【本名(通称、旧姓、論文名、研究者名、なんでもその人の思うもの、ここでは本名を使います)と戸籍名(本名、配偶者の姓、なんでもその人の思うもの、ここでは戸籍名を使います)の両方の入ったパスポートの入手について】

外務省は一定の条件で本名と戸籍名の2つの名前が入ったパスポートの発行を認めています。運転免許にしろ、健康保険書にしろ身元確認に使う書類のなかで唯一、お国が認める本名の入った書類だと思います。また、このパスポートがあっても国際運転免許はあくまでも日本の運転免許に基づいて作成されるので、戸籍名のみとなります。

 本名のみですべてを通したい方で、なおかつ夫の理解があれば、ペーパー離婚再婚をして、手続きの時だけは戸籍の上でも本名になる方法があります。民法では女性には再婚は離婚後半年間は認めないと言うことになっています。これは子供の父親が誰かという問題があるという理由です。しかし、同じ人との再婚の場合はこの規定は適応されないので、すぐ翌日に再婚可能です。

 事実婚で通されている方には問題はないです。その場合、何かあった時、夫に連絡をしてほしいなら、パスポートの裏の連絡先や在留届に夫の住所などを書き込んでおくと安心です。事実婚でも、子供がいる、十分な長さの同居期間や長期間互いに生命保険の受け取り人になっていたなど、婚姻の事実を証明するものがあれば、アメリカヴィザやアメリカの税金の上では配偶者として扱われます(そもそも、アメリカには戸籍制度はない)残念ながら、例の9.11以来、アメリカのビザ制度に大きな変更があったもようです。日本政府が法律上夫婦と認めない場合は、配偶者ビザがおりなくなったようです。注意してください。

I.Tanaka-Sato, Hanako

 残念ながら、この海外の多くの研究者が使っている形式(例:Chan-Palay, Goldman-Rakic)は日本の外務省では国際的に活躍するごく少数の人にしか認められていないそうです。この形式を入手したければ、ノーベル賞でもとりましょう。もし、日本女性でノーベル賞受賞者が現れれば、新しい地平が見えてくることでしょう。その女性が、「女性研究者は結婚はしないもの、子供なんてとんでもない」という考えの方でないことを私は切に願っています。

II.Sato (Tanaka), Hanako

 この形式は他の職種の方ではなかなか難しいようですが(弁護士ですらうまくいかなかった)、海外が活躍の舞台である研究者は可能です。つまり、国際学会で発表したり、国際雑誌(ただし、日本発行ではないもの)に論文を掲載された人であれば取得の可能性が有ります。

 まず、都道府県のパスポートセンターの相談窓口で併記のパスポートをとりたいと申し出ます。この時、「できない」と言われることが多いですが、担当の人が知らなかったり、知っていても特殊なので、一般には「できない」と答えることがあるようです。私も最初できない言われました。

 必要な書類について聞きます。書類はケースによって微妙に違うようですが、以下の物が必要になると思われます。

1. 一般のパスポート申請に必要なもの(申請書、葉書、収入印紙、写真)

2. 併記パスポートの発行願 決まった書式があるのではなく、自由形式です。なぜ必要なのかという事情を説明するものです。研究者の場合は、結婚後も結婚前の戸籍名で学会発表や論文を書いている。海外の学会で発表するするために、海外で研究するために、両方の名前の載ったパスポートを是非発行していただきたいという由でいいかと思います。

3. 今までその名前で研究をしてきたという証拠 これまで書いた英語の論文(ただし、海外の雑誌に載ったもの。英語でも国内雑誌ではよくないです)や学会発表の抄録のリストとコピー。言うまでもないことですが、これらは結婚前の戸籍名でなければなりません。

4. これからもその名前で研究を続けると言う証拠 これから行われる学会の参加申し込み書のコピー、投稿中の論文のコピー、海外から来た招待状などです。もちろん、これも結婚前の戸籍名でなければなりません。私の場合はこの3種類を出しましたが、他にもあるかもしれません。

 以上の書類を提出しても、もしかしたら、さらなる書類の提出を求められるかもしれません。連絡先を伝えておかなければなりません。自宅ではなく、昼間連絡のつく職場か携帯電話の番号がいいです。担当の人の名前はちゃんと覚えておきましょう。

 外務省で審査するので、普通のパスポートの取得よりは時間がかかります。余裕をもって申請してください。

以上の手続きで入手可能です。

 サインはローマ字でも日本語でも、本名だけでも戸籍名だけでも、併記でもなんでも大丈夫です。ただし、このサインをトラベラーズチェックやクレジットカードのサインの証明にするなら統一をした方がいいです。

 

トップに戻る

Copyright (c) 7 of 9. No reproduction or republication without permission.