海外で研究するということについて
アメリカの中西部にある大学でResearch Associate(いわゆるポスドク)として研究しました(1999年から2001年)。
今では、日本は十分に設備も良く、試薬だって手に入らないものはないし、海外の学会に行くのも難しくなくなってきました。国際的に認められている優秀な指導者も多く(アメリカのラボで日本のいくつかの研究室はよく話題になります。ある人になると、「こんなにたくさんすばらしい論文があるがXXというのは本当にひとりの人物なのか?」とまで聞かれることがあります。それが一人の人なんですよ!)、一流の雑誌にどんどん日本人が日本でやった研究がのっています。そういう人といっしょなら、無理してまで海外で研究する必要はないと思います。
しかし、女性の場合は少し違うと思います。日本では女性ならではの問題が多く、いろいろとやりにくいことが多いです。アメリカをはじめ、海外では、女性研究者がたくさん実際にいる。むしろ、「いて当たり前」の環境を体験することができます。そうすれば、少なくとも、「女の私が研究をやっていいの?」や「研究やってると結婚や子供は諦めなくてはいけないの?」などという疑問はなくなります。たくさんの女性研究者がいて、子持ちの教授もたくさんいて、そういう人を身近に見てくるだけでも精神的に強くなれます。こと女性に限っては海外に出かけてみたらいいのではと思います。
また、夫の海外赴任で自分の研究を諦めるのではなく、近くでラボを探すといいでしょう。給料は安くても良いとなると探しやすいのでは? 「夫婦でいっしょにいきたい」と言うのは、アメリカ人も使う立派な就職理由です。
「夫といっしょでなければ」という思い込みも、本当にその人が心から自分の価値観で言うならそれでいいと思います。しかし、「家族とはいっしょに住むべきだ」と固定概念であれば、「違う考えもあるよ」とお伝えしたいです。世の中、「子供の教育」を理由に夫が単身赴任してる家族は山のようにあります(私の価値観とは違うけど、それはその人たちの価値観です)。しかしですよ、電気をつくるダムも火力発電のための石油も、出稼ぎダム工事や長距離タンカーという「長期間の別居家族」という形の家族があってはじめて、可能です。別居家族によって、現代の市民生活は維持されているのです。その恩恵で毎日快適な暮らしをしながら、「いっしょに暮らさない家族は間違っている」と言うのはごう慢では?
アメリカには車で数時間かけて週末に帰ってくる夫(研究者)と普段は子供と3人で暮らしている妻(研究者)の家族もいます。妻はヨーロッパで夫はアメリカという夫婦もいます。子供はヨーロッパの全寮制の学校に入ってる方もいます。いろいろいてもいいのだ、それぞれの家族だということを知るだけでも良い経験だと思います。
私自身は、幸か不幸か、専業主婦のいない一族(田舎では介護や身体不自由でもないのに働かない女性は「なにをさぼっている?」と言われますよ)、杜氏や大工として長期家をあける習慣のある一族に育ったので、葛藤を感じた事がありません。頭では理解できても、永遠に心情的には分からないものだと思います。
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