Operation 17.0

ボディガード(Bパート)

 

「彼女、狙われてるの」

まりなさんに言葉に 僕は、どう応対すればいいのかわからず、そのまま固まってしまった。

「聞いてる?」

まりなさんが僕の目の前で手をひらひらさせて覗き込んだ。

「あっ、は、はい。聞いてます。・・・・・・でも、なんで?」

「簡単に言ってしまうと・・・・・いや、簡単ではないんだけど。宮澤グループ全体に対してある組織から狙われている状態なんだけど、彼女は一人娘だからね。ご両親以外に狙われる対象としては彼女が一番狙われやすいから。普通の学校生活を送っている分、警備がしにくいしね」

「・・・・・・」

まりなさんの言葉に、宮澤が目を背けた。

「ああっ、由紀野様、別にあなたが悪いわけではないのだから」

「わかっています・・・・・」

そうだ。彼女が今の立場にいることに彼女自身の責任はない。でも、警備がしづらいのは確かに事実だろう。守る側からすれば自宅にいてくれたほうがいいに違いない。でも、それは彼女がせっかくできた友達と会えないし、平和な学校生活もできないし、何より僕に会うこともままならない状況になるということだった。

「まりなさん、僕に何ができますか?」

まりなさんが僕を引き止めたのは、ただ事情を知っておいてほしいということではないと思う。それに、彼女のピンチに僕が何もしないなんてことはこれっぽっちも考えられなかった。

「・・・・・・そう来たか」

まりなさんが少しがっかりするような顔をした。どうやらまりなさんの意図した考えと僕の言葉とは多少開きがあったらしい。

「由紀野様が家でじっとしているように説得してって言ったらやってくれる?」

まりなさんが泣きつくような顔で尋ねた。すると、宮澤が立ち上がった。

「イヤ!まりなさん!何度も同じことを言わせないで。みんなに負担をかけているのはわかってる。でも脅迫なんかに屈したりできない!それに・・・・・高校時代の大切な思い出をなくすなんてイヤなんです。おねがい」

宮澤もまりなさんに同じような表情で懇願した。まりなさんがお手上げという表情で僕に苦笑いを向けた。

「まあ、こんな状況だから、あなたには・・・・彼女の臨時のボディガードをやってもらうから。イヤとは言わないでしょ?」

「もちろんです」

即答した。当然だ。が、同時に『僕が彼女を守れるのか?』という不安も頭に浮かんだ。

「結構。早速明日から訓練に入るから」

「・・・・訓練?」

「竹刀持って彼女の横にぴったりくっついている気?現実的な護身術を一通り覚えてもらうわ。ふふふ」

まりなさんの言葉の語尾は、楽しんでいる雰囲気が漂っていた。

「お手柔らかにおねがいします」

「まあ病院送りにならない程度にはね」

「・・・・・・ははは」

身の危険を感じてお願いしてみたが、時、既に遅しの雰囲気だった。

「有間君、心配かけてごめんね」

「ああ、いいって。気にしないで」

翌日から部活と修学旅行委員と護身術の訓練の『3足のわらじ』が始まった。

 


 

 部活を終え、修学旅行委員の仕事をしていた宮澤と合流した。

「じゃあ、帰りましょ」

 校門の前にお迎えが待っていた。

「はろはろー。有間君、ささ、乗って乗って。地獄の特訓ツアーにご招待」

「遠慮しておきます」

とは言ったものの、素直にまりなさんの車の後部座席に座った。隣に宮澤も乗り込んでくる。

「じゃあ、行きましょ」

車は相変わらず、無駄な急発進で出発した。

 


 

 宮澤の家の敷地には、プールや小さな体育館がある・・・いや、あることを知ったのはついさっきだが。

「はい。そこまで。やっぱ筋がいいよね。部活してから基礎体力はあるし、これならイケるわ」

 いきなり暴漢に襲われた場合の対処方法という実戦的な訓練から始まった。まりなさんと、まりなさんの後輩の桐野杏子さんの二人に教わっている。練習そのものはやっぱりハードだ。二人ともはっきり言って容赦ない。

