罠 正津 勉
あれは何という鳥だろう
そのとき踝を脅かせたかと
ばさっと奇怪な羽音をばさっと
どこへやら掻き消えていた
いやもうずっとどれほど
こうして歩きづめに歩きぱなし
なのになんだってまたもや
登り返しの繰り返し
そんなことはありえない
もうよほど遠く来たことになる
ぜったいにあるはずがない
そうだが待てしばし
いやこの途からして
そもそもが誤りだったり
して目の前に緞帳が落ち掛かる
ぐあいに真っ暗らくらに
いったい辿り着けるのか
空はとみると鉛のだんだら
頭を圧してどんみりと密に曇り
ただひどく寒くひもじく
一歩そしてまた一歩
あたかも鎖の玉に急かされ
地獄の底へそこへと下る亡者
さながら跫音もうつろ
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