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尿管結石

生理がほぼ終わりかけの6日目ぐらいの夜、ベッドで寝ていたら痛みで目が覚めた。左脇腹が痛い。トイレにかけこんでうんうんうなって排便すると、楽になったので、よし、この隙に眠ってしまおうとベッドに戻ると、また痛みが戻ってきた。相当に痛い。生理痛だと思って、またトイレに行くが、吸うと吐くの呼吸の、「吐く」が全てうなり声になってしまうぐらい痛い。何か相当な便秘なのかと思って、がんばってみるが排便はもうない。それでもどうにかしようと思って、思いきって指を入れてみるが、便には触れないので、詰まっているわけではなさそうだ。大腸ってやわらかいんだなという変な印象だけもった。

うなり続けてどのぐらいたったのか、ふと、ここは集合住宅で、トイレも上下・と横一軒とはつながっていると言えばつながっているし、よく深夜とかにトイレに行くと、どこかでトイレの水を流しているのが聞こえてきたりするぐらい音は伝達するはずなのに、こんなに長い時間、普通じゃないうなり声をあげているのに、誰も不審に思わないものなのかと、そんなことも思った。

トイレから出て部屋でうずくまってうなり続けていると、夫が起きてきて、「生理痛?なんかひどそうだね」と言う。確かに、ひどい。でも、うなり続けていると、痛みが左の真横から少し下がってきているように感じたので、生理なんだろうなどと思って、ひたすらうなっていた。猫がすりすり、すりすりと顔の横を通っていく。

「救急車呼ぼうか?」と夫が言うが、救急車なんてものは、相当大変なことになっている人が、一秒を争って呼ぶもので・・・と思っていたので、ひたすらこばんでいた。鎮痛剤は、すでに2回服用しているが、まったく効かない。お風呂につかって、体をあたためると、生理痛はやわらぐので、何度も入ってみるが、今回はほぼやわらがない。痛みのために、もう自分ではどうしたらいいかわからなくなって、「救急車呼んで」と夫に頼む。

救急車がくるまでに、服をきなければいけないが、服を取りにもいけないので、夫のズボンなどを手を借りてはいた。すぐに救急車が到着したが、歩けないので、たんかのようなものに倒れ込んだ。斜めに体があがっていく。夫には子どもも起こして、子どもの学校を休ませる連絡帳を近所の方の家に届けてもらった(実は、ポストに連絡帳を入れてしまったため、近所の方がそれに気付いたのがかなり時間が経ってからになってしまって、とてもお手数をかけてしまった。後で聞いて謝ったら、その方も尿管結石をやったことがあって、そのときはなんとか自分で病院に行ったというから、すごいと尊敬してしまった。)

救急車に乗って、病歴や症状などを聞かれた。生理の終わりかけであることを言ったためか、産婦人科もある総合病院を捜してくれているようだが、「それじゃないとは思うけど」と隊員の方が言っていた。さすが!!お見事です。そう、生理は関係なく、尿管結石でしたよ。さて、私の受入先の病院が決まらない。それでも救急車は走り出した。連絡しているのが聞こえる。無線で、「80代の女性。鼻血が止まらないそうです。」と聞こえてきた。そんなぁ〜!!そんなことで救急車なのかぁ。私の数時間の我慢地獄は!!

もう明け方になっていて、救急車の中でやっと受入先が決まった。救急車に乗ってから10分ほどなんだろうか。隊員の方が、「今から病院に行くからね」と言ってくれた。うなり続ける私は、ついに言ってはいけない言葉「痛い」を言うようになっていた。まだ小学生だった子どもは、そんな私の姿を見守りながらも、別に取り乱すこともなく、異様な雰囲気に泣き出すということもなかったので、意外に肝っ玉は座っている子なのかもしれないな。

隊員さんは、関西弁で「ごめんな〜。何にもしてあげられへんねん。」と言ってくれた。えぇ、えぇ、そうでしょうとも。全然、謝っていただかなくてもいいです。もう、運んでいただけるだけで。本当に心からありがとうです。

隣の市になるのかな? 「もうすぐだよ〜」という隊員さんの声を聞いて、自分で励ましながら、そして、知っている神様の名前を心の中で叫びながら「なんとか、これ以上痛くなりませんように」と思って救急車に乗っていたら、病院に到着した。

下にコロコロのついた台車に乗せられる際に気持ち悪くなって吐きました。看護士さんか救急隊の方が、ちゃっと受け止める道具を出してくれたのでセーフ。そこで救急隊員さんにありがとうございましたと言う余裕がなくて、そのままお別れになりました。

コロコロ台車は、早朝の病院を走り抜けていきます。なんと、もう、患者さんがちらりほらりとロビーにいらっしゃいます。診察室に入ると、パンツを脱げと言われて、即、産婦人科の内診。内診台に乗る際に一瞬痛みがやわらぎ、おぉと感激。内診の結果、子宮外なんちゃらとかではないとのこと。でも、問診で、「出産は?」「堕胎の経験は?」 と聞かれて、それに答える。幸いなことに、堕胎するという経験がなかったので、その通り言ったけど、夫も近くにいる状況(なのかな?よくわからないけど)で、そういう質問は、困る人は困るだろうなと、そんなことも思ってました。

