BROKEN's Advanced Vehicle Laboratory

動物を真似たロボットたち (2)

2. ゾウの鼻型ロボットアーム

研究室にある一番大きいロボットは、ゾウの鼻型ロボットアーム(CT-Arm)です。 関節数は7つ、モータは全部で17個搭載されています。(個人的には、ゾウの鼻というより恐竜の首に見えたりします(笑))

このロボットの主な特徴は、「超多自由度」と「ワイヤ干渉駆動機構」の2点にあります。

2.1 超多自由度

ゾウの鼻型ロボットアーム 先端部3次元空間で任意の位置・姿勢をとらせる場合、6自由度が必要です。この6自由度を越えた自由度を持つ場合、 「冗長な自由度を持つ」といいます。 たとえば、人間は肩、腕と手首で7自由度を持っています。自由度が1つ多くあるおかげで、一定の位置、姿勢でものを把持したまま、 腕全体の姿勢を変えることができるのです。さらに、7自由度、8自由度・・・と増えていくことにより、 複雑に入り組んだところにも手が届くようなことが可能になります。

しかし、自由度が増えれば増えるほど制御が難しくなります。そこで、自由度が無限大であってもロボットアームに任意の姿勢 を取らせることができるよう、アームの姿勢を曲線で定義し、制御する方法が用いられています。

2.2 ワイヤ干渉駆動機構

一般的なロボットアームは、各関節にアクチュエータ(駆動装置:DCモータがよく用いられる) を搭載しています。 そのため、冗長な自由度を持つロボットアームなどでは、アームの先端に行くほどアクチュエータの重さがアームの性能に影響を与えてしまいます。

そこで、全てのアクチュエータを機台部に格納し、ワイヤを用いてロボットアームの各関節を駆動する方法が考え出されました。 ワイヤの巻き方は2通り提案されており、重力に逆らう向きの力を大きくする巻き方もあります。

上の三つの写真は、左がロボットアームの先端にあるグリッパー(ひらたくいえば「手」)で、真中がアームの付け根部分、右がおなかの部分を裏から見たところです。 各関節はおなかに集められたワイヤーをモーターで巻き取って引っ張ることで動かすことができます。 ワイヤーは引っ張る方向にしか力を出せないので、1つの関節を駆動するのには2つのモータが必要です。 ワイヤーには丈夫なケブラー繊維を使用しています。 また、グリッパーは持つものが重ければ重いほど握る力が強くなる機構になっています。

2.3 実験の様子

右の写真は、ゾウの鼻型ロボットアームで実験を行うときの様子です。 部屋の奥に見える縦長な棚(?)は電源やモータ制御装置、電源スイッチ、ブレーキスイッチなどがある制御ボックスで、写真の左側に見えるパソコンがロボット制御用のパソコンです。

実験を行うときは必ず二人で行い、一人がロボットの操縦 / 命令の入力を担当し、もう一人が電源やブレーキスイッチのON/OFF、緊急停止ボタンの管理を担当します。 元々の設計ではアーム全体が左右に回転することもできるようになっているのですが、実験室が狭くて回転させられないので、安全のため左右回転をさせないようにしています。

金属(アルミ)でできた重たいアームを動かすため、モータは強力なものを使用しています。 そのせいで、ロボットアームの制御プログラムにミスがあって暴走したりすると、丈夫なケブラーワイヤが切れることもあります。 機構が複雑なため、ワイヤーが切れると巻きなおしをするのに時間がかかります。 メンテナンス性についてはまだまだ改良の余地がありそうです。

2.4 ロボットの動き(MPEG動画)

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