えくすちぇんじ


「ゴールキーパー? 面白そうじゃないですか。やります。
でも、寒い日は嫌ですけど(笑) ボール来ないと寒いから」

二つの固まりが、グラウンド上にありました。一つは赤、もう一つは黒。
卒業する3年生と、新人戦九州大会で優勝した新チームの対戦です。
東福岡系応援サイト管理人の皆様と、タッチライン脇に置かれたベンチに座って観戦します。
志波先生の横には、平瀬さん風パーマをかけた田阪さんの姿がありました。

紅い輪からこぼれてきた小さな―これで探しているなんて知れたら怒られますが―“エース”の
背に載るのは4番。ユニフォームを適当に着ているのかと思いきや、
現役時代と番号が違うのは、もう一人だけ。10番をまとうのは・・・前田さん!
もちろん、4番はぶかぶか、10番はぴちぴち。
(前田さん、途中から裾をかなり気にしだして、とうとう腰パン状態に)

恭平さんは最後尾へ。前線を見ると、前田さんが。ポジションまで交換です!
やる気たっぷりの恭平さん―相棒は寺戸(兄)さん―はコーチングに声を張り上げますが、
いきなり抜かれてファーストシュートを許してしまいます。
戻れ戻れと味方を手で招いておいて、一番ばたついているのがDFリーダーでは・・・。
クリアも危なっかしかったり、空振りをしてしまったり!
オフサイドのアピールも、懸命なのですが、どこかかわいく見えます。
「線審見てろ!」
取ってもらえると、やたら嬉しそうです。とにかく終始、笑顔が咲いてました。

トップで一人はる前田さん。ひょろひょろと歩いています。これでは攻めは・・・。
腰に手をあてるのは、恭平さんの真似でしょうか?
シュートをだふったりしている前田さんへ、恭平さんがボールを何本も出します。
鬼パスもありましたが―パスを受けた前田さんの出すクロスの精度に、恭平さん思わずコーチング。
また、淀川さんのクロスがちゃんと入らないと、最後方から怒号を―「現役と一緒やんか!」
なのに、自身が直後にミスして―「いや、ごめん!!」

あっという間に1セット終了。前田さんは#24のブレーカーをまといます。次はお休みの模様。
恭平さんは、いきなりおへそをさらして見ているこちらをドキドキさせてくれました。
茶色い髪をなびかせる、焼けた肌をしたサッカー少年。
味方のプレーを褒め、自らもインターセプトやフィードで仕事を果たす姿は
素敵でしたが―本性がうずくのか、前に出てきてドリブルする足の動きが一番綺麗でした。
しかし・・・恭平さんが痛いといえばファウルというのはどうでしょう?

先制したのは現役―外であぐらをかいている前田さんは、囲む仲間と談笑しながらも
ちらちらと試合に目をやっています。経過が気になるようです。
CKのピンチでは、恭平さん、ゴールに入り込んでます。それでいいんですか?
クリアできると大喜びだったんですが、2点目を決められるとがっくりと座り込んでました。

3セット目―恭平さん、反撃に燃えてます。センターサークルでボールに足かけてます。
ポジションは若干高くなってボランチ。前田さんがトップに戻ってきました。
このセット、現役組のワントップとして辰徳くんが出場しました。兄弟対決です。
辰徳くんを見るのは事実上初めてだったんですが、実物は写真よりずっとかわいかったです♪
弟がゴールを決めた時、兄は激怒していました。

手を変にぶらぶらさせて走るものの、ボールが出なくて怒る前田さん。
やつあたりか、後輩を叩いたり殴ったりしてます。
ボールを要求された恭平さんは、渡そうとキープに頑張ってました。
出たボールに追いつけないと、今度は野球部との間に張られた網にやつあたり。
慣れてきたのか、元FWの記憶が蘇ったのか、ようやく惜しいと呼べるミドルも出ましたが。

