グラインダーマン01 タグチ ヒトシ
現代美術製作所の公演を見たあとでのインタビュー

グラインダーマンHP                    http://grinder-man.com/

<赤瀬川MEETSクラフトワーク>


VOID(以下●)会場でグラインダーマンのTーシャツとか売ってましたよね。

G(以下○)だって欲しいじゃん。(笑)

●グラインダーマンのコンセプトに合ったグッズがあったらおもしろいね。
「グラインダーマン国まんじゅう」とかどうですか?そういえば会場でみんなが座ったあのマルチプルの黒いイスは売れた?

○売れましたよ!

●どんな人が買ったの?グラインダーマンファン?

○グラインダーマンジェリスト!。(笑)ライブによく来ていただく方々です。

●グラインダーマンはファンクラブとかあるのかな?

○ないですよ!

●グラインダーマンの活動として、テレビ以外にこういうギャラリーで発表する
ことは どんな位置づけですかね。

○テレビもそうなんだけど、外からオファーが来るときは、何かの波に乗るということかな。その波に負けないようにがんばっちゃう。で、ギャラリーで自分たちの作品を発表するのは、オファーをがんばっちゃうのとちょっと別だったりしますね。自分たちで立ち上げから最後の掃除まで責任持ってやらなければならない。なにやってもいいわけなんだけど、そのかわりそのためにしなくちゃならない作業は膨大なわけ。でも、生きている限りは走り続けなくてはならないし、走り続けたいのよ。

●なるほど。でもテレビに出ちゃうと今度はCFの仕事とかくるでしょ?

○CFに出てみたいっすね。

●グラインダーをつかったあのパフォーマンスは、筑波大の伝統芸だったんじゃ
ないですか?

○伝統芸というか、宴会芸っぽい。僕は最初はデザイン科だったんだけど、総合造形の学生のたまり場だった部屋によく顔を出していて、「やる?」って言われて。(笑)大学のイベントで追いコンとか新歓とかには必ずなにかパフォーマンスをやってたし。で、僕は卒論はハイレッドセンターだったの。

 

●なるほどグラインダーマンは赤瀬川MEETSクラフトワークだったのか!!
レジデンツは知らないんだよね。

○クラフトワークは好きです。ライブも行きました。そういえば、中学校のときYMOとか聞いてたな。もちろんリアルタイムじゃないですよ。で、「いいものはいい、わるいのもは悪い!」って。(笑)

 

<グラインダーマンは「ボトムス」>


●そういえばスタジオ食堂の最初のスタジオの引っ越しパーティーの時に、明和電機(筑波大学の先輩)を手伝ってましたね。現代美術製作所でやった作品はみんなで考えるの?

○内容については、01、02、03の3人で考える。作業には役割分担もあって、僕(01)は渉外、音楽担当。02は映像、03は鉄で制作というカンジ。

●リハーサルはいつもどこでやってるの?

○今回はほとんど現代美術製作所でやりましたけど、最近は筑波の公民館みたいなところを借りて、6〜10時間集中して練習するようにしてる。

●今回初めてグラインダーマンを見て、これからどんな方向に進むのか可能性を感じるなぁ〜。みんなに言われてることだと思うけど意外にエンターティメント性がないのね?

○「誰でもピカソ」の特番で引田天功さんと共演するんですよぉ。テレビの制作側の仕込みで一回だけの共演かと思ったんですが、天功さんが気に入ってくれて。グラインダーマン的には悩んでいまして。(笑)

●行っちゃえ!(笑)

○98年にビデオを出した時に、プロモーションで明和電機と日本全国を廻った経験があるんだけど、大変で。その時に感じたのは自分たちでプロデュースしていきたいなと。物事が大きくなると自分の範疇を越えて、先がわかんなくなっちゃうから。

●引田さんのような人とドンドンつきあっていけば、つまり現代美術の世界とは違う人とつきあった方がおもしろいことができると思うけどな。変な枠組みにこだわらず。

○僕も結構悩んでたんですけど、メンバーはいいんじゃないって感じで。ステージのプロはパパパッと、決めるのが早い。見ていて、なるほどとそれを盗ん だりと勉強になるしという意見ね。(笑)結果、悩むよりやっちゃえ!って人に言われて。まだ若いし。(笑)

●そうだね、やりなおせるし。(笑)グラインダーマンはまじめだよね。テーマがさ、現代社会の抱える問題云々みたいな。

○老人は俳句つくるでしょ?たしなみですよ、若者が詩を書くというのは。僕の詩作。

●グラインダーマンのHPにも詩が載ってなぁ。ところで「グラインダーマン国」がおもしろくて気に入ったんだけど、あれはどうやって生まれたのかな?

