BROKEN's Advanced Vehicle Laboratory

4脚ロボット入門 執筆メモ


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完成を待っていたらいつになるか分からないので、原稿のその前のメモ書きの状態からみなさんの目にさらしてしまうことにします。 「早めにリリース、しょっちゅうリリース」を心がけて。 8〜9割がたまとまったら体裁を整えて、推敲に入ろうかな、と。(2001/08/11 Takashi Tomiyama)

目標

これから4脚移動ロボットの研究をはじめようとする卒研生に、歩行の基礎概念や歩行制御プログラムの構築法、現在の研究動向について学んでもらい、卒業研究の導入用として使ってもらう。

作成方針

構成

第1部 歩行ロボットの基礎
第2部 ハードウエアとその制御
第3部 歩行制御プログラムの構築
第4部 研究動向と今後の課題

講義カリキュラム

講義をはじめる前に

  (第1部 歩行ロボットの基礎)
第1講  歩行ロボット概論 I
第2講  歩行ロボット概論 II
第3講  歩行ロボットの安定性
第4講  動物の歩行パターン
第5講  ロボットの歩行パターン

 (第2部 ハードウエアとその制御)
第6講  脚機構
第7講  サーボ系の位置制御
第8講  運動学と動力学
第9講  軌道追従制御
第10講 歩行の実現

 (第3部 歩行制御プログラムの構築)
第11講 全方位歩行
第12講 不整地歩行
第13講 歩行制御系の構築

 (第4部 研究動向と今後の課題)
第14講 最近の研究動向
第15講 実用化に向けて

講義を終えて

講義をはじめる前に

あいさつ

 四足歩行ロボット入門のページへようこそ! このページは、ロボット好きの方から、 これから多脚移動ロボットの研究に取り組まれる方までを対象に、私の研究(勉強?)の覚え書きを講義形式でつづったページです。 文中には専門用語や脚移動特有の概念などが出てきますが、できる限り数式を使わず、イラストやアニメーションを用いてやさしく解説しますので、気軽にご覧ください。( 2000/08/09 )

構成

 このページでは、全部で15回の講義形式で4脚歩行ロボットの基礎から機構、歩行制御系の構築方法、最近の研究動向までを説明してゆきます。 15回の講義は大きく分けると以下の4部になります。

第1部  歩行ロボットの基礎
第2部  ハードウエアとその制御
第3部  歩行制御プログラムの構築
第4部  研究動向と今後の課題

 まず第1部では、歩行ロボットの概論として歴史や様々な脚式ロボットについて説明し、またロボットが転びやすいかどうかを判断する「安定性評価基準」や、動物の歩き方、ロボットの歩き方について説明します。 

 次に第2部では、ロボットの脚がどのような作りになっているのか(機構)、脚がどのような仕組みで動くのか(制御)、脚を狙い通りに動かすためにはどうしたらよいのか(運動学、軌道追従制御)について説明し、今まで説明してきた内容を使ってとりあえず歩くために必要な下準備をします。

 続いて第3部では、いろいろな方向に歩いたり、でこぼこ道を歩いたりする方法について説明して、いままでに説明してきたことをどのように組み立てればよいか説明します。

 最後の第4部では、学会誌や学会発表などから最近の4脚移動ロボットの研究動向について紹介し、現在解決されていない問題点についても触れ、4脚移動ロボットの実用化がいつ頃可能になるか予想して講義を締めくくります。

専門で研究されている方へ

 このサイトで紹介する概念や理論については、私が理解したように解説しています。 できる限り正確に記述するように心がけていますが、もしかすると理解が間違っているものがあるかもしれません。 それぞれについて参考文献を示しておきますので、詳しくはそちらを参照してください。また、誤りや不正確な記述、最近の研究動向など、アドバイスがありましたら、作者( yij01260@nifty.ne.jp ) まで、気軽にお知らせください。 資料の提供、情報源の提供などはいつでも大歓迎いたします。

作成方針


  (第1部 歩行ロボットの基礎)


第1講  歩行ロボット概論 I

概要

ロボットとは何か? 夢の未来機械をロボットという。


テレビアニメのロボット、ガンダム、パトレイバー
いったいどうやって操縦しているのか?
いつになったら実現されるのか? 
なぜ実現できないのか?

ホンダのP2,P3、青学のMk.5、通産省のHRPなど、ヒューマノイドの研究が花盛り

SDR-3X、ASIMO、TMSUK、

ロボットは基本的に面白い。 予算がとりやすい。
世の中の人が期待するほどロボットの技術は進んでいるわけではない。



脚移動ロボットの歴史

Kersten Berns氏の「歩行機械カタログ」を参考に
(写真や挿絵はどうしようかなぁ?)

ロボットを人間型もしくは生物型の自動機械として考えるなら、ロボットのアイデア自体は神話の時代から存在する。
ギリシャ神話に出てくる青銅の巨人タロス(鍛冶の神ヘファイストスの作もしくは名工ダイダロスの作:ダイダロスはイカロスの父)が最初のロボットだったのではないだろうか。(タロスはクレタ島に住んでいて近づいてくる船があると岩を投げつけて沈めたという。タロスのかかとには栓があって、それを抜くと全身の血液が抜けて死んでしまうのだそうだが、今考えてみると「血液」=「オイル」ってことで、タロスは油圧駆動だったのではないだろうか(笑))

どこからが脚移動ロボットなのかむずかしいところだが、脚機構があってそれにより推進する機構としては、
時代ずっとが下って18世紀にちょうど蒸気機関車に脚を付け足して脚で推進するような機械のアイデアが考えられた。 18世紀というとイギリスから始まった産業革命。 18世紀初めにNewcomによって発明された蒸気機関がJames Wattにより優秀なものに改良され、紡績機や織機の動力源として使われた。 この蒸気機関は後に蒸気機関車や蒸気船といった交通機関にも使われるようになった。 実際に蒸気機関車が作られるようになったのは19世紀にはいってから。

19世紀になると「蒸気で動く兵士」や「機械仕掛けの馬」などが考え出されるが、これらは実際に作られることは無かった。
実際に作られた脚移動ロボットとしては、いや、ロボットというよりは単なる機械なのだが、第一次世界大戦中に、椅子にムカデの脚がついたようなものやトラクターの後輪をクランク機構の脚に置き換えたものなどが開発されている。

もう少しロボットらしいコンピュータ制御の脚移動ロボットは、1966年にサウスカロライナ大学のMcGheeとFrankによる Phoney Pony まで待たなければならない。 1968年になるとジェネラル・エレクトリック社のR. Mosherがちょうど乗用自動車のタイヤを脚機構に置き換えたようなロボット(The G.E. Quadruped)を開発している。 このG.E.の4脚ロボットは人間が操縦するタイプのロボットなのだが、操縦するといっても自動車のように操縦するわけではなく、遠隔操作で1本1本の脚の動きを操縦するというもので、運動性能や歩行時の安定性に関する問題が解決されていなかった。

 1970〜80年代にかけては、6脚や8脚のロボットが多く開発される。 有名なものとしては、1977年にオハイオ州立大学で McGheeらによって開発されたThe OSU Hexapod (6脚)や、1976〜79年にかけて日本の小松製作所で開発された ReCUS (Remotley Controlled Underwater Surveyor : 8脚)、 1985年にこれもオハイオ州立大学で開発された ASV (The Adaptive Suspention Vehicle : 6脚) などがある。 

