1.はじめに
このアラビア語−日本語電子辞書データは、PDIC(Personal Dictionary for Windows、以下PDICと表記)という英単語検索用ソフト上で利用するために作成されたものです。
アラビア語学習における最初の難関は、辞書で単語を見つける困難さだとよく言われます。一般にアラビア語の辞書の単語は、語根順の配列になっていますから、語根が判別できないと単語を探すのに時間がかかり、時にはいつまでたっても探し当てられず、途方に暮れることもあります。
語根が何であるかを判別する能力はアラビア語の学習には欠かせないものですが、それはさておいて、このアラビア語−日本語電子辞書データ
を利用すれば、検索したい単語をそのまま入力するだけで瞬時にその日本語訳を知ることが出来ます。
また、例えば、「山」で検索すれば、日本語訳で「山」が使われるアラビア語の単語、熟語、例文、諺等を素早く引っ張り出すことが出来ます。さらに、アラビア語の分数の表現を忘れてしまったというような場合、「分数」で検索すると分数に関する表現を一覧表示出来ます。そういった意味で、この電子辞書データは
アラビア語を勉強されている方にとって、様々な場面で役に立つと思います。
2.作成の経緯
Window98までのマイクロソフトの日本語版OS(オペレーテイング・システム)では、日本語を1バイト系の西欧・東欧の諸言語と併用できる限定的な多言語機能がありましたが、Windows2000の登場により、中国語や韓国語といった2バイト系言語に加え、右から左へ書かれるアラビア語やヘブライ語 を含む世界の多数の言語を利用できる多言語環境が整備されることになりました。これまで日本語Windows上でアラビア語を利用するには、何らかのアラビア語入力FEP(Front End Processor)を用意しなければなりませんでしたが、Windows2000以降はOS側でアラビア語を含む多言語環境を標準で装備していますので、Windows2000・XP・Vista上で多言語データの共有が可能となりました。このアラビア語−日本語電子辞書データは 、Windows2000・XP・Vistaの多言語機能を利用して作成されています。
英単語検索用ソフトで好評を博しているPDIC上で、アラビア語−日本語電子辞書を作ることは出来ないものかと思ったのが、 1996年の頃です。その当時は、Gamma UniTypeというアラビア語入力FEPを利用してアラビア語の入力作業を進めていましたが、 1997年にマイクロソフトからWindows2000(当初はWindows NT5という製品名)の開発計画の発表があり、Windows2000の登場後を見込んで、Gamma UniTypeを利用してある程度作成していたUnicode準拠のデータをWindows2000上で(非Unicode版)PDICで使えるように、データをANSI(非Unicode)コードに換えないといけないことが判明し、結局、アラビア語データを一から再入力し直さなければならないという 途方もなく手間のかかる作業が続きました。
このような経緯はありましたが、この度、とりあえずの第一段作の完成(2000年2月)を見ましたので、ここに本辞書データを公開する次第です。本データは、まだまだ未熟な点が多いですが、アラビア語を学ぶ一人でも多くの方のお役に立てれば幸いに思います。
3.作動環境
このアラビア語−日本語電子辞書データは、Windows2000・XP・Vistaにおいてのみ使用可能です。それ以前のバージョンのWindows(Windows95、Windows98、WindowsNT4等)においては利用できませんのでご注意下さい。また、当然のことですが、Windows2000・XP・Vistaにおいて、日本語及びアラビア語が使用できる環境になっていることが必要です。
この電子辞書データは、PDICというソフトに対応して作成されたものです。従って、PDICをご存じない方は、まず、PDICを入手し、添付される英和サンプル辞書を使ってPDICの使用方法を学んで下さい。また、本アラビア語−日本語電子辞書データを利用するには、PDICにおいて多言語混在文章を表示させるためのOLE機能が必要になりますので、OLE用のDLLもPDIC本体と一緒に入手して下さい(注:OLE用DLLはPDIC Ver.4.30から本体に同梱されるようになりました)。なお、PDICはシェアウエアですので、ソフト使用料を作者へお支払い下さい。因みに、このアラビア語−日本語電子辞書データは無料です。
元々PDICは、NIFTY-Serveの英会話フォーラム(FENG)に掲載されているものですが、NIFTY-Serveの会員になっていない方のために、以下のホームページがありますので、参考にして下さい。また、Windowsとアラビア語に関しては以下のホームページが参考になります。
☆PDIC Home Page (PDICのウェブサイト)