卒業生チームが追いつくと、“臨時キャプテン”は森重コーチへアピールします。
「シゲさん、同点すよ、同点!」
ボールを出した前田さんが、オフサイドの判定を下されると。
「なんでオフサイド言いよんの」
前田さんがボランチへ下がってきました。そこでも、悠々と歩いています。
恭平さんは笑いながら怒ってました。

4セット目、森重コーチが卒業生チームに加わりました。やる気です。
CBの寺戸さんが攻め上がるものの、なかなかシュートを決められません。
「ここまで来ても、まだ入らんのか。あれやでPK外すんや」
志波先生が冷やかします。とうとう寺戸さんが前に出て、前田さんはDFラインに戻ります。
この二人、結構頻繁に前と後ろを入れ替わってましたが・・・。

このセット、卒業生チームのCBは大歯さん、GKは菅田さん。
急造GK、シュートを止められたんですが、その後、ボールを投げるのに失敗してました。
1セット目から出ずっぱりの恭平さん、さすがにお疲れ気味です。
10番らしくボールをさばき出した前田さんに、走らされたりもしてました。
左サイドの前田さんから入ったクロス、恭平さんは胸で落としていれようとして決まらず、
更にヒールで流し込もうとしたのですが、これも入りませんでした。
前田さんは、相変らずピッチをウロウロしています。

勝利が遠ざかっていくセット終了の笛に、前田さんは頭を抱えてガックリしてます。
恭平さんは、またおへそをさらしてたんですが―いつのまにか25番のウェア着てます。黄色です。
これまで着ていたのより、さらにぶかぶかです。本人もそれを楽しんでます。
ストッキングはそのままですが、短パンとそれとで膝がすっぽり隠れています。かわいすぎ!!
キーパーをやるつもりです―バーにぶらさがってます。ゴールがいつも以上に大きく見えます。
後輩にシュートを要求して練習。腰振って踊ったりしてます。大丈夫でしょうか?
守るべき場所が逆側のゴールだったので、ダッシュで向かいます。すごいモチベーションです!

バーにさがる姿が妙にお似合いの“山猿”は、時折コーチングもしてましたが、
とにかく暇そうでした。現役チームが攻めきれないのと、
卒業生チームのDFが懸命に守っている―信用されてません―のがあって、ボールが来ないのです。
「来い来い!」
唇をとがらせてます。ズルズルさがる仕草に、ギャラリーは悩殺されました。
どうしても攻めてもらいたいようです。アピールしてます。
始まる前、後輩を笑顔で蹴っていた前田さんが、見事なループシュートを
決めたんですけど、見てましたか? 前田さん、笑いながらドリブルしてました。

恭平さん、カメラを向けられるとポーズを決められる余裕まであります。
あまりにその動きがかわいいので、観客はゲームを追えず、一挙手一投足に目を奪われがち。
暇そうに背伸びしたり、ポストにもたれかかったり、大の字になってみたり、
あごに両手をついて座り込んだり、あぐらをかいたり、またバーへぶらさがってみたり、
体操座りの格好で後ろにコロンと転がってみたり―全く落ち着きがありません。

バックパスで初仕事が舞い込むと、手を叩いて歓迎していました。いいゴールキックです。
でも、ゴールラインを割ったボールは取りに行かないんですが・・・管轄外?
とうとう、待ちに待った守備機会が訪れました―シュートが飛んできました!
一度は止めたのですが、そのはね返りを決められ、べったりと手をついて座り込んでました。
結局、現役チームの勝ちで追い出し試合は終わりました。

全員で大きな輪を作って、志波先生を囲みます。
現役の中に、小さな部員を肩車している子がいたのが印象的でした。
卒業記念品が3年生へ贈呈されます。傘と特製アルバム、父母会からのテレカだそうです。
傘にはちょっと驚きましたが、志波先生からの人生には雨降りが多いというメッセージでした。
ちなみに、コシノジュンコのモノトーンだとか・・・。