 4脚ロボットで有名なものとしては、東京工業大学で広瀬らによって開発された TITAN シリーズがある。 特にTITAN-IV は1985年に茨城県で開催されたつくば科学博において、階段昇降を含むコンピュータ制御による完全自律歩行をおよそ半年間披露し続けた。  ちなみに、このつくば科学博では早稲田大学の加藤らによって開発された2脚歩行ロボットWHL-11 もTITAN-IV と同様に展示歩行をしている。

 1980年代後半になると、マサチューセッツ工科大学(MIT)のBrooksによって提唱されたサブサンプション・アーキテクチャ(行動規範型の人工知能)を実現するための小型脚移動ロボットが数多く作られるようになる。 これらの小型ロボットのほとんどが昆虫をモデルとした6脚ロボットで、アクチュエータ(動力源)にはラジコン用のサーボモジュールを使用しているものが多い。

 1970〜80年代は数多くの脚移動ロボットが開発されたのに対し、1990年代になるとロボットブームが影を落してしまい、比較的大きなロボットが作られなくなってしまう。 しかし、1996年12月に日本のホンダからヒューマノイド P2 が発表されたのをかわきりに、翌1997年にP3、1999年にソニーから4脚のペットロボットAIBOが発表され、今日のロボットブームに至っている。

参考文献

[1-1] 広瀬、米田: "実用的4足歩行機械の開発に向けて", 日本ロボット学会誌, Vol.11, No.3, pp.360〜365, 1993
[1-2]

参考ウェブサイト

[web 1-1] Karsten Berns: The Walking Machine Catalogue, http://www.fzi.de/ipt/WMC/walking_machines_katalog/walking_machines_katalog.html
[web 1-2] 梶田 秀司 : 世界の2足歩行ロボット研究(梶田秀司のホームページより),http://www.mel.go.jp/soshiki/robot/undo/kajita/bipedsite.html
[web 1-3]


第2講  歩行ロボット概論 II

ロボットの移動機構

宇宙、空中、地中、地上、水上、水中など、移動ロボットが適用される空間は様々。ロボットが移動する空間に適した機構が使用される。特殊なケース・・・架線移動、配管内移動。階段昇降も特殊?

地上を移動するロボット

  1. 車輪式
  2. クローラ式
  3. 脚式
  4. その他

地上を移動するロボットの基本形態
車輪、クローラ、脚、胴体を用いた匍匐(ヘビ、ミミズなど)

車輪の発明

有史以前、人は物を運ぶとき、人が肩に担いだり、牛や馬など動物の背中に乗せたりして運んでいた。
乗せられない荷物はひもをつけて引っ張って、地面の上を引きずった。 (「ソリ」の発明)
丸木舟を地上に持ってきたのがソリになったのかな?
ソリは草の上や砂の上、湿った土の上など、摩擦抵抗の少ないところで大変有効。
やがて摩擦を減らすために、地面に丸太を敷いて、転がる丸太の上でそりを引くようになった(「コロ」の発明)
しかし、丸太の敷き直しが必要。 坂道では丸太が勝手に転がるので使えない。

コロに心棒を通してソリに固定したものが車輪の始まり。
技術の歴史のなかで最も偉大な発明と言われている。

車輪を発明したのはシュメール人なのかな?
紀元前4000年ごろ メソポタミア

凹凸の少ない平らな面を移動する場合、車輪を用いるのが最も効率的。

車輪式ロボットの例

iRobot社、パトナ、油田研究室(筑波大学)

車輪式の長所

車輪式の短所

もちろん、短所に対する改善策あり。オムニホイール、メカナムホイール、星型アームなど。

クローラの発明

クローラとは、日本語では無限軌道といい、皆さんご存知の”キャタピラ”のこと。でも、キャタピラというのは商品名なので、一般名詞としてクローラという言葉を使います。クローラの発明はいつごろのこと?(1893年、日本の木村徳三郎がキャタピラを発明、と書いてあるのみたけど、本当かな? http://www.cec.or.jp/tokkyo/hakubutsukan/nenpyo_2.html 別のところでは、1904年、米国ホルト社(現キャタピラー社)って書いてあった。カリフォルニア州のベンジャミン・ホルト? 越中の高松梅治だっていう説もあるし、福島の藤沢武夫だって言う人もいるし、誰が本当だかよく分からん。)
ぬかるみなどを走行するときに、車輪の下に板を敷き詰めて舗装道路と同じようにした。この板を、車輪が通過したらまた車輪の前に持ってくるようにしたのがクローラの始まりだとか。 第一次世界大戦で戦車が登場して、悪路におけるクローラの走破性を発揮した。

クローラの長所

クローラの短所

用語:デッドレコニング

当然、クローラの改良版もあり。

脚ロボットの発明者は不明。

ここから本題の脚移動。

移動手段としての脚式ロボット

脚移動の利点

脚移動の欠点



消費エネルギーの試算
静止時・・・車輪移動は理論上消費エネルギーなしだが、脚移動では関節角度を保持するだけのトルクを常に発生している必要がある。
これは、静止時には関節をロックすることで回避可能。
また、人間のように直立2足歩行するものは、直立時には特異姿勢をとっているため関節にかかるトルクはゼロ。

用語:特異姿勢
※ 特異姿勢 関節が曲がりきるか伸びきって、アーム(脚)先端の運動方向拘束された姿勢。ヤコビ行列の行列式が0になる。

移動時・・・車輪移動では車輪の軸に出力したエネルギーがそのままロボットの運動エネルギーになる。しかし、脚移動では脚を上下動させる分と、脚を後ろから前に持ってくる分のエネルギーが余計に必要。脚の質量は無視できない。

消費エネルギーを少なくするために脚機構を工夫したGDAという考え方があるが、これは第6講の脚機構の部分で詳しく説明する。

脚(leg)と足(foot)の違い

脚(leg)・・・太ももの付け根から踝(くるぶし)まで
足(foot)・・・踝(くるぶし)から足の裏まで

「あしのうら」といったときに「脚の裏」ということはあり得ない。
理論的に点接地
じゃあ、「肢」は? 脚を腕として使うことを考慮するときに、「肢」と言う字を当てているようだ。

歩行と走行

常に1脚以上が床に接している脚移動形態を歩行といい、全ての脚が床から離れる時間が存在する脚移動形態を走行という。 車の場合は脚じゃないけど走行ですね。

静歩行と動歩行

静歩行 ・・・ 加速度運動を考えず、静力学的な力の釣り合いがとれていることで安定性を保っている歩行の形態
動歩行 ・・・ 静歩行でない歩行の形態。

様々な脚移動の研究

様々な脚移動の研究を脚の本数ごとに見ていこう。 脚の数で分けると、1脚、2脚、3脚、4脚、5脚、6脚、その他のように分けることができる。

1脚

基本的にホッピングで移動。
MIT(米、マサチューセッツ工科大学)の唐傘お化けみたいなロボット(笑)
1983〜84年にかけて開発された。
正しくは唐傘お化けじゃなくて"3D One-Leg Hopper"。
高さ1.1m、重さが17.3kg、腰(?)に2自由度、脚に1自由度。
脚は空気圧シリンダーで駆動。
MIT Leg Laboratory のサイトに行けば、この唐傘お化け(笑)がピョコピョコ飛び跳ねているMPEGを見ることができます。

1本脚で飛び跳ねているので走行にあたるのでしょうか?
また、この"3D One-Leg Hopper"の脚を2本にした "3D Biped" というロボットもMITで開発されていますが、こいつは走るだけでなくアクロバティックな宙返りもこなすというスゴイやつです。 私はコイツが宙返りするビデオを学生時代に見て、すごく興奮しました(笑)

