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みずほはテーブルに頬杖をつき、カップの中身の紅茶をスプーンでかき回す。
暖かい湯気の中から、ほのかにレモンの香りがした。
通りに面した静かな喫茶店は、客もまばらで落ち着ける空間だった。
いや、それ以上に重い空気が、テーブルを挟んで座ったみずほと陽一の間にのし掛かっていた。*
(*注釈:気まずいカップルを観察するのは、筆者の密かな趣味である)
「あ、あのさ… 今度は付き合うよ、戦隊シリーズ…」
重い空気に窒息しそうになった陽一は、先に話題を変えようと努力する。
「うん…」
みずほは目を伏せたまま、ひたすらカップの中身をスプーンでかき回している。
「怪獣映画でもいいからさ… だから、ごめん。」
「いいえ、謝るのは私のほう…」
「僕のことが嫌いになった?」
「そんなことないわ。私は陽一さんが大好き。」
陽一の顔がぱっと明るくなった。絶望の闇の中で、一条の希望の光を見出した表情だ。
「優くんも、おとうさんもおかあさんも、私は大好き。」
続いたみずほの言葉に、再び陽一はがっくりと頭を垂れる。希望の光を見出せても、そこに辿り着けない心境だ。
「何て言うのかな… 踏ん切りがつかないの。」
みずほは紅茶のカップを口に運ぶ。紅茶を一口飲んで、ふっと溜息をついた。
「元カレ… なの?」
陽一は恐る恐る問題の核心に迫る。最大の勇気を振り絞った質問だ。
「うん… 引っかかってるのかなぁ、どこかで。」
みずほが怒り出すどころかすんなりと答えてくれた事に、陽一は幸運の女神に感謝した。
「やめましょう… 済んだ事だから。ごめんなさい、陽一さん。」
しょんぼりと肩を落として謝るみずほを見た時、陽一は所構わず抱きしめたい衝動に駆られた。
男の保護欲が全開モードになる。*
(*注釈:男が何としてでも女性を手に入れたい瞬間とは、こういった時であろうか。これは原始の時代より男に備わった本能であり、性欲などとは違う次元の欲望であると筆者は解析する)
「待ってる… 僕でよかったら、待ってるから。」
陽一は一つの決意を口にした。
「うん… ありがとう。」
みずほは顔を上げ、嬉しそうな微笑みを陽一に返した。
陽一はテーブルの下で、ぐぐっと拳を握り締める。
希望の光はまだ残されている。
やっと二人の会話が、何気ない日常の話題に戻った。
陽一の大学での失敗談に笑いながら、何気なくみずほは窓の外に目を向けた時だった。
みずほ達が座っているテーブルは窓際で、表の交差点がよく見える。
信号無視をした一台のセダンが、宅配便のバンの横腹に突っ込む瞬間だった。
「あ、危ない!」
みずほが声を上げたと同時に、急ブレーキの音と金属同士の衝突音が喫茶店の中にも響いて来た。
事故はそれでは終わらなかった。他の通行車両も次々と衝突を起こし、更には後続車が前方の衝突に巻き込まれる大事故となっていた。
喫茶店の店員や客に混じって、みずほと陽一も表に出る。
ガードレールをひん曲げて止まった車や、横転したトラックから呻き声が聞こえる。アスファルトに残ったタイヤ痕と、破損したラジエーターから漏れ出した熱湯の湯気が惨状を物語る。
「うわ… 酷でぇぇ…」
陽一は目の前の惨事に、どうして良いか分からず立ち尽くす。
「陽一さん!」
「あ、うん…」
喫茶店のマスターが、事故車の故障したドアに閉じ込められていた運転手を救い出そうとしていた。みずほの声で我に帰った陽一は、慌てて運転手を救い出すのを手伝う為に走った。
みずほは信号機を見上げた。
果たして、事故の元凶はそこにあった。全ての信号が青となっていたのだ。
そして、信号を狂わせた犯人の姿。
信号機を止まり木にしている怪鳥。
いや、それは正確に言えば怪鳥ではない。翼長4メートル近くはある体は漆黒のカラスのものであり、蜥蜴を思わせるような爬虫類の長い尻尾が、その体の末尾に伸びている。
みずほは事故車の屋根に手を掛けて飛び越え、信号機の下に向けて走る。
信号機の上に止まっていた漆黒の怪鳥が、走り寄るみずほに顔を向けた。
醜悪に歪んだ老人の顔が、じろりとみずほを睨み付ける。
「ブラック・ナイト!性懲りもなくまた出てきたのねっ?!」*
(*注釈:怪鳥の姿は周囲の地球人には見えない。地球人とは違う能力を持つみずほだけに見えるのだ)
「くふふ… 貴様か、小生意気な小娘と言うのは…」
カラスの体を持つ老人が、険悪で嫌らしい笑いを浮かべる。
「何言ってるの?! この前やっつけてやったのに、その他人行儀な言いぐさは!物忘れが酷いんじゃない?」
みずほの叫び声に、老人は怒りで顔を真っ赤する。
「黙れ小娘っ!儂はきゃつとは違うぞ!」
「何ですって?」
「儂はきゃつの兄じゃ*。儂らの兄弟は十三人もいてなぁ。儂は五男で、それから下は後妻の連れ子なのじゃよ。」
