BROKEN's Advanced Vehicle Laboratory

RSJ99リポート

2.2 多脚歩行ロボット (2/3)


1E31 視覚支援歩行ロボットの研究 - 第3報:高速画像安定化機構の開発 -

東工大 ○倉爪 亮   広瀬 茂男

概要

歩行機械を効率的に遠隔操作するには、搭載したカメラからの画像情報が不可欠である。  しかし、歩行機械は車輪型の移動機械と異なり、歩行による衝撃のためカメラが揺動し、操縦者側で安定した画像を得ることができないため、 操縦性能が劣ると言う問題があった。

筆者らは、テンプレートマッチング法を用いた画像処理安定化機構を開発し、これにより人間の手ぶれ等に比べて振幅、周波数ともに 大きな画像振動をほぼ完全に除去でき、更に画像情報から歩行機械の姿勢の推定、 及び安定化が可能であることを確認した。

この報告では、これまでに開発したシステムと、ロボット本体に取り付けた姿勢センサやジャイロセンサを組み合わせ、画像安定化性能をより一層向上させたことを述べた。 

解説・コメント

私はこの講演を聞きそびれたのか、記憶にありません。 そう言えば、私が遅れて部屋に入ってきたとき、カメラを積んだロボットが歩いているビデオを流していたような気がするのですが・・・。 

予稿集によると、普通のテンプレートマッチング法で追跡できないような大きな振動や加速度運動に対して、 姿勢センサやジャイロセンサからカメラが捕らえる画像のずれを推定し、テンプレートの探索領域を その方向に広げることで、より高性能な画像安定化機構を構成することができたそうです。 記憶に無いから、感想は無しです。 

でも、うちのロボットにもカメラがほしいなぁ。


1E32 稼働時間の向上を目指したエンジン搭載型脚機構の開発

東海大 ○西沢 英基  河住 真次  稲垣 克彦  

概要

一般に歩行ロボットに適用するアクチュエータとしては、 制御性に優れ、かつ機構的制約が少ないなどの理由により、 電動モータが使用されることが多い。 しかし、電動モータはバッテリーと組み合わせて使用することを考えた場合、全体としてのパワーウエイトレシオが非常に悪く、実用に耐えるような稼働時間を確保することが難しい。そこで筆者らは、エンジンを歩行ロボットの動力源として 適応することを試み、その装置、機構を提案した。

実機実験の様子(MPEG 360KB)

解説・コメント

この発表は、私が初めてロボメック(機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門)に参加してお知り合いになった西沢君の研究です。 

ロボットの実機が、脚機構のみですが、RSJ'99の会場建物の入り口に置かれており、実際にエンジンで駆動させるデモンストレーションを見せてもらいました。 エンジン音が、すごいうるさいのが気になりました。 

さて、この研究のセールスポイントですが、   

  1. エンジンを適応可能な関節駆動装置 
  2. GDAの概念を満たし、1の関節駆動装置が搭載可能な脚機構 
  3. ロック機構を有する2段変速装置 

の3点です。

一般に、ロボットには電動モータが使用されることが多い、 と言いましたが、普通用いられているのは直流(DC)モータです。 なぜDCモータを用いるのかと言うと、 

等の理由があるからです。

しかし、移動ロボットの動力源として用いることを考えると、 バッテリ搭載では実用的な稼働時間が確保できません。 そこで、エンジンを動力源とすれば、パワーも十分、稼働時間も長く確保できるだろう、と考えたわけです。 普通、大型のロボットでは(ロボットに限りませんが)関節の駆動に油圧のシリンダーを用い、この油圧を発生させるためにエンジンを用います。  しかし、この研究では一つのエンジンの回転を対にしたパウダクラッチをもちいて自在に変化させ、  複数の関節を駆動するのに用いています。 

質疑応答の時に、東工大の広瀬先生から  「パウダクラッチはエンジンの回転を摩擦熱にして調節するが、これでは歩行せずにただ立っているだけの時に、 エンジンの回転がすべて熱になってしまい、無駄にエネルギーを消費しているのではないか?」  とのご指摘がありました。それに対する回答が何であったかは 覚えていません・・・。

私としては、ある程度「枯れた(研究し尽くされ、すでに実用化されて久しい)」技術である油圧シリンダーを使ったほうが、信頼性の面でも有利だと思うのですが。 


1E33 MELHORSE の開発

機技技術研究所 竹内 裕喜  

概要

 筆者はこれまでに、脚式ロボットの最適化問題のために、 

などを行ってきた。  この報告では、脚機能分担化のための新たな 実験装置 MEL HORSE U について述べた。 

解説・コメント

この研究も、私の個人的な感想なんですが、 あんまり面白くないです。なんといっても、発表がよく聞き取れなかったからです。 それと、「脚機能分担」の概念が理解できません。 

実は、6月に行われたロボメック(機械学会ロボメカ部門)のポスター発表で一度、筆者である竹内さんに1対1で説明をしていただいたのですが、このときも、この脚機能分担について、私は噛み付きました。 

さて、この「脚機能分担」という概念なのですが、 

というものです。ここで「主に」といっているのは、機能を100%分化するのではなく、80対20とか 70対30などに分け、機能に見合った脚機構を設計しようというもの(らしい)です。 

質問の時間に(またまた登場)東工大の広瀬先生が、この脚機能分担化の概念が良く分からないとの指摘を されていました。それに対し、このセッションの司会をつとめていた東工大の塚越先生が助け船を出されました。 