脚が2本あっても、カンガルーのように2本をそろえてジャンプするような移動形態は1脚と同じようにみなすことが出来る。
1本の脚で跳躍することと、2本の脚で交互に跳躍することはほぼ等価。 ロボットの自重を克服して飛び上がるには大きなパワーが必要。 着地時の運動エネルギーを蓄えて次の跳躍に活かす仕組みが重要。 スプリング機構。

1本脚を研究する意味合い

1本脚での跳躍が出来れば、2本組み合わせたものに1本の場合の制御アルゴリズムをほとんどそのまま適用できる。 2本が4本になっても本質は変わらない。

支え棒が付いている1脚/2脚ロボットなどもあるようですが、そういうのは個人的に好きではないので(!)紹介しません。

飛び跳ねなくて良いのであれば、”やじろべえ”みたいな形で腕を上下させてバランスを取るロボットや、倒立振子に車輪が付いたようなロボットも研究されていますが、これは脚移動ではないのでここでは省略。


2脚、ヒューマノイド

2脚移動ロボットの研究は比較的古く(1970年代)からなされています。 脚が2本しかなく、歩行中はどうしても不安定になってしまうため、動力学的な安定化制御が必要となります。 そこで動力学的安定を確保する必要性から ZMP(ゼロモーメント・ポイント)が提唱され、動力学的な安定性を議論する際の基礎概念となっています。 ZMPについては次の第3講で詳しく説明します。

2足歩行ロボットの研究では早稲田大学が先行していましたが、先ごろホンダが人間型の手足をもつヒューマノイド型ロボットの開発し、注目を集めています。  2足の研究分野では、歩行だけでなく、両足が空中に浮いている時間のある走行を取り扱った研究もなされています。

2脚やヒューマノイドは研究事例があまりにも多くて、どれを紹介したらよいのか迷うところです。 本音を言うと、2脚の世界は良く知らないだけなのですが・・・

2脚(二足歩行)の研究では、人間の歩行をビデオカメラや足裏圧力センサなどで計測して、関節トルクの推定などを行ってロボットで再現するといったアプローチをとることがある。

2本脚の機構は人間型ばかりでなく、恐竜型、鳥型の関節を持ったも、直動関節を持ったものも数多く開発されています。

足裏を持たない竹馬型もある。 BIPER-3(3自由度)は足首のトルクに頼らないで3次元の動歩行を実現している。

2脚の歩行ロボットは運動方程式が非常に複雑になる。 単純化するために倒立振子モデルを用いたり、脚の質量を無視したモデルを用いたりして解析をすることもあるが、理論上のモデルと実際のロボットとの差が大きいため、制御には適さない。

ちょっと歩行ロボットといいがたいところでは、カタカナの”コの字”型の足(踝から下)を組み合わせて2本脚で静歩行するものがある。玩具のロボットは(ゼンマイ式でも電池式でも)ほとんどのこやり方。 スキーの板みたいななが〜い足にして前後に倒れないようにしているものもあるが、歩行ロボットとしての面白みが無いので私の好みではありません。

3脚、

3本脚は、実用という意味では非常に注目すべき特徴がある。 静止して作業するときは3本の脚でしっかりと立つことができ、移動するときは


4脚、
歩行と言えば2、4、6のどれかと言って間違いないくらいメジャー。 哺乳類の多くが4脚。 爬虫類も多くが4脚。(もちろん、そうでないのもいる。) 6脚や8脚といった虫のような形態に比べて親しみやすい。 

5脚、
工学院大で、正5角形の5脚移動ロボット。歩行パターンは、4脚支持1脚遊脚(低速)、3脚支持2脚遊脚(高速)の2パターン。

6脚

6脚は脚移動ロボットのなかで最も実用化が早いと考えられている脚本数。 研究者の数も多い。 安定性が高い。 基本的には、6脚ウェーブ歩容と6脚トライポッド歩容。 2本の脚をアームとして使用しつつ、残りの4脚で歩行することも可。 脚の本数が多い分だけ、アクチュエータの数も増え、歩行で消費するエネルギーも多くなる。 基本的に動歩行は無い。6脚ロボットの例、ASV(人が乗れる)



その他
ローラーウォーカー、東工大、広瀬研 動力を持たない車輪と脚のハイブリッド
スケーティングにより歩行の3倍の速度で移動が可能。
歩行は異なる脚ロボットの移動方法が出てきたついでに、他の例も紹介。
4本の脚で地面をけって、胴体の下に仕込んだ動力を持たない車輪でスケーティング(吉野のロボット)
脚で柱を抱え込んでよじ登る抱え込み歩容

蛇足(ヘビの移動形態)
どのようにして歩くのか、どこの誰が、いつ頃研究したのか
東工大の広瀬研のヘビ型ロボット

4脚移動ロボットの意味合い
なぜ脚が4本?
立っているだけなら3本でよい。

関節の数が増えると制御が大変。 脚の数が多いとそれだけ重くなる。
安定性を保ちつつ歩行ができる必要最低限度の脚の数。

転倒に対する安定性は次の第4講で述べる。

参考文献

[2-1] 米田 : "脚移動", 日本ロボット学会誌, Vol.16, No.7, pp.897〜901, 1998.
[2-2] Marc H. Raibert : Legged Robot That Balance, MIT Press, 1986.
[2-3] 広瀬、米田:"実用的4足歩行機械の開発に向けて", 日本ロボット学会誌, Vol.11, No.3, pp360-365, 1993.

参考ウェブサイト

[web 2-1] 中部電力空想科学エネルギー研究所(ゆめLabo), http://inpaku-www.chuden.co.jp/
[web 2-2] 吉野のロボット、http://www2.plala.or.jp/k_y_yoshino/index.html
[web 2-3] MIT Leg Laboratory、http://www.ai.mit.edu/projects/leglab/


第3講  歩行ロボットの安定性

安定であるとはどういうことか?

「安定である」とは、簡単に言えば出力が目標に収束するということ。 逆に「不安定である」とは、出力が目標に収束せずに発散してしまうこと。

たとえば、「経済が安定している」といえば(目標とする出力は無いけれど)金利の変動や株価の変動が小さく、今後の見通しが十分に効く経済状態。 「パソコンが不安定だ」といえば、ハングアップが頻繁に起きたり、強制終了が多かったりして定常的な作業ができない状態。 歩行ロボットで「安定である」というのは、一般に「転倒しない」という意味で、逆に「不安定である」というのは「転倒しやすい」という意味。

制御工学における「安定」とは。 リアプノフの意味で安定 ( stable )、漸近安定 ( asymptotically stable )、大域的漸近安定 ( asymptotically stable in the large )

安定性評価基準 どれくらい安定であるかを数値で表すための尺度

静力学的な安定性評価基準
動力学的な安定性評価基準
力学的エネルギーによる安定性評価基準

安定余裕
ZMPによる安定余裕
正規化エネルギー安定余裕

静力学的な評価基準

動力学的な評価基準

力学的エネルギによる評価基準

「静力学的に安定である」とは、力の釣り合いが取れているので転倒しない、ということ。 物体の運動は考えていないので、非常にゆっくりとした動きにしか通用しない。

安定余裕 (Stability Margin)

安定余裕は、静力学的な歩行ロボットの安定性評価基準で、直感的に理解しやすく、最も広く用いられている安定性の評価基準(転びにくさの物差し)です。

 例えば、カメラの三脚を水平な地面に立てるところを想像してみましょう。 三脚の接地点は地面に三角形を作りますね?カメラ(と三脚)の重心を地面に投影してみると、三脚がきちんと立つ場合には、その投影点が三角形の内部にあることが解ると思います。