○3人でファミリーレストランでカンヅメになってネタを出すんですけど。ある日朝方のガストで、03の平山さんが「オレ、国つくる」って。(笑)「何、それ?」「何かわかんないけど、国が欲しい」それが発端。みんなコーヒー飲み過ぎタバコ吸いすぎで頭痛いし、朝5時くらいでもう眠いし、そんなときに神が降りてくる。

●グラインダーマンってやっぱり「〜マン」ってついてるからには、そうこなくっちゃと妙に納得しました。ウルトラマンだってウルトラの星があるしね。とても日本独自の文化の正統な流れを感じるなぁ。歌舞伎より。(笑)

○「グラインダーマン」は「ガンダム」じゃないんだ!って書いて欲しい。3人でやってるから、各のルーツは違うんだけど。ガンダムじゃなくって「Zガンダム」のほうが正解。平山さんは「ボトムス」。

●「ボトムズ」ってアニメ?

○知らないだろー、装甲騎兵。(笑)「ボトムズ」って「ガンダム」よりもメカメカしてる。僕のルーツは特にないんですけど、小学校の時は文集に『算数の先生になりたい』って書いていたらしい。高校の時SF小説をすごいたくさん読んでいた人なんで、それがルーツかな?と。今となってはテクノロジーがSF小説の世界に追いついてきた感じだよね。いや、まだまだかなぁ。


<アートと広告>






●グラインダーマンはちょこっと未来なのかもしれないね。

○「1999→6661年」は僕の最初のアイディアです。未来はどうするんだろうね?それで国をつくった。666は悪魔の数字で1はおまけ。(笑)最後には19996661年で完結。

●最初のシーン「2001年宇宙の旅」のHALの声が使われていたよね。もう一度あの映画を見たいなぁとその時思っちゃった。

○現代美術製作所のパフォーマンスでは選ばれた人が一緒に箱に入るとか、ウェラブルPCでマック背負ってるとか、観客を座らせるとか、そういうのはSFっぽいところとつながってるのかも。SF小説だと主人公が目が覚めるといきなり管理社会になっていたとか。まずそうなってくれないと話が始まらないから。国会で論議されてる国民背番号制とかって、早くなんないかなとか。まさにテクノじゃないですか!。

●それは今自分を抑圧するものがないからでしょ。女房、子ども、借金、なんか差別されてるとか、要介護老人がいるとかね。まじめな妄想だね。護国寺の幼児殺害事件のような現実があるわけだから、ちょっと妄想として現実に負けてるなぁ。

○もしオレにそういうことがあったとしても作品にはしない。作品をつくるってことは公にするってことだから。そういう事を言う行為はアートとは関係ないでしょ。

●最近アートって広告に負けてると思うんだけど。アートって現実のパワーに負けてると思わない?広告の善意に見せかけた悪意に負けてるよ。敢えて勝ってるのは会田誠の「スペースうんこ」「スペースナイフ」。あれが『フラッシュアート』の表紙にならないかなと。(笑)森村泰昌のミレーと原爆の作品が表紙になったように。

○でも原爆をつかったあの作品は広告の手法でしょ。カウンターあててなんぼというカンジは拭えないんじゃないかな。広告でいうと、ペプシマンとかは妄想の現実なわけ。宣伝商品とは別の新しいものを生み出していく姿勢はいいんじゃないかと。

●漫画やテレビCFで育った世代の表現として、グラインダーマンはまじめだなぁと思うなぁ。

○テレビ映像、映画の影響ってあるね。それに授業でビデオをつくったり、彫刻つくったりメディアミックスの手法を学びました。なにやっても良いという手法。川口洋一郎さんの授業もあったし。最後は作品よりもヒトなんだぞ!と。

●美術と広告の関係って気になるんだけどな、私は。ある企業が自分のブランドイメージを上げるためにアートに金払ってるみたいな。うちはこういうハイ・アートと同じくらいスティタスが高いんだよって。もちろん関係はそんな単純じゃないけど。そしてアートは広告に喰われる。

○NO BRAND JAPAN。

●疑似ヨーロッパ的なものを好む。ヴィーナス・フォートが受ける理由。別にいいけどさー。やだなー。自分もそうだからか?

○でも正直みんなそういうところあるでしょ。でも、どうせなら遠くの嘘をつきたいなぁ。