足跡

オリンピックゴールドメダリスト ヤグディンファンの Ryoさんが遊びに来て下さいました。単なる通りすがりの私の浅い見方と、心からのファンで さまざまな知識情報を持ち演技の背景を知った上で観戦しているRyoさんならではの見方との交 錯が面白く、物事を見る時の重要なヒントを与えて下さっていると思いました。了承を得て転 載させていただきます。(多少の編集をしています)

オリンピックでの演技はやはり大事をとって大切に滑りすぎの感が ありますよね?(あや)

でもね、私はあのオリンピックの「仮面」は全く無駄のない最高の演技だったと思うのです。 確かにあのとき、プルシェンコはショートプログラム(SP)でこけていたから、ヤグディンは 冒険しなくても失敗さえしなければ金メダルという位置にいました。だがら戦略を考えながら滑 る必要がなかった分、彼はプログラムになりきることができたと思うのです。あの年度彼は様々 な大会で「仮面」を滑っているけれど、やはりオリンピックの演技は抜群に胸を打つ。あの時の彼 は無心です。透明です。勝つことも考えていない。負ける事も考えていない。ただただ氷を滑った。 アレクセイヤグディンは消えて「仮面の男」になりきった。そうとすら思えるのです。オリンピック 最終滑走者だった彼の演技直前のbackstageでの映像があります。精神統一している横顔の美しさ。。 ボロボロの映像からですら漂ってくる冒しがたい静謐、神の領域に近づこうとするものの高潔。。 この映像を見るたびに自然と頭をたれてしまう、私です。アヤさんに回したvideoには他の競技会の 「仮面」が入ってたでしょう。あちらのほうが確かにのびのびと溌剌と滑っていますね。プルシェンコが いない大会だというのがすぐにわかります。演技中にカメラを意識していることが見て取れるし。ショー で滑っているような気楽さです。

別のスポーツ選手が言ってたのを聞いたことがあるのですが、オリンピックで メダルをとるというのは神が乗り移ったときだと。 あの時の彼はまさにそんな感じ でした。21歳とは思えない近寄りがたい威厳を放ってました。彼の真骨頂は闘う ところにあると思うから、彼の引退を受け入れるまで私にはまだ時間がかかりそ うです。

彼を良く知るnativeが ”He is really really competitive."と表現していました。 そういう激しい気性のヤグディンが、そしてトリノでもう一つの金メダルを目指して いた彼が引退を決断するまでどれほどの葛藤があったのか。。それを考えると、 あの引退「メモリアル」から彼の慟哭が私たちファンには聞こえてくるのです。(Ryo)

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