脚移動ロボットでも同様で、地面に接して胴体を支えている足(接地脚)は水平な地面に多角形を作ります。これを支持脚多角形といいます。そして、重心を水平な地面に投影した点が支持脚多角形の内部に入っていれば、ロボットは転倒せずに歩行することが可能なのです。

では、どれくらい安定しているのでしょうか? その静力学的な評価基準となるのが「安定余裕」です。

安定余裕とは、「水平床面上に多脚移動ロボットの重心を投影したときの、支持脚多角形と重心の投影点との距離の最小値」を評価基準としたものです。

定式化

ロボット胴体の重心位置に座標系の原点をとり、鉛直上方をz軸方向にとった座標系を使用する。

胴体重心から見た脚 i の先端位置 p_i

安定余裕の問題点

 安定余裕は、大変分かりやすい概念なのですが、ロボットの大きさや重さや重心の高さには依存しないので、重たいロボットでも、背の高いロボットでも、同じくらい安定だ、ということになってしまうという問題点もあります。接地面が斜めだとNG → 水平面に投影するという手はある。

傾斜度安定余裕(Gradient Stability Margin)

歩行ロボットが立っている環境全体を任意の方向に傾けたとき、ロボットが転倒をはじめる限界傾斜角度をもって安定性を評価したもの。

Tipover Stability Margin

傾斜度安定余裕に、重力だけでなく全ての外力を加えて評価したもの。

Zero Moment Point

こんどは動力学的な安定性の評価基準の例として、ゼロモーメントポイント(ZMP)を見てみましょう。  ZMPとは、胴体重心のモーメント(回転させようとする、軸周りの力)の水平成分がゼロとなるような水平床面上の点のことを指します。  ZMPが支持脚多角形の内部に入っていれば、動力学的に安定であり、ロボットは転倒しないことが保証されています。

また少々難しく聞こえたかもしれませんね。 しかし、概念的には先ほどの安定余裕を動力学に拡張したもので、胴体重心が加速度運動をしていなければ、ZMPの安定余裕と静力学的な安定余裕とは同じものとなります。 ですから、安定余裕の概念さえ理解できれば、ZMPも概念的には容易に理解できると思います。

床半力中心点とZMP

ZMPと歩行制御については、梶田氏(産総研)による解説[3-1]が簡単でわかりやすいので、もっと深く知りたい方はそちらをご覧ください。

ZMP:ある作用点の周りに関して、支持脚が受ける接地力のモーメントの和がゼロになるとき、そのような条件を満たす接地面上の点をZero Moment Point という。イメージとしては、平面においてのみ定義される、動的重心の投影点のようなもの。一般に、不整値に対しては適用できない。

エネルギー安定余裕(Energy Stability Margin)

力学的エネルギーに着目した歩行ロボットの安定性の尺度。ロボットが転倒するには、どれだけの力学的エネルギが必要か。(図)

Dynamic Energy Stability Margin

得練る妓安定余裕に、全ての外力を考慮して評価したもの。

正規化エネルギー安定余裕(NE安定余裕:Normalized Energy Stability Margin)

エネルギー安定余裕をロボットの自重で正規化したもの。

安定性評価基準が異なれば、同じ状況であっても「最も安定な姿勢」は異なる。(同じになる場合もある。)

安定性評価基準としては、(いまのところ)NE安定余裕が最も妥当とされている。

重心は高いほうが良いか、低いほうが良いか?
重心が低いと、機構的に安定だが移動速度はあまり取れない。 反対に、重心が高いと機構的に転倒しやすいが移動速度を大きく取れる。 機構的に安定化を図るか、制御で安定化を図るかの差。 制御で安定化を図る場合、重心が高いほうが制御が楽。 倒立振子 振子の周期が長くなるから。

参考文献

[3-1] 梶田:"ゼロモーメントポイント(ZMP)と歩行制御", 日本ロボット学会誌, vol.20, no.3, pp.229-232, 2002
[3-2] 塚越:"4足歩行機械に関する歩容制御の初歩", 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会'99 チュートリアルセミナー資料, pp.18-29.

参考ウェブサイト

[web 3-1] 梶田秀司のホームページ、http://www.mel.go.jp/soshiki/robot/undo/kajita.html


第4講  動物の歩行パターン

歩容(gait)
遊脚、支持脚、接地率(デューティ比)

クロール
トロット、ペース、バウンス、
ギャロップ

歩行パターンの記述方法
歩容行列、対称歩容、正規歩容

一般的な多脚式ロボットの歩行パターン
ウェーブ
6脚ウェーブ、6脚トライポッド歩容もウェーブの一種
4脚クロール、4脚トロット歩容もウェーブの一種

CPG 除脳猫の実験

エネルギー消費と歩行パターンの関係
ウマの場合 歩行速度に応じてエネルギー消費を最小にする歩行パターンが存在

歩行パターンの分類

動物が歩行している間、各脚がそれぞれどのような順序で支持脚、遊脚となるかは驚くほどパターン化されています。 以下に代表的な歩行パターンの図を示しますので、順番に見ていきましょう。

(図 gifアニメでも入れるか?)

表 ウェーブ歩容の分類
接地率 β 支持脚数 左右の位相差 前後の位相差 歩容 歩行速度
4脚 0.75以上 3 または 4 0.5 1 - β クロール
0.75〜0.5 3 ウォーク
0.5 2 トロット
0 ペース
0 0.5 バウンス(バウンド)
6脚 5/6未満 5 または 6 0.5 1 - β
5/6〜2/3 4 または 5
2/3 4 平行四辺形
2/3〜1/2 3 または 4
0.5 3 トライポッド(交互三点接地)
(※)8脚以上のウェーブ歩容には特に名前はつけられていない。

クロールは最もゆっくりした歩行パターンです。 歩行中常に3本以上の脚が接地しており、静的安定性が最大となります。 爬虫類や両生類など、低速歩行する四足動物で見ることができます。
クロール

4脚歩行の最も基本となる歩行パターン。 遊脚が波のように後ろから前に順番に移っていくウェーブ歩容の一種。
 爬虫類や哺乳類の低速歩行時に見られる。
0. 脚が4本とも接地している状態。胴体重心は平行四辺形の真中にある。ここから左後足を遊脚化する。 1. 遊脚化した脚を支持脚の3倍以上の速さで前方に持ってくる。重心は支持脚三角形の内部に入っていく。 2. 左後脚が着地すると、前後に対称な台形の支持脚領域ができる。ここから左前脚を遊脚化する。 3. 左前脚が前に行くにつれて、胴体重心は支持脚三角形の辺に近づいていく。
4. 左前脚が着地すると、0.と左右対称な状態になる。 5. 1.と左右対称。 3→4→5の流れで支持脚三角形が後ろから前に切り替わる。(7→0→1でも同様。) 6. 2.と左右対称。 7. 3.と左右対称。

ウォークはクロールより速い歩行で、2本の脚で支持する期間があります。 各脚は、右後脚 → 右前脚 → 左後脚 → 左前脚 の順に運ばれます。 同じ側の前脚と後脚の位相差が0.25に保たれるのが特徴です。

ウォークの歩行速度が増すと、支持する脚の数が減り、2脚ずつを組にして交互に接地するパターンとなります。 同じ側の脚を組にしたものをペースといい、対角の脚を組にしたものをトロットといいます。
ペース トロット バウンド

ギャロップは最も高速な移動パターンで、対角の脚に接地が移っていくトランスバース・ギャロップと、回転方向に脚の接地が移っていくローテートリー・ギャロップの2種類があります。 ネコのギャロップは前脚が地面からはなれた後に遊脚に移るのに対して、 ウマのギャロップは前脚の離地から遊脚相に入るといった違いもあります。