「あれ?あーっ、しまったっ!」

杏子さんがよろけて持っていた護身術用の警棒を振り回した。

「うわっ!」

【ばきっ】

杏子さんは別の意味で容赦ない。避け切れなかった警棒が僕の腹に決まった。

「ううううううう」

「だ、大丈夫?有間君!」

宮澤が飛んできて腹を抱えこんでいる僕の背中を心配そうにさすった。

「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!」

杏子さんがぺこぺこ謝っているが、それなら最初からやらないでほしい。 彼女、本当にまりなさんの弟子なのかと疑いたくなるくらい少々『ドジ子さん』だった。まりなさん曰く「筆記や事務的な仕事をさせると抜群なんだけど、体を使う実技はちょっと苦手なのよ 」だったが、実技が要求されている今日みたいな日に彼女に支援を頼むのは正直どうかと思う。習っている身分でこんなことを考えるのはいけないのだろうけど。

「まだまだダメね。有間君。最初に教えた敵の攻撃を受け流す術をちゃんと使いなさい」

「は、はい」

事情が事情だけに余計な突っ込みをしている余裕はない。素直にまりなさんの言葉を受け取った。

「さあ、いつまでも遊んでいないで。次に進むわよ」

「・・・はい」

いつに無く真顔のまりなさんの言葉を受け、気を引き締めて特訓を続けた。

 


 

 数日後、学校に登校すると、校舎の入口の横に学力テストの順位表が張り出されていた。かなりの人だかりができている。

「そういえば、そんなのもあったね」

宮澤が順位表を見ながら呟いた。たしか、休み明けかなり早い時期におこなわれたテストで、自分としてはそれなりの手ごたえがあったと思っている。とりあえず、1位から見てみると自分の名前が 一番上にあった。一安心だ。

「戸波・・・・」

宮澤がポツリと呟いた。順位表では1位が3人いた。僕と宮澤、そして、初めて聞く名前『戸波』という名前があった。

「ふーん、まあまあかな」

宮澤と反対側から聞こえるか聞こえないかくらいの声がした。視線をそちらに向けると、椿とバスケ対決をしていた転校生が立っていた。目が合った。

「こ、こんにちは」

「あ、おはよう」

照れくさそうに挨拶してきたのでこちらも挨拶を返した。

「おはようゆきのん。有間」

今度は背後から声がかかった。振り返ると、桜達が立っていた。

「おはよう」

「相変わらず二人は成績までラブラブだなー。お熱いこって」

「綾ったら!からかわないでよ」

沢田が宮澤を突きながら言うと、宮澤は顔を真っ赤にして沢田の背中をひっぱたいた。痛そうな音がした。そんな二人を見ていた転校生と桜の視線が合った。桜がピクリと反応した。 すると、彼がニヤリと笑みを浮かべた。

「おまえ、何位だった?ちなみに俺は1番だ」

「ふん!トップ30に入るほど勉強できねーよ」

挑発するかのような表情の彼に対して、見事に対抗心をむき出しにしている。暫く彼をにらんでいた桜だったが

「けっ!理香、綾、翼いくよ」

と言って、お供を連れてその場を離れていった。

「あ、1番、あなたが戸波君なんだ」

宮澤が不思議そうに背の高い彼を見上げた。

「そ、そう。・・・・あ、あの有間君」

「ん?」

今度は僕に視線が向けられる。そして

「・・・・・久しぶり」

と恥ずかしそうに言った。久しぶりといわれるからには、以前あったことがあるはずだった。頭の片隅のデータを整理してみる。そして、名前から該当するものが見つかった。イメージでわからなかったのは昔のイメージと今のイメージの開きがありすぎたからだ。

