BROKEN's Advanced Vehicle Laboratory

特別企画

掃除機バラしてみました

今回から新たに登場した特別企画で、ロボットに関係あること無いことを好き勝手にやってみようというコーナーです。まず初回は、いただきものの掃除機をバラしてみました。

コードレスクリーナー VC-M1X (東芝)

今日の素材(?)は、最近流行のコードレスクリーナーです。普段、家庭で掃除をするときに掃除機を使っていると思いますが、電源コードを引っ張って回るのが邪魔だと思ったことありませんか? 私は、会社の実験室(掃除用に)においてあったコードレスクリーナーを使ってみて、ぜひ欲しくなってしまったので、1台ゲットしてしまいました。といっても、買ってきたわけじゃなくて、某氏にお願いして使ってないのをもらってきたわけでして(笑) で、もらってきたのはよかったけれど、もって帰ってきたらどうも動かない。 んじゃバラしてみるか! ってのが、この企画の動機となったわけであります。

VC-M1Xさて、そのVC-M1Xですが、見た目にはこんなやつです(右写真)。 サイクロン方式のクリーナーで、ごみを吸い込むとダストカップの中でくるくる回っているのが見えます。 吸引力が強モードでもちょっと弱く感じるのが玉に傷です。 ですから、買うんだったらこの次の機種(VC-P10X)をお勧めします。こちらは、格段にパワーアップしています。

早速ばらしてみましょう。まず、ドライバーなしでばらせるのは、本体、ダストカップ、ホース、延長管、ヘッドまでです。ここまでは、説明書を読めばわかるレベルですね。これじゃ、ばらす意味が無い。 説明書には 「警告:改造はしない また、修理技術者以外の人は、分解したり修理をしない」と書いてありますが、あえてこれを踏み越えていくわけですから、読者の皆様にはくれぐれも真似をして事故を起こしたりしないようにご注意申し上げます。

気を取り直して、ドライバーを携えてさらに分解を進めます。仕組みがわかる程度のところまでばらすと、こんな感じになりました。結構部品点数があることがわかりますね。 ちなみに、本体をとめていたネジは、バッテリーのカバーがネジ2本、本体上部と下部をとめるのに5本でした。

各部品について見てみましょう。まずはクリーナの心臓部である、モータです。M1Xはバッテリで動いているため、DCモータを使用しています。下の写真では、比較のために1/24スケールのラジコンと並べてみました。ラジコンの後ろについているモータは、よくある180タイプです。クリーナモータの先についているのは、吸い込む風を生み出しているファンで、これはどこから分解してよいのかわからず、ばらせませんでした。

はたしてこのモータがどれくらいのものなのか、手元に資料が無いので、安定化電源につないで回してみることにしました。下の写真に写っているのが1.2Aまで電流を流せる安定化電源で、安定化電源の左側のメーターが電流計になっています。・・・しかし・・・電流を1.0Aまで上げてもモータは全然回り始める気配を見せません。そこで、電流を1.0Aにしたままモータの軸を手で回してやったら、やっとのことで回り始めました。モータは回り始めるときに突入電流といって大変大きな電流を必要とします。このモータは1A程度では突入電流をまかなえないようです。

この実験が終わってから聞いた話ですが、このモータ、通常3A以上もの電流で回っているんだそうです。ちなみに、M1Xの回路についているヒューズは10Aになっています。(後で聞いた話では、このモータ、定格が150Wなんだそうです。)

つづいてバッテリーを見てみましょう。 バッテリーは、ニッケル水素電池で、定格が19.2V、3000mAhと書いてあります。3000mAhということは、3Aの電流を1時間流せる、ということですよね。ニッケル水素電池は3C放電までOKだそうですから、この電池は最大で9Aまで流す能力を持っている、ということになります。下の写真は、先ほどのラジコンに使用するバッテリ(7.2V, 270mAh)との比較です。 このニッケル水素電池、電池だけで重さが1.0kgもあります。(体重計で量りました)

いよいよ今回の故障の元凶であろう回路基板です。大雑把なつくりになってるんだろうと思っていたら、意外や意外、表面実装をほどこした結構細かい回路です。表面だけみると、細かそうに見えないんですけどねぇ。この基板1枚で、充電の管理からクリーナモータの制御までこなしているわけで、裏から見るとコンデンサ、トランジスタ、抵抗などが多数表面実装されています。写真で基板の右上にレギュレータと放熱板があります。基板の真ん中にある石がマイコンなようで、他の素子やケーブルがどこもおかしそうに見えないところを見ると、このマイコンが不調な様子。さて、あなたならどうやって修理します?

そこで取り出しましたる新しい基板(どこから出てきた??)。これに挿げ替えれば万事OKのはず。とおもってバラのまま新しい基板にコネクタだけ繋いでバッテリ繋いでスイッチを入れてみたのですが、これが全然、うんともすんとも言わない。あれれ、この基板もダメなの? とおもって、この基板を下さった某氏に聞いてみたところ、「バッテリを一度はずしたら、次に使うときは一度充電台に挿さなきゃ動かないようになってるんだよ」とのこと。なるほど〜。 これを聞いて、全部組み上げてから充電台に挿したら、ちゃんと動きました! わ〜い、わ〜い、これで掃除ができるぞ♪

ついでに。簡単にばらせるところで、ヘッドもバラしてみました。回転ブラシはドライバなしでも取り外しができて、絡んだ糸くずなどが簡単に取れるようになっています。それから、掃除中にヘッドを持ち上げると回転ブラシが止まる仕組みは、写真のど真ん中に小さく写っている、このパチンコ玉みたない玉にあるようです。 この回転ブラシがあるおかげで、吸い込みの力が多少弱くても、十分にごみを吸い取ってくれています。

無事にクリーナーの修理もできて、仕組みや能力もわかって、今回の「バラシ」はまあまあよい結果だったのではないでしょうか?

最後に一言。 ばらしたらメーカーの保証外になりますし、モノによっては危険を伴います。 よい子はくれぐれも真似をしないようにしましょう。 いい大人なら、ご自身の責任において、事故がおきないように気をつけて、ばらしてみてください。

(掃除機バラしてみました おわり)
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