キャンターはギャロップが遅くなった場合に分類することができます。

以上が四足動物の代表的な歩行パターンです。 ここで、動物がどのようにして歩行しているのかをを知るために、動物の歩行について少しだけ掘り下げてみます。

動物の歩行の特徴

特徴1

動物はそれぞれいくつか固有の歩行パターンをもっており、どの歩行パターンをとるかは歩行速度によって決まります。 これは、個体の大きさや脚の機構により筋が作らなければならない力やエネルギーによるところが大きいと考えられています。

特徴2

歩行速度が増すと各脚が接地している時間が短くなります。 しかし、遊脚の時間はほとんど変化しません。 これは、遊脚時間が個体によって決まっていることに起因すると考えられています。生物学的には、このような動作速度によらず一定となる要因を関係不変項といい、リズムの自己組織性に重要な役割を果たすと考えられています。

特徴3

動物の歩行は、歩行速度が連続的に変化するのに対し、歩行パターンの変化は不連続です。 歩行パターンはある速度を境に、一つのパターンから別のパターンに突然変化すします。これは、単位移動距離あたりの消費エネルギーにより説明がなされています。 歩行速度に対してどの歩行パターンをとれば消費エネルギーが最小になるか、これにより歩行パターンが切り替わるものと考えられています。

動物の歩行パターン生成の仕組み

つぎに、先ほど見てきたような歩行パターンを動物はどのように生成しているのかについて見てみましょう。

リズムジェネレータ

歩行は周期的なリズムの運動です。  このリズム生成の基本回路は脊髄にあると考えられています。 この考えを支持する実験としては、除脳ネコや中脳ネコをトレッドミル上で歩かせた実験が有名です。 この脊髄にあるであろうリズムジェネレータは、CPG (central pattern generator) と呼ばれています。

感覚フィードバック

脊髄のCPGは筋活動のリズム生成のみに関与している(と考えられています)。そして、実際の筋活動は、感覚のフィードバックが歩行パターンの推移と歩行周期の切り替えに重要な役割を果たしていると考えられています。 また、感覚フィードバックは反射回路の切り替えも行っていると考えられています。

以上のような動物学的観察の結果を応用し、数理モデルを用いて歩行パターンを生成したり、神経回路を数理モデルで構築し、歩行ロボットの制御に応用するような研究もなされています。

CPGについて


神経振動子の数学モデル、パラメータの決め方


第5講  ロボットの歩行パターン

今回は4脚ロボットで使用される歩行パターンについて見てみましょう。 動物の歩行パターンを真似して作ったものもありますが、その動きが理論的に考えてなぜ良いのかについても説明します。

クロール、間欠クロール
左右揺動トロット、間欠トロット
ペース、バウンス、
ギャロップ
基準側行歩容、基準旋回歩容
抱え込み歩容
台形歩容
自由歩容

四足移動ロボットの代表的な歩行パターンには、以下のようなものがあります。

動物の歩行パターンをそのまま取り入れたもの

動物の歩行パターンに改良を加えたもの

前進以外の歩行パターン

パターンの決まっていないもの

では、これらの代表的な歩行パターンについて、簡単に見ていきましょう。

クロール歩容 ( crawl gait )

クロール歩容は、図に示すような四足動物の低速歩行時に見られる歩行パターンです。 クロール歩容の特徴としては、

などを挙げることができます。 四足移動ロボットの歩行パターンではこのクロール歩容が最も広く用いられています。

トロット歩容 ( trot gait )

トロット歩容は、図に示すような中速度の歩行時に見られる歩行パターンです。 トロット歩容の特徴としては、

などを挙げることができます。 トロット歩容は静力学的には不安定ですが、転倒しようとする方向の脚が次の支持脚となるため、動力学的な安定化制御を行わなくとも歩行することは可能です。

ペース歩容 ( pace gait )

ペース歩容は、図に示すような中速度の歩行時に見られる歩行パターンです。 ペース歩容の特徴としては、

などを挙げることができます。歩行には動力学的な安定化制御が不可欠です。

バウンス歩容 ( bounce gait )

バウンス歩容は、図に示すような中速度の歩行時に見られる歩行パターンです。しかし、バウンス歩容は厳密な意味では「歩行」ではなく、「走行」に分類するほうが妥当かもしれません。  bounce は「飛び跳ねる」という意味であり、4脚すべてが空中に浮き上がる時間が存在します。そのため、バウンス歩容で歩行する際には、動力学的な姿勢制御が不可欠です。

間欠クロール歩容 ( intermittent crawl gait)

四足歩行ロボットがクロール歩容を用いて歩行する際には、支持脚三角形が後ろから前へ切り替わる時点で安定余裕が著しく低下するという問題があります。 この問題を解決するため、静的安定性を最大化するように設計されたのが間欠クロール歩容です。 この歩容では、できるかぎり胴体重心を支持脚三角形の中の安定性の大きくなる位置に静止させ、その状態で1脚を遊脚運動させます。 そして、4脚支持になったときに、重心を次の支持脚三角形の中の安定余裕がもっとも大きくなる位置に移動させます。 その結果、重心はジグザグな移動軌跡を描きながら前進していきます。

拡張トロット歩容

動歩行であるトロットは、静歩行であるクロールと整合性が良いという特徴を持っています。 そこで、歩行速度に応じて接地率を変化させ、クロールからトロットまでを連続的に変化させることができるよう設計されたのが拡張トロット歩容です。 この歩容では、接地率が0.75を下回り、2脚支持の状態となる歩行速度では、ZMPが支持脚対角線上に乗るように胴体重心の軌道を計画し、動力学的な安定化を図って歩行します。

間欠トロット歩容 ( intermittent trot gait)

拡張トロット歩容には、脚運動が高速化した場合に振動が大きくなってしまうことや、動的安定化のための重心軌道計画が複雑であるなどの問題点がありました。 そこで提案されたのが、低速歩行時にはクロールではなく4脚支持の期間を長くする間欠トロット歩容であす。 この歩容は、全方向への並進、回転移動を行いながらの動的安定化についても取り扱っています。

側行歩容 ( crab gait )

胴体の前方に対して、側行角αをなして歩行するクロール歩容を側行歩容といいます。 クロール歩容は進行方向に応じて図のようにX型、逆X型、Y型、逆Y型の4つに分類できます。 これらのクロールの型が切り替わる側行角を臨界側行角といいます。

循環歩容 ( rotation gait )

胴体重心が旋回中心に十分近いような旋回時には、循環歩容によるその場旋回を用いると、常に静力学的安定を保ったまま旋回を行うことができます。 循環歩容では、遊脚運動が旋回方向と同じ方向に移っていきます。

自由歩容 ( free gait )

通常の定型的な歩行パターンに分類することのできない歩容を一般に自由歩容といいます。 自由歩容は決まった遊脚順序や接地率、遊脚化のタイミングを持たないため、運動効率的には定型的な歩行パターンに劣りますが、決まった順序で脚を着地できないようなランダムな不整地などでは、その実力が発揮できるものと期待されています。

台形歩容

斜面を移動するときに使用。

抱え込み歩容

歩行と言うより匍匐(ほふく)? 棒をよじ登るような感じ。

4脚以外の他脚移動ロボットの歩行パターン

2足静歩行、2足動歩行
抜き足差し足忍び足。


3脚
5脚
6脚 ウェーブ、トライポッド
8脚はどうやって歩くのかな?

脚の数が増えるほどパターンの数も増える!?