「?・・・・・・・・あっ!ああっ、戸波君。あっそうか。あの時の。戻ってきたんだ」

彼は中学のとき、沖縄に転校していったクラスメートだった。お金持ちの家庭だが、少々わがままで、親が過保護でたまにいじめられたりしていた。見た目でわからなかったのは、以前、かなり太めの男の子だったからだ。

「覚えててくれたんだ。うれしいな」

「ははは・・・」

しっかり覚えていたわけではなかったので、喜ぶ彼の表情には少し気が引けた。対して、宮澤が怪訝そうな顔をしている。

「ああ、彼は、中学の時に転校したクラスメイトだったんだ。戸波君。こっちは宮澤さん」

「どうも」

何故か、僕の背後に隠れるようにして頭を下げた。あまり浮かない顔をしている。

「こんにちは・・・」

彼は宮澤の態度が気になったのか、苦笑いしながら応えた。宮澤と戸波に何かあったとも思えなかったが、あまり長居は無用という雰囲気だった。それを裏付けるように、宮澤が僕の背中のシャツをクイクイと引いて合図を送った。

「じゃあ、戸波君、僕らは行くから」

「あ、ああ」

そういうと、彼の方からその場を離れていった。宮澤がつまんでいた僕の背中のシャツを話したので振り返った。

「どうしたの?」

「あ、その・・・・・・なんでもない」

歯切れが悪い。

「・・・・それは気になる」

「本当。あっ、言っておくけど、異性と指摘になるとか全然そういうのではなくて、なんというか・・・・危険人物というか・・・・・」

彼女の顔を見ればそれは直ぐ理解できた。不安という感情が顔に描いてある。

「大丈夫、僕が守るから」

「えっ!?」

宮澤が顔を真っ赤にした。

「あっ!いや、そういう意味では・・・いや、意味はあってるのか・・・とにかく・・・・・・・・・さ、さあ、校舎に入ろう。遅刻しちゃうから」

やっと自分がかなり恥ずかしいことを口走ったことに気がついた。もちろん、まだ遅刻はありえない時間だった。あと15分くらいここに突っ立っているのなら別だが、時間には余裕がある。ただし、気持ちには余裕が無かった。宮澤だけでなくて、周りにいた何人かがこちらを見ている。あっけに取られている生徒もいれば、ひそひそ話したり、女の子同士で悲鳴に近い声でこちらを指差している生徒もいる。この場は逃げ出すのが賢明だった。

「よし、いくぞ宮澤!」

「え?ちょっと!」

僕は宮澤をその場に残して走り出した。もちろん、宮澤は慌てて後を追ってきた。自分の下駄箱を開けたところで宮澤が追いついた。

「もう!守ってやるって言ったそばから置き去りにしないでよ!」

もちろん、本気で怒っているわけじゃなかった。が、やっぱりまだ顔が赤い。

「いや・・・・・・ははははは・・・・」

「笑ってごまかすなぁ〜っ」

宮澤は軽く背中を叩き、少し離れた自分の下駄箱に向かった。なんとなく足取りが軽やかに思えた。

 


 

 今日は部活は無かったものの、修学旅行委員はあった。いよいよ来週になった修学旅行に向けての最後の詰めの作業に追われている。そして、修学旅行委員会の後は毎日の日課となった即席ボディガード要請講座だ。

「け、拳銃ですかっ!」

「実弾が発射できるものではないわよ。でも、威嚇にはなるし、それにこれは放電弾を発射できるタイプだから、至近距離ならそれなりに使えるわ」

放電弾というのはいわゆるスタンガンを弾そのものにしたものといっていい。相手に針を打ち込んで高圧電流を流す・・・・簡単に言うとそういうことだ。まちがっても自分が標的にはなりたくない。