痛みはず〜っと、ず〜っと変わらずあります。診察室で座ってて言われましたが、無理。診察では、どうやら石らしいということでした。すぐに診察終わり。で、どうするのかわからないまま待っていましたが次第に体が横になり、ベッドに横たわる。壁をかきむしりたいような、そこらへんにあるメスかなんかでわき腹を裂いて、その石とやらを取り出したいような気持ちです。看護士さんが座薬で痛み止めを入れてくださいましたが、恥ずかしいなと思ったのは一瞬。とにかく、薬、効いてくれ!!他に腕に注射もしてもらった。

つかのま、夫と話せるぐらいには痛みがやわらぎましたが、また痛みが増してきました。 吐き気もあるので、ビニール袋をもらって吐く。

車椅子に座って待っていたら、おしっことってと言われて、よちよちトイレに行く。おしっこをしていると、隣のトイレから、おならの音。「はぁ〜、おならって平和でいいな」とほっこり思う。おしっこの入った紙コップをもってよちよち戻ると、看護士さんが、それを見て、「(石)入ってないね〜」と言う。私も看護士さんとおでこをつきあわせて覗き込む。ないな〜。血がまじっているということで(私が見てもわからなかったけど)、尿管結石だということがここでも証明されたような。・

次に、何やら薬を服用してから、体を映す機械に乗れということで、その薬の副作用についての文章をよまされ、納得したからと言ってサインをさせられて、その検査。そこでは、寝台のようなものに乗ってから、斜めに寝台ごと傾いていくので、手で自分の体を支えなければならない。ガラス越しに操作する人がいる。検査が始まる前までは、痛みがなかったのに、ここにきてまた痛みが出て来たので、寝台の上で横になりながらうめきだす。「痛いんですけど」と言えばいいんだろうけど、何か「気付いてください」 的な気持ちになっていた。少ししたら、そのうめき声に気付いて、他の人も呼んできてもらった。たぶんその人が呼ばれたのは、痛みのためではなく、その薬の副作用が万が一出ていたら困るからだろうと思うけど。

検査が終わって、台から降りるときに看護士さんが手伝ってくださったが、私の服装が変だったので声をかけられ、「いや、生理痛のひどいのだと思い込んでいて、お風呂に入っていたまま救急車で来たので」と言うと、「尿管結石と間違うほど痛いのなら、病院に行ったほうがいいよ」と言われた。

診察待ちという事で、車椅子に乗ったまま、退屈している子どものために夫が売店で漫画本を買ってきたりするのを見ていたが、頭がぐるぐる回る感じで気持ち悪い。ビニール袋をもらってもう一度吐く。すっきり。その後は吐くことはなかった。もうその頃には、痛みはなく、なんとなく重みが左わき腹にあるようなないようなという感じになっていて、病院も待ち合いの人がいっぱいいた。

診察に呼ばれて、まぁ尿管結石でしょうということだったが、尿には石は出ていないし、体の中にも映らなかったという結論。くわえて、通院するのは大変だろうということで、紹介書をもらって病院を後にした。お水をたくさんのんでおしっこ出してねということ以外は、薬ももらわなかった。

車酔いのような気持ち悪さがずっとあったので、タクシーでは帰らず、すぐにおりられるバスと電車と徒歩を組み合わせて、その日の午後ぐらいには自宅に帰りついていた。数時間前に、自分がうめきながら救急車で運ばれた道を、今、よちよちと歩いて帰っていることが不思議でならなかった。

後日談

その後しばらくは、一日2リットルの水をのんでみたりしたが、石が出た形跡がなく、痛みは再発しなかったので、近くの病院に、一応紹介書をもっていって、再発したときには、その病院で24時間いつでも診察してもらえるということを聞いて安心した。数カ月後にまた来てくださいと言われたが、痛みがなかったのでとうとう行かずじまいだ。ただ、そのときの医師が、ありがたい誤診をしてくれて、私には子宮筋腫があるように見えるので、担当外だから間違いかもしれないが、一応産婦人科に行ったほうがいいと言ってくれたので、すぐに産婦人科に行き、筋腫はないがそんなにひどい生理痛ならお薬あげると言われて以後、快適な生理ライフ?を送っている。怪我の功名というところか。 あれから数年たつが、左わき腹の箇所が、ちくりという痛みを数回感じるだけで、何も起こっていない。この痛みも何か筋肉痛とか別の原因があるのかもしれないし。知人が私のあとから尿管結石をやったというので話を聞いたら、 「痛〜い」「吐く」「石は出ずじまい」というのは共通だった。知らないうちに出ているんだろうけど。そして、尿管ではないが、腎臓結石をやったという人は他にふたりいたので、「石」の病気はそんなに珍しくないのかもしれない。
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