どの脚をいつ持ち上げて、いつどこに下ろすべきなのか? 周期、タイミング、


 (第2部 ハードウエアとその制御)


第6講  脚機構

脚機構が満たすべき要件
アクチュエータ
各種リンク機構の特徴
消費エネルギーの低減、
GDA

脚機構が満たすべき要件

脚移動ロボットにおける脚の役割は、胴体を支えつつ進行方向に移動させることです。 そして、胴体を支える役目を終えると、脚は先端を空中に浮かせて進行方向に運ばれます。 このような役割を果たすために、脚機構は以下のような要件を満たすことが望まれています。

しかし、これらの諸要件を全て満たす脚機構の考案は困難で、場合によっては相反する条件となることも少なくありません。 ですから、脚機構を設計する場合は、上記の要件をできる限り満たしつつ、その歩行ロボットの使用条件に合うよう、機構を選択/設計する必要があります。

アクチュエータ

アクチュエータとは力(またはトルク)を発生する装置のことです。 一般的に、ロボットのアクチュエータとしてはDCモータが数多く使用されています。 DCモータはエネルギー効率が高く、速度が制御しやすいからです。 しかし、大型のロボットでは出力/重量比の大きな油圧シリンダーの方が多く用いられています。ごくまれにでは、空気圧シリンダーや形状記憶合金なども用いられることもあります。

DCモータの仕組み、特性、DCサーボモータの特徴

ACモータの仕組み、特性、ACサーボモータ

ステッピングモータは精密な位置決め制御が可能だが、出力/重量比が小さいため、負荷が大きい関節には適さない。

油圧シリンダ、空気圧シリンダ
油圧シリンダは応答速度は遅いが、大きな力を発生できる。 保持力も大きい。
空気圧シリンダは応答速度は速いが、位置決め制御等が苦手。

エンジンを利用する?

即応性、保持力、効率、価格、電源か燃料、連続駆動時間、発熱、

直動のアクチュエータを脚移動ロボットに使用すると、関節の可動範囲が小さくなってしまうので、設計には注意が必要。

直動関節は回転関節と違い、縮めても場所を取らないので、狭い場所で有利。

代表的な脚機構

回転関節連続型

図のように、回転関節を胴体から順番に接続したものを回転関節連続型といいます。機構的に単純で、脚先端を3自由度に制御することも容易ですが、支持脚相で直線を描く際に3つの関節すべてを駆動しなければならないため、エネルギー消費が大きく、アクチュエータに負荷がかかりやすいという欠点もあります。

伸縮型

図のように、直動関節を用いたものを伸縮型といいます。油圧シリンダーやリニアモータなどを用いたときに構成しやすく、伸縮により脚長が変化する脚全体を垂直面で旋回させる機構を持つという特徴があります。

膝関節型

図のように、四足哺乳類の脚に似た、膝関節のある形式を膝関節型といいます。これも機構が簡単であり、脚先端の到達範囲も広いのですが、負荷容量が小さく、直線を描く制御が複雑であるという欠点もあります。

平行リンク型

図のように、電車のパンタグラフのような機構を用いたものを平行リンク型といいます。アクチュエータの動きと脚先端の動きが1対1に独立して対応しているため、非常に制御が簡単です。 また、支持脚相では水平方向に駆動するアクチュエータを駆動し、垂直方向に駆動するアクチュエータをホールドしてやれば、歩行ロボットの胴体の重さを支えるエネルギーが不要となり、支持脚相でのエネルギー消費が極めて少なくて済みます。 現在では、多くの四足歩行ロボットがこの平行リンク機構を採用しています。

3次元平行リンク機構

リンク機構のほとんどは2次元の機構ですが、 3次元を歩行するためには3次元の機構が必要となります。 そこで2次元の平行リンクを3次元に拡張した機構が図の3次元平行リンク機構です。 この3次元平行リンク機構においても、アクチュエータの動きと脚先端の動きが1対1に対応しているため、制御が極めて容易です。  しかし、実際の設計では機構がかなり複雑になり、また、リンク機構であるため、横方向の剛性が低いといった欠点もあります。

GDA ( Gravitationally Decoupled Actuation )

脚移動が車輪移動やクローラ移動に劣ってしまう原因となる最も大きい問題点が、エネルギー効率の悪さです。一般に、脚移動ロボットはただ立っているだけでも自重を支えるのにアクチュエータのパワーが必要になります。そのため、ただ水平に移動するだけでも、車輪やクローラに比べて脚は自重を支える分だけ余計にエネルギーを消費してしまうのです。

この問題点を解決するために、GDA( Gravitationally Decoupled Actuation )という考え方が提案されています(※)。GDAは、重力方向の駆動系と、重力方向と直行する方向の駆動系を分離した脚機構を用いようという考え方です。重力方向のアクチュエータには十分高い減速比を用いるか、セルフロック機構を有するかして自重を支えれば、水平方向のアクチュエータの出力だけで推進動作が可能となり、余分なエネルギーの消費を抑えることができます。

※ 提案はされていますが、GDAを考慮した設計になっているロボットはまだまだ少ないようです。


第7講  サーボ系の位置制御

フィードバック制御の基礎
古典制御理論、現代制御理論、ロバスト制御理論
PID制御
DCサーボモータの位置制御
PWM制御
センサ、ポテンショメータ、ロータリーエンコーダ、タコジェネ
ステッピングモータによる開ループ制御

関節角度を制御する(サーボ系による位置制御)

脚はロボットアームの一種です。 ロボットアームの制御を行うために、まず、駆動装置(アクチュエータ)の制御について、 DCモータの位置制御を例に取り上げて説明します。 DCモータの位置制御が可能なれば、ロボットアームの関節角度を制御することは容易となるでしょう。

出力が機械的位置であるフィードバック制御系をサーボ系といいます。図に、入力軸の動きに対して制御物体の位置を追従させる簡単なサーボ系の例を示します。

これをもう少し概念的な図に直すと、以下のようになり、さらにこのサーボ系をブロック線図で表すと図のようになります。

さらに周波数領域における入出力比からこの系の伝達関数を求め、安定を保ちつつ、ステップ入力に対する応答が速くなるよう、増幅器の直流ゲインを設定することで、サーボ系の良好な応答を得ることができるようになります。

PID制御  比例、積分、微分

PWM制御 DCモータは扱いやすい。 電圧と回転数が比例し、電流とトルクが比例するから。 しかし、入力電圧を変化させるのは効率が悪くなる元。 電圧降下分が熱になってしまうから。 ロボットではモータに大きな出力トルクが要求されるため、モータが大型になり、消費電力も大きくなる。

 どれくらいのモータだと、どれくらいの熱になるの? 具体的な数字で。モータドライバの効率化。パルス駆動方式。 

PWM制御が広く使用されている。 モータのインダクタンスはエネルギーを蓄える。 ついでにHブリッジ回路も説明。

位置決め制御に適したモータ

正逆転を繰り返すという、過酷な使い方
電気的、機械的時定数が小さいこと。 慣性モーメント(イナーシャ)が小さいこと。モータのカタログを見ると、位置決め制御用と書いてある。

位置制御に必要な必要なセンサ

ロータリーエンコーダ、タコジェネレータ、ポテンショメータ 仕組みと特徴

ステッピングモータによる位置決め制御

DCモータと違って、パルス数により回転角度が決まる。 静止トルクが大きい。 加速・減速時には速度変化が連続したカーブを描くように制御しないと脱調してしまう。 結構重い。 精密な位置決め制御は向いているが、歩行ロボットの脚には不向き。