「とりあえずあの標的にちゃんと命中できるようにはしておいて」

体育館にぶら下げられた人の上半身の黒い的を指差しながらまりなさんが言った。いわゆる一般的な刑事ドラマなどで標的になっているものと同じようなデザインだ。

「じゃあ、やってみて」

まりなさんが銃を渡した。

「あっ・・・・とっと」

思ったより重い。落としそうになった。とりあえず持ち直し、映画やドラマのワンシーンを思い浮かべて右手で構えた。

「ダメダメ、なんなのよ、そのへっぴり腰は。素人なんだからちゃんと両手で構えなさい」

確かに重くて片手ではつらいが、実際に使うときに両手で持つことなどできるのだろうか。

「いい?あの標的が敵だったとするわ。そして、その敵が彼女を人質に逃げようとしていたら、あなたは彼女の背後の敵の露出部分をはずさないように狙わなければならない。わかる?正確さが要求されるの。別に威嚇に使うときなんか後ろに銃が向いててもいいけど、発射するときは絶対にはずさないで。この銃は連射はきかないんだから」

ひどいたとえだったが、ありえないシチュレーションではなかった。

「外れても死ぬことは無いわ。でも、チャンスはそうない。練習のときくらい100発100中にしておいて」

「わかりました」

無茶なことを言うと思った。でも、宮澤を守るためだ。気を取り直して銃を構えた。そして、引き金を引いた。

【バシッュ・・・・・バチ】

軽い空気の抜けるような音とともに銃の先が10メートル先の標的の頭に刺さった。一瞬後に静電気で感電したときの音を少し大きくしたような音と、青白い火花が刺さった弾から出た。

「うん、やっぱ武道やってるから集中力はあるわね。最初にしては上出来。でも練習をつづけて。ある程度確実に命中するようになったら、今度は標的を動かすから」

「動かすんですか!」

「止まってる標的なんて普通無いわよ。動いている標的に命中できなきゃ意味無いわ」

まりなさんの意見はもっともなのだが、動く標的に当てるのはたぶん至難の業だとおもう。

「大丈夫よ。ためしにやってあげるわ」

まりなさんは、奥でノートパソコンの前であくびをしてる杏子さんに合図を送った。彼女は慌てて左手で口を覆って、右手でパソコンを操作し始めた。不意に止まっていた標的6つが前後左右上下にゆっくり動き始めた。 標的をそのノート型のパソコンでコントロールしていたらしい。そして、自分の懐から小型の銃を抜いた。

「お姉さんのすごさを実感してね」

まりなさんはウインクをすると、銃を構え、そして、発射した。

【ガン】

「え?」

標的に穴が開いた。「実弾じゃねーかー!」と突っ込みを入れようとしたが、まりなさんは次の標的に銃を向け引き金を引く。さらに、次の標的、次の標的・・・・。

「どう?」

結局6発の発射ですべての標的の円の真ん中に穴が開いていた。

「いや・・・・実弾使われると思わなかったです」

「いや、そういうことで感心されても困るんだけど」

まりなさんが苦笑いを浮かべた。すると、横で見ていた宮澤がやってきた。

「まりなさんは拳銃の資格ちゃんと持ってるから大丈夫。もちろん護身用ではなくて、スポーツのほうでね」

そういえばスポーツ競技としての銃もあることを思い出した。しかし、こういう人の形をしたものを標的にしたのはどうかと思うのだが。

「そんなわけだから、がんばって私を超えてね。弟子よ」

「いつの間にか弟子ですか」

「細かいことは気にしない。じゃあ、しばらく一人でがんばって」

まりなさんはそういうと、宮澤を連れて奥の方へ入っていった。後には杏子さんと僕だけが残された。

「じゃあ、有間君、はじめましょうか?」

「はい」

それからしばらく止まった標的を相手に、さらに30分後ゆっくり動いた標的を相手に練習を重ねた。

 


 

今日から修学旅行委員会は当日までない。そして、部活も試合が迫っているような場合を除いて1年生は休んでいいことになっている。普通なら僕は部活に出るところだが、今回は宮澤のボディガードということで、まりなさん直伝の護身術の仕上げをしなければならない。だから部活は欠席にした。今は 、まりなさんと合流するために校門へ向かっている。まだ早い時間なので、グランドでは運動部が部活をしていたが、僕らと同じようにまっすぐ帰宅する生徒も多いようだった。