最後に、部員皆で手をつないで大きな円陣ができました。
前田さんと恭平さんは互いの肩を押したり手をひいたりして隣同士に。
何やら前田さんが号令をかけますが(「東福岡頑張ろう」だと聞きましたが、本当ですか?)
ただでさえ高い声が裏返り、横から即座に「やり直し!」とツッコミくらってました。
二度目は、前田さんの声に全員が何か叫んで、一応ビシッと決まりました。
崩れた輪の中央へ、“キャプテン”と“エース”が入っていきます。
この二人が一緒にプレーするチャンスは、これから・・・。

部室へ近づこうとして志波先生に止められたファンは、門に近い位置で選手が出てくるのを待ちます。
卒業生は傘を持っているので、すぐに分かりました。
恭平さんと前田さんは、一緒に出てきました。
恭平さんが先に木陰でつかまり、続いて前田さんもベンチのあたりでわっと囲まれます。

木の根元に立つ恭平さんの前に列ができます。プロ入りしてからサインを変えたようです。
全部に SANFRECCE ― S・F・R だけ大きく書くんです―と入れていました。
よく見ると、襟元から紫色がのぞいてます。重ね着した下側に、チームカラーを選んできたのです。
サンフレッチェの山形―近頃、これに相当こだわっている恭平さんは、
私が差し出した写真を見て、向こうから問いかけてきました。
「これ、どこですか?」
それは、すーさんが新人研修で撮ってきてくださった紫ジャージ姿だったのですが。
後ですーさんが同じのにもらった時も、「誰かも持ってましたね」。そんなにインパクトありました?
プロフィールで載せているのが、その写真です)

手荷物が増えた前田さんは、ベンチに渡されたものを置き、リクエストに応えます。
恭平さんは予約があると断っていたそうですが、前田さんはボタンはおろか、
校章・学年章やカラー、果てはベルトまでファンにあげてました。
最後は4つの袖ボタンまで全滅―前のボタンはワンタッチで外せるのですが、
袖は縫いつけられているので、そう簡単には取れません。
1つ目を力任せにもぎ取り、金具を折ってしまった前田さんは、
ハサミを持っている人がいないか、呼びかけました。

そこへ登場したのが、どこへ行くにも手荷物が多いと評判のすーさん。カッターが出てきました。
2つ目を外す時、自分でやろうとして指を切ってしまった前田さんに代わって
3つ目と4つ目はすーさんが切ってました。4つ目の時は、前田さんから呼ばれてました!
身ぐるみはがれた前田さんは全身黒づくめで、とても学ランを着ているようには見えません。
頼んでいないのに、カメラを向けているのに気づいて目線を下さったり、本当に優しい方でした。

リクエストが一段落すると、前田さんは木陰の恭平さんのもとへ向かいます。
恭平さんは歓送段階で第2ボタンだけ消えていたようなんですが、
真っ先にその行方を聞く前田さんと、あっさり答える恭平さん、それぞれらしかったです。
二人が並べば、出てくるのがツーショットリクエスト。まりさんがセルフで頼むと、それが大流行。
最初は前田さんに撮らせようとした恭平さんですが、手がふさがっているのを見て自分がパチリ。
以降、セルフのリクエストでシャッターを押したのは全部恭平さんでした。
私もお願いしたのですが―持参したカメラは、ある野望のためにセルフショット用でした。
カメラに鏡が付いているのに気づいた二人、何やら指差して言ってます。
「ここに映るんだよ」

在校生も出てきました。「山形さん」―すーさんが呼び止めてくれた時も、
止まってくれるか、自信が持てなかったです。辰徳くんです。
舞い上がってセルフモード用のまま撮ってしまった1枚、写っていて本当に良かったです・・・。
プレゼントを渡した後、兄に近づかないか期待―ささやかな野望のために―したんですが、
無理でした。恭平さんは門を出ても、その外でまたつかまっています。

楽しい午後でした―最後まで、どこまでもヒガシらしく。



Lots of Thanks to Higashi-Fukuoka Highschool,
Kano, Sue, Pinoko, Hato, Mari, Asahi, Rie,
and.....all of HIGASHI F.C.


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