第8講  運動学と動力学

ロボットアームの運動学

 今回と次回は、歩行制御に必要なロボットアームの制御について学びます。
一般的なロボット工学の教科書を読むと、ひたすらロボットアームの制御について書いてありますね。 特に座標変換あたりは、こんなことが歩行に必要なんだろうか? と疑ってしまいます。 そんな感じで、歩行制御をしたいみなさんはロボットアームの制御には興味が無いから、読むだけ無駄だと思ってしまう(笑) 
でもよく考えてみてください。 胴体からロボットアームを4本生やしたら、立派な4足歩行ロボットができますね。 

脚の先端を狙ったとおりに動かしたい。 しかし、関節がどのように動いたら脚先端がねらいどおりに動くのか計算の仕方を知らない。 
その答えが、ロボットアームの逆運動学と軌道追従制御。
ロボットアームの運動学は、関節変位とリンク先端位置との関係を導く。 
順運動学は関節角度からアーム先端の位置を求める。 逆運動学はアーム先端の位置から関節角度を求める。
ロボットアームの軌道追従制御では、計画した軌道に沿ってアーム先端を動かす。

 歩行に最低限度必要な部分(運動学と軌道追従制御)をロボットアームの制御から抜き出して学び。
静力学関係についても。
余裕があったら、ついでに動力学についても学ぶ。

下準備:ベクトルと回転

ロボットは3次元の空間で動きますから、3次元でモノを考えられるように3次元ベクトルを用いて表現することにします。 以降、ベクトルを扱う空間は図のような右手系とし、右手の親指、人差し指、中指をそれぞれ直行させて開いたときの人差し指をx軸、中指をy軸、親指をz軸ととることにします。 x、y、z方向の単位ベクトルはそれぞれ、ijkとします。
(注: ベクトルは小文字のボールド体+イタリック体で表記するものとします。)

ベクトルの演算

ベクトルとベクトルの和(差)、
ベクトルのスカラ倍、
内積、外積
外積は3次元ベクトルでしか定義されない。

ベクトルの微分、積分、行列の微分、積分

脚の姿勢を制御する(順運動学)

サーボ系の制御が可能になり、各関節の角度が制御ができるようになると、複数の関節角度を同時に制御することで脚の姿勢が制御可能となります。 関節角度からアーム先端の位置を求める計算を順運動学といいます。

話を簡単にするために、図のような2次元2自由度ロボットアームを考えてみましょう。

 図のようなロボットアームの関節角度と脚先端の位置には、式 のような関係があります。

(式 順運動学)
p_x = L_1 cos(θ_1) + L_2 cos( θ_1 + θ_2 )
p_y = L_1 sin(θ_1) + L_2 sin( θ_1 + θ_2 )


これを一般的な式で表せば、
(式 )p = f(q)
のようにも書くことができます。

この式に関節角度を代入することで、実際のロボットアームに関節角度を入力した場合のアーム先端の位置を求めることができます。

微分関係

さらに、関節の角速度からアーム先端の速度を求めるには、式 の両辺を時間で微分し、

(式 )
dp_x / dt = -L_1 sin(θ_1) dθ_1/dt - L_2 sin( θ_1 + θ_2 ) ( dθ1/dt + dθ_2/dt )
dp_y / dt = L_1 cos(θ_1) dθ_1/dt + L_2 cos( θ_1 + θ_2 ) ( dθ1/dt + dθ_2/dt )

とします。 

この式をもう少しまとめると、

dp_x / dt = {-L_1 sin(θ_1) - L_2 L_2 sin( θ_1 + θ_2 ) } dθ_1/dt - L_2 sin( θ_1 + θ_2 ) dθ_2/dt
dp_y / dt = { L_1 cos(θ_1) + L_2 cos( θ_1 + θ_2 ) } dθ_1/dt + L_2 cos( θ_1 + θ_2 ) dθ_2/dt

dp / dt = J(θ)・ dθ/dt

このとき、係数行列 J(θ)を
(式 ヤコビ行列)
のようにまとめたものをヤコビ行列といいます。

ヤコビ行列は関節の変化率とアーム先端の変化率の関係を表しています。

ヤコビ行列の数学的な意味、力学的な意味
静力学関係

脚ロボットのモデル化、座標系の設定

代表的な脚モデルの運動学式とそのヤコビ行列

脚にかかる力を試算してみよう!

脚先端の位置を制御する(逆運動学)

逆運動学を解く、解析的に解く、数値計算による解法(ニュートン・ラフソン法)

順運動学は関節角度からアーム先端の位置を求めるものでしたが、その逆に、アーム先端の位置から関節角度を求めることも、しばしば必要となります。 この、順運動学の逆計算を逆運動学といいます。一般に、順運動学は一意に求まりますが、逆運動学は一意に求まるとは限らないため、逆運動学の計算は順運動学の計算より複雑です。逆運動学を幾何学的に解くのは多くの場合に困難です。ここでは、数値計算の繰り返しにより逆運動学を解く方法の一つとして、Newton-Raphson法を紹介します。

Newton-Raphson法は、先ほどのヤコビ行列を用いて、
(式 )

(式 収束条件)
となるまで繰り返し計算するものです。一般に逆運動学の式は多価関数であり、この繰り返し計算によって得られる解は、初期値に依存します。
(注: Newton-Raphson法は、関数の零点を求める Newton法の、方程式への応用です。)

Newton法について
例題など


第9講  軌道追従制御

一般的なロボットアームの軌道追従制御

軌道計画

逆運動学の繰り返し計算による軌道追従
分解速度制御
分解加速度制御
関節空間ベースの軌道追従制御、計算トルク法

脚ロボットにおける脚先端の軌道計画と軌道追従制御

どのような脚先端軌道が好ましいか?
脚が着地するときは、できる限り滑らかに着地すること。 激しく着地すると、胴体に衝撃が伝わる。 姿勢が狂いやすい。
加速・減速が滑らかであること。 アクチュエータへの負担が少なくて済む。


第10講 歩行の実現

静歩行

ロボットのモデル化 胴体中心座標系
静的安定の条件、支持脚多角形内に重心を落とす

クロール歩容と循環歩容の実現
デューティ比、歩行速度、安定性

動歩行

4脚ロボットのロボットの動力学モデル

動的安定の条件 ZMPを支持脚対角線上に乗せる(ZMP規範型)
左右揺動歩容を参考に。

よくモデル化の際に「脚の質量を無視する」といったことを行うが、本当にそれでいいの?
脚の重さを考慮した場合のモデル
脚の重さを無視した場合のモデル
重心位置の差はどうなるか?

