2000年 4月30日(日)
がんば・る ぐわん― 【頑張る】
(動ラ五[四])〔「我(が)に張る」または「眼(がん)張る」の転という。「頑張る」は当て字〕
(1)あることをなしとげようと、困難に耐えて努力する。「―・って店を持とう」「負けるな、―・れ」
(2)自分の意見を強く押し通す。我を張る。「ただ一人反対意見を述べて―・る」
(3)ある場所を占めて、動こうとしない。「入口には守衛が―・っている」
[可能] がんばれる
(大辞林より)
普段、人を励ましたり、応援したりするときに、私たちは「がんばれ!」とか、「ばんばってね」と言う言葉を良く使います。 しかし、私は「がんばれ」という言葉で応援することに、少々疑問を感じています。
そもそも、「頑張る」という言葉の意味は、我を通そうとしたり、意地を張って固守したりする、負のイメージを伴うものでした。 現在のような使われ方は、ベルリンオリンピックの水泳競技で、「前畑がんばれ! 前畑がんばれ!」と中継のアナウンサーが連呼したことから広まったそうです。
努力をして困難な局面に立ち向かうことは大切なことです。 これなくしては、人間としての成長は望めないでしょう。 しかし、「頑張る」ことは、心にも体にも、大きな負荷(ストレス)をかけることになります。 体に故障が発生したり、精神的に参っていたりする人に、「がんばってね」という励ましを送ることは、かえってその不調を悪化させることになり、逆効果となります。 ですから、常に頑張ることが、必ずしも良いわけではない、と、私は思うのです。
英語には「がんばれ」に相当する言葉はなく、そのかわり "Take it easy !"(気楽にやりなよ)、"Good luck"(うまくいくといいね)、"Good job"(いいぞ、その調子だ、よくやった)といったような言葉で、人を応援しています。 それに対し、日本語では(日本人は?)いつもきまったように「がんばれ」といいます。 日本語は決して語彙の少ない言語ではありません。 探してみれば、人を励ます言葉は、いくらでもあるのではないかと思います。 ですから、人を励ましたり応援したりするときは、相手の方の状況を考慮した上で、「がんばれ」に限らない応援をしてあげても良いのではないかと考えています。