「ごめんなさいね。私のために」

「いいよ。気にしないで。ヒロインを守るヒーローっていうのは物語の永遠のテーマだしね」

実際、僕の存在自体で少しでも彼女の脅威が減ればうれしい。

「ありがとう」

宮澤はそう言いながら腕を組んできた。

「お、おい・・・・」

何人かの女子生徒がこちらをうらやましそうに見ている。そして、ひそひそ声を潜めて話をしている。視線がこちらに向いたままだから、当然僕らのことだろう。

「恥ずかしい?」

「宮澤は恥ずかしくないの?」

面白そうに聞く彼女に困った顔で尋ねる。

「恥ずかしい。すっごく。でも、それ以上に幸せだからいい」

顔から火が出そうなことをさらっと言われた。彼女はさらに絡めた腕を引き寄せ歩きにくいくらいぴったりとくっついた。もはや返す言葉も無い。遠くで女の子たちの悲鳴のような声が聞こえたが、もはや頭に血が上ってそれどころではなかった。

「ささ、いきましょ」

宮澤に引っ張られるように校門へと向かった。

 


 

今日は、まりなさん曰く”最後の仕上げ”だそうだ。まだ修学旅行には今日を入れて3日あるのだが。今は放課後の格闘訓練の最中だ。まりなさんの必要な攻撃をことごとくかわし、逆に反撃する。もちろん、まりなさんが簡単にやられるわけもなく、攻撃のことごとくは跳ね除けられる。

「有間君がんばってぇーっ!」

宮澤の言葉が体育館じゅうに響いた。ちらっとそちらを見ると、彼女が大きく両手を振っていた。

『ここは、なんとしても勝っていいところを見せなきゃ』

と気合を入れなおして・・・・

「隙ありっ!」

「え?」

不意に体が軽くなり、体育館の天井が見え、さらに悲鳴をあげているらしい宮澤の顔とその後ろの壁が見え、次にまりなさんが見下ろす顔が見え、最後に体全体に衝撃が走った。しばらく置いて痛みが体のあちこちからあがった。

「痛たたた・・・・」

「はい。いいでしょ。まあ、それなりには仕上がったかな。でも、詰めが甘いのよ。戦場では命とりよ」

まりなさんがコツンととどめに軽く頭を叩いた。

「すいません」

そのときには、まりなさんの言葉は油断はしないようにという意味も含みつつ、合格の言葉をもらったものと思っていた。

 


 

明日が修学旅行という、興奮すると眠れなくなるその日、僕も例外に漏れず、既に日付が変わっているというのに旅行の準備で荷物の詰め込みをしていた。いや、計画性のある僕は自分で言うのもなんだが必要最小限のものを効率よく詰め込み、準備万端にして早めにベットに入った。しかし、ウトウトし始めたときに電話が鳴り、無視していたものの、とった子機を持って雪野が部屋にやってきた。

「はい。お兄ちゃん。法条さんから電話」

少々不機嫌な態度で子機を渡された。しぶしぶベットから起き上がり、保留を解除する。

「もしもし。お電話代わりました」

「ごめんなさい。もう寝てた?さすがにそれはないよね。まだ9時だし」

「寝てました」

「・・・・あーっそー・・・まあ、寝る子は育つって言うしね。ははははは」

「で、なんですか?」

「悪いんだけど、これから受け取ってもらいたいものがいくつかあるの。明日からの旅行に使うグッズ」

「簡単なものなら明日の朝にでも・・・」

正直、この時間からまた着替えて外に出るのは避けたかった。

「それじゃだめ。できれば、これは由紀野様には見せたくないものだから」

「わかりました」

家ノ前で待ち合わせの約束をして、パジャマから着替えを始めた。


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