実機が理論どおり動いている映像でもあれば、 有無を言わさずみんなに納得してもらえるのでしょうが・・・。 


1E34 脚ロボットの屋内環境における自律的移動システム

東大 ○池田 ひなた  原 光博  太田 順  新井 民夫

概要

 近年、移動ロボットの知能化により、その適用範囲を家庭・オフィス環境へ拡張しようとする研究が行われている。 一般の屋内環境には平面・階段・段差・溝などの様々な形状の床面が混在するが、このような不整地環境下で作業を行うために、 ロボットが計画された経路に沿って移動できるシステムが必要である。

この研究では、脚ロボットの歩行に伴う移動誤差の修正と不整地環境の環境情報を容易に取得できる手法を提案し、 実機による脚ロボットのナビゲーションの実現を目的とする。 

実機実験の様子(MPEG 536KB)  よたってます(爆) 普通は、もっと平らに歩くもんですよ。

解説・コメント

 基本的な考え方は、脚ロボットの移動経路に色テープをはり、 環境の情報が変わる地点には環境情報を書き込んだバーコードを経路を示す色テープの上に張りつけようと言うものです。

これ自体は何ら新しいものではなく、車輪型の移動ロボットでは結構行われていますし、工場内でも実際にロボットがこの原理で動いています。 

ではこの研究で何が新しいかというと、車輪型移動ロボットならば経路テープを連続的に読み取れるが、 脚移動ロボットでは歩行に伴う振動があるので、経路テープの連続読み取りが難しい。これを何とかしよう。 ということと、環境情報に不整地の情報を盛り込んだ、というところです。 

発表者が女の子だったせいか、あんまりきびしい質問はありませんでした。


1E35 猫の壁面駆け上がりを利用した垂直移動ロボットの開発

東工大  大曲 康仁  谷口 康明  ○北山昌毅  

概要

猫が垂直上方に移動するとき、一旦壁に向かってジャンプし、壁を蹴って壁面を駆け上がるような動作をすることがある。 この運動はエネルギ的に見て非常に効率的かつ巧みな上下運動である。 この研究では、この猫の動作を実現するようなロボットの制御システムについて議論する。 

解説・コメント

いきなり3次元で実現するのは難しいので、モデルを垂直2次元で考え、地面から壁を蹴って、高い位置にある別の面(屋根をイメージしているらしい) に飛び移ることを考えているようです。  横っ飛びができない分、なんと、宙返りをさせて 屋根に登らせようと言うのです。

この報告では、モデル化と制御則の設計が行われ、計算機シミュレーションによって制御系の有効性が示せた、と言っています。 実機もあるようですが、こちらのほうはまだ実験に成功していないようです。 

なにも体を支えるものが無い空中で姿勢を制御しなければならない等、実機で実現するには非常に難しい問題が沢山ありますが、 実現できれば、これは面白いと思いました。 


1E36 Articulated Legged Roverの設計検討

加藤 宙(東大院) ○高橋 宏雄(東大院) 久保田 孝(宇宙研) 中谷 一郎(宇宙研)  

概要

宇宙探査用として、踏破性の高い多脚移動ロボットが用いられることが期待される。 そこで、この報告ではローバでは踏破できないような不整地を移動する Articulatede Legged Roverを提案し、その設計検討について述べた。

解説・コメント

この報告の主な部分は、多脚ロボットの重量配分とトルクの関係に対する考察でした。 

普通の脚移動ロボットでは、重心をできる限り胴体に近いところに設計します。 しかし、この研究では、各関節にかかるトルクを軽減させるために、 重量のほとんどを足先に配分したほうが良い、と主張しています。 

質疑応答の時には、当然のように議論が飛び交いました。  たとえば、 

等、さまざまです。

理論はどうであれ、実機を作って制御してみれば、良いか悪いかはっきりすることでしょう。


1E37 ジョイパッドによる4脚歩行ロボットの遠距離操作

東北大  ○加藤 雅麗  近野 敦  内山 勝  

概要

 自律型の移動ロボットの一番の魅力は、移動範囲の広さである。 遠距離操作システムでロボットを操縦する際にはオペレータの負担を小さくするようなインターフェイスが重要となるが、自由度の大きい歩行ロボットを操縦対象とした場合、オペレータが望むような動きをさせることは、なかなか難しい。 

そこで、家庭用ゲーム機で親しまれているジョイパッドをインターフェイスとして採用し、直感的に操作できる4脚移動ロボット操縦システムを構築し、これを報告した。

解説・コメント

ジョイパッドによる操縦とは、いかにもゲームで育った世代らしい、柔軟な発想だと思います。しかも、基本動作をボタンの組み合わせによるコマンドで指令するとは。 

ここで使われている実機は、JROB-2です。JROB-2 は、TITAN-VIIIの上にPC/AT互換のコンピュータを搭載し、電源を含めて自律させ、無線LANでネットワークの他の端末から操縦できるよう構築されたものです。制御用OSにはRT-Linuxを使用し、操縦端末もLinuxマシンに統一しています。  操縦はTCP/IPサーバプログラムによると言うのですが、 詳しいことは私は理解していません。 実際に歩行している様子をビデオで見せてもらいました。 

質疑応答で、  「基本的な歩行パターンはどのようにして作ったのか?」  と言う質問がありましたが、 「安定性などはほとんど考慮せず、すばやく動かせば 何とか転ばないので、それだけで作った」  と答えていました。 

私自身、ロボットをジョイスティックで操縦したかったので、 RT-Linuxでどのようにしたらゲーム用のコントローラを使用することができるのかを質問したところ、ジョイステック用のデバイスドライバはすでに沢山出回っていて、ftpサイトにいけばすぐ手に入るし、使い方はREADMEを読めば解る、とのアドバイスをいただきました。 

うちのTITAN-VIIIは、独立してないし、まだRT-Linuxも動かせてないんです よね〜。 

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