高橋 尚子 (たかはし なおこ) ・ 女子マラソン

『Qちゃん』
入社時にオバケのQ太郎の形態模写をして以来、彼女についたニックネームだ。
彼女とは・・・
そう、女子マラソンのエース、高橋尚子(たかはし なおこ)。
1972年5月6日生まれの28歳。
97年1月の大阪国際でマラソンデビュー、2時間31分32秒で7位になる。
その後、98年3月8日の名古屋で2時間25分48秒で優勝すると(当時の日本最高記録)、その年の12月6日のアジア大会で2時間21分47秒の驚異的な日本新記録で優勝。
そしてシドニーオリンピックの代表選考レースとなった00年3月12日の名古屋で2時間22分19秒のタイムで優勝し、エース健在をアピールした。
以上が彼女のマラソン経歴である。
シドニーでライバル視されているシモン(ルーマニア)が24レース、ロルーペ(ケニア)が15レースを経験しているのに比べ、彼女のそれはたったの(?)4レース。
大丈夫なのか・・・???
もちろん、大丈夫なんです。
Qちゃんの最大・最強の切り札、『ハイスピード・ロングスパート』があれば!!
シモンの武器はレース後半の驚異的な頑張り。
それは、彼女の最愛の夫(兼トレーナー)との二人三脚によって生まれる。
しかし、高橋の前半でのロングスパートに無理してでも着いてくる彼女は、ペースを乱され30km近辺で脱落するであろう。
ここからはロルーペとの一騎打ち(もしくは山口を交えての三つ巴)。
35km過ぎ、ここで2度目の『ハイスピード・ロングスパート』。
普通なら着いていくスタミナが残っているはずのロルーペ(世界記録保持者)だが、何故か徐々に引き離される。
何故・・・??
今回マラソン以外に10000Mにもエントリーしているロルーペは、その無理がたたって体調万全とはいかないはず。
ここで徐々に遅れだすロルーペは、その後山口にもかわされることに。
そして高橋はそのままのハイスピードを維持しながら、2時間22分代前半のタイムでゴール。
オリンピック公園にとびっきりの『Qちゃんスマイル』を振りまくことになるだろう。
では、彼女に死角はないのか??
ない!!
そう言いたいところだか、唯一あるとすれば、168cm・48kgという細身の身体からしぼり出される驚異的なパワー。
そのパワーが仇となった場合、『故障』ということもありえない話しではない。
しかし、数度にわたるコースの試走をこなした彼女はコースの隅々まで知り尽くしている。
勝負所もすでに頭に入っているはず。
無理なスパートなどは仕掛けるはずもないであろう。
9月24日(日)、朝の7:00スタートの女子マラソンから目が離せない。
そして9時22分、歴史的な1ページを目撃することになるのは間違いないであろう。


『5分悩む時間があったら、その時間で腹筋50回やった方が良い。』
ん〜、深い言葉だぁ。
先のことを心配して悩んでいても何も解決しない。
それよりも、その時間を今できることに精一杯頑張った方が良い・・・
そういうことだよね。


9/24 テレビ朝日(10) 6:45〜


                       



高橋尚子、日本陸上女子初の金メダル獲得!!

ロルーペ、高橋、山口と、前半から積極的に飛ばしていく有力選手がハイペースでレースを引っ張り、シモン、市橋、ロバがどこまで粘って食い下がれるか。
そんな展開を予想していたのだが・・・

レースは予想外のスローペースで始まった。
そしていきなり2つのハプニングが起こる。
まずひとつは山口選手が最初の給水所での転倒。
これでリズムを崩さなければ良いが。
そしてもうひとつは、優勝候補筆頭と見られていたロルーペが、スローペースにもかかわらず早々と集団から遅れていたのだ。
彼女は高橋と最後までデットヒートを繰り広げるのかと思っていたが・・・

大集団でのこう着状態がしばらく続いていたが、、17km地点で動きが。
満を持して高橋がペースを上げたのだ。
(17km〜21kmで調子が良ければスパートする予定でした)
このペースアップについて行けずに続々と脱落者が。
そして高橋、市橋、シモンの3人の先頭争いとなる。

3人の中で常に先頭でペースを作っている高橋の足取りは快調。
『タンポポの綿毛のようにふわふわと』、まさしくそんな感じだ。
27km付近、ついに市橋が遅れだす。
これで高橋、シモンのマッチレースに。

両選手とも快調に飛ばし、後続を引き離していく。
そしてまたもや高橋が動いた。
35km手前、高橋はそれまでかけていたサングラスを投げ捨てると、満を持してスパート。
(32km〜37kmで、最後のスパートを欠けようと思っていました。)
食い下がるシモンだったが、徐々に差は広がっていく。
小気味良いピッチを刻みながら逃げる高橋、粘りが身上のシモンが必死に追いつこうとする。
そして二人の差は200m以上になった。

40km地点、それまで一度も後ろを振り向かなかった高橋が、ついに後ろを振り返る。
高橋、さすがに苦しくなってきたのか。
(40kmを過ぎると、足が動かなくなってきていました)
シモンもジワジワと差を詰めだしている。
高橋、再び振り返る。
(レースは短く感じましたが、40kmを過ぎてからは『早く終われ』という気持ちでした)
さっきよりも確実に差は詰まってきている。
いっぱいいっぱいで逃げる高橋、脅威の粘りで追走するシモン。

ついに競技場内へ。
大歓声に迎えられ、高橋が走る。
(この瞬間を味わいたくて、今まで頑張ってきました)
そして100m後ろからシモンが追ってくる。
残り500m。
必死に逃げる高橋、追うシモン。
素晴らしい戦いだ。
(オーロラビジョンの映像を見て、はじめてシモン選手が追ってきている事に気がつきました)

高橋、4コーナーを回り、最後の直線に。
後ろを振り返る。
そこにはシモンの姿が。

そして感動のフィナーレ。
2時間23分14秒のオリンピック新記録で高橋がテープを切った。
(自分がこの時代に生きた証を残したかった)
その8秒後には力尽きたシモンがゴール。

日本女子陸上で初の金メダル獲得の瞬間だった。
(金メダルは、応援・サポートして頂いたみんなで取ったものです)

山口衛里は2時間27分3秒で7位(精一杯走ったので満足です)。
市橋有里は2時間30分34秒で15位だった(自分の力のなさを感じました)。

『皆様のご声援に背中を押され、最後まで走ることが出来ました。
本当に楽しい42kmでした。』



高橋選手、金メダル、おめでとう!!