18 約130個体、減少するが夏枯れず越すことを確認、移動先の芝からは無し。
2010-09-14 確認
2010-12-21 確認
2011-02-10 1,000個体、生育面積約120m2(草刈直後で窪地の個体に花が僅かに残っ ていた。)
2011-12-12 整理中 |

芝生に拡散しているリュウキュウコスミレ
|
父島ノヤギ関係事業
2011年08月29日
対象地域の自然公園歩道や国有林の指定ルート以外にも立入るので、ノヤギの調査、射撃、死亡した個体の埋土には植生への影響について、十分な配慮が必要である。
1, 中山峠付近は、以前はテリハニシキソウ(トウダイグサ科固有種、絶滅危惧1類)が遊歩道上にも普通に見られたが、維持管理のための草刈により大きく減少し周辺に残っている状態である。その生育地は自然公園利用者は通常は立ち入らないと思われるが、調査、射撃の際立入る可能性は大きい。人の踏圧による打撃を避けるため、生育地を柵、テープ等で囲う処置が必要と思われる。
1-2, 上記は一例で、絶滅危惧植物の生育地を保護するため他の絶滅危惧種(アサヒエビネ等のラン科植物、シマクマタケラン等)においても、事業実施期間中は対策が必要である。
1-3, しかし、絶滅危惧植物を目立たせ盗掘される要因となる可能性もあり、事業終了時に速やかに撤去することも併せて求められる。
1-4, 射撃、死亡した個体の埋土に当該予定場所及びその付近に絶滅危惧種が生育していないか、埋土作業による等圧の影響がないかの判断は、その場で直ぐに決定を求められることと推察される。かかる判断が出来る知見をもった環境配慮要員の配置は欠かせないことである。射撃班が複数であれば環境配慮要員もそれに応じた員数が要ることになる。 |

人を恐れず道路上の雑草を食べるノヤギ(夜明道路)
|
兄島柵・支柱撤去等工事についての意見
2011年08月15日
1、土壌への影響
事業者は「土壌への影響」なし、としている。
しかし、柵などの支柱を撤去するのであるから、土・岩などに埋め込んだ支柱を抜くことにより、埋め込み時よりも撤去時のほうが土壌等への影響は大きい。撤去する支柱が埋め込まれた角度と同じ角度でそうっと抜ける可能性は極めて低く、撤去後の地上の穴、又は撤去作業時に生じた穴から跳び出した土や岩石の破壊による影響は無しとは言えない。
考えられる影響は、微小地形の破壊による影響ととらえ直すことが妥当と思われる。
微小地形の破壊による影響は、小さな撹乱地の人為的かつ連続的形成であり、
1−1、地上生の微小生物に与える打撃。
1−2、自生種よりも侵入の早い侵略的又は侵略性のある外来種の連続的スポットの形成による外来種の分布域の拡大。
1−3、凹地又は周囲より柔らかいスポットが降雨により、新たな水道[みずみち]をつくり雨裂地形を生じさせ、土地の崩壊、赤土の海岸への流入などを引き起こす可能性。
以上の点を考慮した対策が必要である。
2、既に侵入している侵略的又は侵略性のある外来種の内陸部・台地部での拡散防止対策 事業者が具体的対策をどうとるのか不明である。
2-1、海岸部から内陸部・台地部への拡散防止対策
2-2、既に内陸部・台地部へ侵入している外来種の拡散防止対策
又、種子の散布様式から
2-3、ギンネム等埋土種子を含む土の靴底、物などへの付着
2-4、センダングサ等種子の人や物への付着
2-5、ヒメムカシヨモギ等種子の風散布
に対応した的確な対策が必要である。
特に風散布型種子植物は、作業地までのルート及び作業地帯での事前除去が有効である。これまで南島以外では軽視されているが、小笠原諸島の中で生物多様性が高い兄島では重視される対策である。 |

ソーラー電源のノヤギ電気柵(兄島)
|
離島での作業についての意見
2011年06月06日
1、本島(父島、母島)から離島に持込む草木の伐採機具(チェーンソー、
刈払機など)の歯、ナイロンロープ取付部、カバー内側等の部品交換や清掃などの点検をして、本島で使用した伐採機具が離島における外来種の散布道具にならないように厳重な管理が必要。
1-1、理由
本島における道路、自然公園歩道の草刈で使用されている刈払機の他の場所での使用によると思われるセンダングサ、ツボミオオバコ、ナガバハリフタバムグラなどの侵略的外来種の非自然散布が島内各所で顕著である。
2、離島海岸部に既に侵入している侵略的外来種の内陸部・台地部への侵入・拡大を防ぐための対策が不可欠。
2-2、理由
上陸地点から内陸に移動する間に、既に侵入している侵略的外来種、センダングサ、ランタナなどの種子を人の衣服、靴、機材等に付着させないようにする具体的対策が必要。 |

刈った草木を分散させるブロアー
|
東京都教職員小笠原(母島第二)住宅(22)新築工事「小笠原諸島の公共事業における環境配慮指針」により再公表された「設計説明概要書」についての意見
2010年10月26日
1、植栽の変更
ゲッキツを取り止めたことは、高く評価できる。侵略性のある外来種を除いたことは 「小笠原諸島の公共事業における環境配慮指針」に沿ったものである。
2、法面処理
2-1、 法面の裸地にハイビスカス60本を植栽する計画は、疑問がある。
2-2、目的は、裸地の法面に「周辺の侵略的外来種(アメリカハマグルマ、オオバナセンダングサ、ギンネム、モクマオウなど)が入り込み、新たな繁殖地を形成しさらなる拡大の起点となることを防ぐ」ことであると思われる。
2-3、法面は、南向き、日当たりがよく、傾斜地で乾燥しているということから、ハイビスカスが活着するか疑問である。
2-4、もし、活着した場合、枝を斜めに伸ばすので生垣としてはよいが、侵略的外来種の繁茂を抑えられるか疑問である。
2-5、父島の道路・河川・公園沿い等に植えられているハイビスカスは、その下が適当な日陰を作り、ハイビスカスの中から、オオバナセンダングサ、ギンネム、シマグワ等の侵略的外来種が成長し、ハイビスカスに守られている。目的には合わないと思われる。
2-6、「推奨樹種リスト」は、樹木を対象としており、地面のカバーリング種のリストは、まだ作成されていないと思われる。法面緑化の主旨からは「推奨樹種リスト」を参考にするものの、こだわるものではないと思われる。
2-7、裸地を作らない適切な草本・つる植物と低木の植栽の組合せがよいと思われる。
2-7-1、草本・つる植物としては、グンバイヒルガオ(広分布種)、テイカカズラ(前同)、ハマゴウ(前同)、学校等の芝のパッチ移植が考えられる。
2-7-2、芝のパッチ移植は、平成21年度父島・小港駐車場整備工事の例があり、芝の中の外来種を除去して実施することは可能であると思われる。
2-8、低木としては、クサトベラ(広分布種)、タコノキ(固有種)、パイナップル類(栽培種)が考えられる。 |

教職員住宅建設予定地の脇浜(母島)

|
|
|