ちょっとだけ。
脚は軽いほうが良いのか、重いほうが良いのか?
重いほうが良いという見方・・・胴体を軽くすれば、その分だけ立脚時の各関節にかかるトルクが軽減する。
軽いほうが良いという見方・・・脚が重いと脚を素早く動かしたときに反動が大きくなってしまう。
それは機構と制御法によって変わること。


 (第3部 歩行制御プログラムの構築)


第11講 全方位歩行

静歩行 クロール歩容と循環歩容の遷移
動歩行 トロットによる全方位歩行

間欠トロット歩容、対角にある2脚を一組としてその中点を仮想接地脚とする。 ZMP規範、フィードフォアワード制御


第12講 不整地歩行

定常的なパターンが使えない環境でいかにして歩くか?
基準収束型適応歩容という考え方
自由歩容とは?
ルールベースの自由歩容
最適化計算手法による自由歩容

不整地の例  階段

段差をどうやって認識するか? カメラで画像を取り込む? 環境認識技術が問題。 あらかじめマップを与えてしまう方法が最も手っ取り早いが、マップと実環境とのずれをどうやって補正するかという問題もある。 あらかじめマップを与える方法では、未知の環境を歩行することが出来ない。

段差を認識するためのアイデア、
その1 ヒゲセンサ TITAN-IVで使用された。 ヒゲセンサの図。 ロボットは脚を持ち上げて前方に移動する。 脚を前方に移動している最中に脚先のヒゲセンサが横方向の接触を検知したら、それは段差なのでもう少し脚を高く上げる。横方向に接触しなくなったら所定の位置まで脚を前に出してから下ろす。ヒゲセンサが縦方向の接触を検知することで着地を確認。 動きとしては、目をつぶって脚で段差を探りながら階段を上るような感じになる。

アイデアその2  ヒゲセンサを非接触の距離センサに置き換える。 いちいち接触しなくて良いので、もっと高速に段差を検知できる。 このやり方はもうやられているかもしれないし、やられていないかもしれない。 そういう事例を少なくとも私は知らない。 欠点は、脚に汚れがつくような野外では距離センサの値が信用できなくなる危険性があるので使用できないということ。

階段の傾きが大きいと、重心の水平面への投影点がずれるので安定余裕が確保しにくい。 台形歩容を用いると良い。


第13講 歩行制御系の構築

操縦型、完全自立型
トップダウン、ボトムアップ
階層制御、
認知、判断、行動

システム設計、アプリケーションを考えて必要なスペックを見積もる。 使用する環境、目標とする作業の精度を設定、目的を達成するのに必要な構成要素を割り出す。 5W2Hにしたがって。 (開発期間や開発コストも見積もるの?)

例えば地雷撤去用ロボット。

What ? (何をするのか?) 地雷を撤去する
Who ? (だれがやるのか?) 地雷撤去用4脚歩行ロボット
Why ? (なぜそうするのか?) 人間が地雷撤去作業を行うのは危険を伴うので、ロボットに肩代わりをさせたいから。
Why 2 ? (なぜ4脚歩行ロボット?) 車輪型やクローラ型では、誤って地雷を踏んだ場合にロボットの胴体ごと破壊してしまう恐れがある。 それに対して多脚型であれば地雷を踏んだ脚が1本破壊されるだけで済み、残る3本の脚で帰還できる。 また、脚を地雷探知・撤去作業用のアームとしても使用できるので、多脚式が有利。
Where ? (どこで使用するのか?) 野外、荒地、草むら、地雷が撒かれている地域
When ? (いつ使用するのか?) 地雷撤去を行うとき。 昼間、安全確認ができる時間帯。 夜間や雨天時は使用しない。
How ? (どうやって実現するのか?) 防塵、防爆仕様にする。
How many ? How much ? How much cost ? How long ? How big ? etc.

 アーキテクチャ 

オープンアーキテクチャ


有名な研究事例における歩行制御系の構造
OSU−HEXAPOD、PEGASUS


 (第4部 研究動向と今後の課題)


第14講 最近の研究動向

学会発表や論文集から近年の4脚研究の動向を知る

神経系を模してCPGを構成し、これを歩行に応用する研究は電通大ががんばって継続研究している。最近は阪大も。

東工大・広瀬研のロボットたち

先にも紹介したTITAN-V、ローラーウォーカー。 研究用プラットフォームTITAN-VIII。 壁や天井を登れるNinja、省自由度のHYPERION、


第15講 実用化に向けて

最近の研究動向
ソニーのAIBO、ロボカップサッカー
対人地雷除去

未解決の課題
稼働時間の向上、アームとの協調、走行、環境認識(車輪型やクローラ型でも同じ問題点がある)

アプリケーション? 歩行である必要性は?

キラーアプリが無いのが現状。千葉大の地雷撤去ロボット?

目標を設定するにあたり、それを必要としている人たちにアンケートをとる事が大切。 これが抜けると単なる自己満足になりがち。 せっかく作っても何の役にも立たない、実用化されない、といったことになる。 何の役に立つの? それは本当に必要とされているの? その性能で目標が達成できるの? これらはよく質問される事項。 アンケートをとっておくと、集計結果から具体的な数字で必要性を主張できるし、どんな機能を盛り込めばよいかも把握しやすい。

歩行ロボットの研究は、長い年月を経ても今なお創成期にあります。そのため、体系化された教科書のような書物がほとんど無く、実用に向けての道のりは長いのです。

近年の研究動向としては、 ここ数年、2足歩行ロボットではホンダや早稲田大学をはじめとする数多くの研究が活発に行われている一方で、多足歩行ロボットの研究発表は比較的少なくなってきたようです。 本解説のメインである四足移動ロボットでは、脚移動研究用のプラットホームが開発され、従来は機構の設計から行わなければならなかった脚移動研究への垣根が低くなっています。

歩行ロボットはその対地適応性の高さが期待されていながらも、いまだ実用化の光は見えていません。 しかし将来的には、災害現場や惑星探査から人間が生活している空間まで、幅広い分野で活躍することでしょう。


講義を終えて

歩行の教科書が欲しかった。 しかし、そんなものは無いらしい。 あるのは研究事例ばかり。 これから歩行の研究をはじめようとする人にとってはいきなり論文を読むというのはハードルが高い。 適当な入門書が無いなら私が書いてしまえばいいのだ! と大胆不敵な試みをしてしまった。 

はじめは私が学んだことを忘れないための覚え書きとして、それが研究室の後輩の役に立てばよかろうと思って書き始めたものがいつまで経っても完成せず、そうしているうちに大学院を修了してしまって、4脚移動ロボットから離れてしまった。

ロボットにかける想い、夢
脚移動ロボットは本当に必要なのか?
人型じゃなくてもいいじゃないか! インターフェイスの問題

具体的な設計の話が抜けた。 ハードウェア構成とか。


その他のメモ

コーヒーブレイクみたいなものを入れたほうが良いかな。

移動ロボットと座標系

移動ロボットは座標系をどのように設定するかが大きな問題。絶対座標を床に置くか、ロボットの重心位置に座標系の中心をとるのが常套手段。

サブサンプション・アーキテクチャについて

索引や用語集も欲しい。

歩行を勉強しようとすると、知らない専門用語が沢山出てきて困る。 専門用語に押しつぶされて、勉強する気が萎えてしまう。 専門用語を調べようとしても、その用語が載っている辞書がまず無い。 なぜなら、歩行ロボットの専門家の間でも用語の統一がなされていないというのが現状だから。 例えば、「歩容」と言った場合、人によっては脚を上げる順序(遊脚順序)を指したり、遊脚順序に脚を上げるタイミングを加えたり。また別の人は各脚の接地率と位相差の組み合わせを歩容と言ったり。(ロボット工学ハンドブックでは、「脚の浮かせ方の順序やそのタイミングなどについての歩くパターン(p. 353)」と定義されている。)

個人で4脚ロボットを作っている人たち
ラジコン用サーボモータをマイコンから制御

センサ系の話が抜けた。 

ロボットの状態を知るための内界センサ
姿勢を推定するためのジャイロスコープ、加速度センサ、ジャイロの種類、振動ジャイロの特性

環境を認識するための外界センサ

(歩行ロボットに限らない話。)赤外線による測距センサ、超音波測距センサ、圧力センサ、レーザーレンジファインダ

カメラを用いた画像認識による環境理解

ステレオカメラによる距離計測、ランドマーク認識、

実時間制御のためのプログラム設計指針

ロボットは総合技術  歩行理論、機構設計・制作、制御回路設計・制作、制御ソフト設計・制作

最近は車輪やクローラでも階段を登れるようになってきた。