☆英辞郎 (PDIC対応の英和辞書データに関するウェブサイト)
4.辞書データについて
辞書データについては、 新聞・雑誌等で使われる現代アラビア語の単語を中心に、初級編、中級編、上級編に分けて順次作成していきたいと考えています。辞書データ作成を何時まで継続できるかについての確たる保証はありませんが、時間の許す限り努力をしたいと思います。
本辞書データの作成状況は、以下の通りです。 ・2000年2月:初級辞書Ver.1 (収録単語数12,500語) ・2000年4月:初級辞書Ver.2 (収録単語数14,000語) ・2000年7月:初級辞書Ver.3 (収録単語数15,000語) ・2001年3月:初級辞書Ver.4 (収録単語数16,000語) ・2001年5月:初級辞書Ver.5 (収録単語数17,000語) ・2001年10月:初級辞書Ver.6 (収録単語数18,000語) ・2002年1月:初級辞書Ver.7 (収録単語数19,000語) ・2002年6月:初級辞書Ver.8 (収録単語数20,000語) ・2003年1月:初級辞書Ver.9 (収録単語数21,000語) ・2003年6月:初級辞書Ver.10(収録単語数22,000語) ・2004年1月:初級辞書Ver.11(収録単語数23,000語) ・2004年6月:初級辞書Ver.12(収録単語数24,000語) ・2004年12月:初級辞書Ver.13(収録単語数25,000語) ・2005年5月:初級辞書Ver.14(収録単語数26,000語) ・2005年11月:初級辞書Ver.15(収録単語数27,000語) ・2007年1月:初級辞書Ver.16(収録単語数28,000語) ・2007年11月:初級辞書Ver.17(収録単語数29,000語) ・2008年2月:初級辞書Ver.18(収録単語数30,000語)(初級辞書終了) ・2008年3月:中級辞書作成開始現在、いくつかのアラビア語−日本語辞典が出版されていますが、The Hans WehrのArabic-English Dictionary (Edited by J Milton Cowan, Spoken Language Services, Inc.)に匹敵するアラビア語−日本語辞書がありません。このアラビア語−日本語辞書データは、The Hans WehrのArabic-English Dictionaryをベースに、アラビア語−英語辞書等を参考にしながら、検索の観点を重視してなるべく訳語を豊富に盛り込むように努力し てきていますが、まだまだ不十分だと思っています。また、誤訳、入力ミス等も散見されており、見つけ次第訂正を加えている状況です。この辞書データに対するご意見等がありましたら、作者までご連絡頂きますようお願いします。
この種の辞書データを作成する場合、どうしても日本語とアラビア語を交えて説明しなければならない箇所が出てきます。幸いPDICにはOLE機能が付いており、日本語とアラビア語の混在文章を挿入できますので、この辺りもうまく処理できたと思っています。その意味でPDICは実に素晴らしいソフトです。PDICを利用したアラビア語−日本語電子辞書の特徴は簡単にまとめると以下の通りになると思います。
豊富な検索機能
・PDICの特徴として、最初の数文字を入力するだけで目的のアラビア単語が瞬時に表示されます。これはインクリメンタルサーチと呼ばれる検索方法で、PDICはこの点で非常に強力です。
・アラビア単語、母音符号付アラビア単語、日本語から検索が出来ます。PDICには様々な検索オプションが用意されていますので、多角的な検索が可能です。なお、アラビア語を検索する場合には検索結果の表示に若干の不具合が見られますが、検索結果は必ず出てきます。これは、現時点でPDICが右から左へ書かれる言語には対応していないためだと思われます。将来的にはPDICがアラビア語やヘブライ語といった右から左へ書かれる言語にも対応して欲しいと願いますが、そういった需要が多いとも思われませんので、当面は現状に満足したいと考えます。
辞書
・このアラビア語・日本語辞書データを基に、自作の辞書データを作成して併用することにより不足単語を補えます。また、本辞書データの気に入らない部分は自由に追加・変更できます。
ツール
・PDICの付属ツールを利用して、このアラビア語・日本語電子辞書データから、日本語・アラビア語辞書や同義語辞書の作成が出来ます。
テスト機能
・PDICには、単語の記憶テストやスペルテスト等の機能があります。暇な時間を利用してこの機能を利用すれば、単語力が増強されます。
なお、PDICには以下の素晴らしい機能もありますが、現時点では、本データ上でこれら の機能は残念ながら使えないようです。
・クリップボードを経由した自動検索
・クイック・ポップアップ検索 - PDIC以外のアプリケーションで検索
・ポップアップ検索ウィンドウ(テキストの上をマウスが移動するだけで瞬時に訳がわかる)
・自動リンク検索