(*注釈:これは特撮ドラマでよくありがちな、経費削減の為の常套手段である。怪物の着ぐるみを使い回しする為に、若干の変更を加えて撮影に使用する。古くは某有名怪獣にエリマキを付けて登場させたり、「○○星人ジュニア」と名乗らせたりする事もあった。ちなみに、彼ら『ブラック・ナイト』のエージェントは生物ではない。宇宙の悪意の集合体である。筆者が推測する所によると、彼らは意識体の同族同士で婚姻関係を結び、増殖を続けているのである。兄弟と言えどもその歳の差は数万年に及ぶ場合もある)
「あなたの家族構成なんかに興味は無いわよ!」
みずほは腰のベルトに装着したケースに手を掛ける。
「わははは!ここでは勝負にならん!良い場所に招待しよう。」
老人の高笑いとともに、周囲の空間が紫色の光に包まれる。
喫茶店や事故現場の交差点の風景が見る間に光の中に消え、不気味な色彩を放つ何もない空間にみずほと怪鳥だけが取り残された。
「くっ… ここは一体?」
みずほは腰のケースから特殊警棒『サンダー・スティック』を抜く。
ボタンを押して振り下ろす。収縮自在の特殊金属がばちっと伸びた。
「ふふふ… 見たか。この空間では、儂らの力は数倍に増幅する。ここでは自慢の武器も呼ぶ事すら叶うまいて…」
「どうして信号機を狂わせるようなセコい真似をするの? 地球征服ならもっとマシな手段を思いつかないのっ?!」
みずほは通常のブレードモードとなったサンダー・スティックを構える。
じりっとすり足で、怪鳥との間合いを計る。
「ほざけ。恐怖というのは、大衆の心理の中にじわじわと侵食してゆくものなのだ。さあ小娘、勝負だ。お前がいじめた弟の仇、取ってくれようぞ… ふふ… 見ておれ。儂らがこうしてる間に、儂の兄である四男が別の信号に仕掛けをしておるわ。」
「何ですって!」
みずほは慌てて叫ぶ。
「ふはははははっ!お前一人で守り切れるかな?」
「こうしてはいられない!キッドぉぉぉっ!」
みずほは腕のデジタル時計を口の前にかざして叫ぶ。
「無駄と言った筈。この空間では泣こうが叫こうが、誰の耳にも届かないのじゃよ。ははははははははは!」
怪鳥の頭に浮き出した老人の哄笑が、異空間の中で不気味なエコーを伴って響き渡る。
その時、みずほの前に立ちはだかる怪鳥の背後で、虹色の光の乱舞が発生した。
それは見る間に収束を始め、メタリックに輝く赤いボディを形成する。
衛星軌道上に浮かぶ超次元高速機『ギラン・ドゥ』の格納庫から射出された超次元マシン『アシッド・キッド』は、異空間からのみずほの呼び声に反応し、怪鳥の妖術で作られた異空間の壁すらも飛び越えて、主人であるみずほの前に姿を現した。
不気味な異空間に現れた真紅のバイクは、その精悍なボディを輝かせて疾走を続けている。
高出力エンジンから発生した巨大なトルクは、次元を越えた後も充分な余力と破壊力を残し、前輪を浮き上がらせて怪鳥の背中に迫る。
「さあ。愚かな地球人を助けたくば、この儂を倒してから行くがよい!はははは… うぎゃぁっ!」
突然背後から襲ってきた衝撃に怪鳥は為す術もなく、特殊万能走破タイヤの下敷きとなった。*
(*注釈:卑怯だ)
下敷きにした怪鳥を乗り越え、アシッド・キッドはみずほの側で静かに停車する。
「ぐぅ… 貴様ぁぁぁっ…」
みずほを睨み付ける老人の顔が憎悪に歪んでいる。
みずほは長い足を上げて、ひらりとアシッド・キッドに跨った。
アシッド・キッドに跨った体勢で腰から上を後方に向け、みずほは倒れている怪鳥に言い放つ。
「銀河連邦科学局の技術を甘く見て貰っては困るわ。勝負はお預けよ。その前に、あなたのお兄さんとやらをとっちめてあげないと。」
倒れていた怪鳥の体が、徐々に透明になってゆく。
同時に、毒々しい色彩を放っていた異空間の壁が薄れてゆき、変わりに青空が広がり始めていた。
みずほはアシッド・キッドのハンドルを両手で握る。
光量子燃焼型液冷式四気筒2サイクルエンジン*が、主人に呼応するようにくぁんと咆吼を轟かせた。
(*注釈:レシプロ(往復運動機関)かよ…)
「キッド、アイツのタイプは記録したわね? 同タイプのヤツが近くにいる筈なの。大至急サーチして!」
シャフトドライブによってパワーを伝達された後輪が、きゅんと音を立て白煙を上げる。
再びみずほを乗せたアシッド・キッドは、自らが作り出した異次元へと突入を開始する。
「ふん… 愚かな。しくじりおったか…」
弟の脳波を感知した怪鳥は、同様の老人の顔を皮肉に歪めて笑う。
黒い怪鳥は目星を付けた、交通量の多い交差点の信号機の上に止まった。
「まあよいわ。奴が倒されようとて、儂は痛くも痒くもないぞ。さてと。機械に頼る事しか知らぬ、愚かな生物どもの醜態を見せて貰うかのぅ。ん?… 何だ?」
怪鳥の眼前。信号機と同じ高さの空中に、虹色の光が現れた。
それは見る間に赤い閃光となって怪鳥に迫る。
「ブレードウィップ!」
超次元マシン『アシッド・キッド』に跨って現れたみずほは、かけ声も高らかに特殊警棒『サンダー・スティック』に付いたスイッチの一つを押し、先端をぶんと振り下ろす。
棒の先から青白い光を放つ軟質金属がしゅるりと伸び、高圧電流のスパークが眩しく光った。
怪鳥の横を走り抜けざまに、高圧電流のムチを老人の顔面に叩きつける。
「うあ!あああぁぁぁぁぁ…」
怪鳥は不様に止まった信号機の上から落ち、地面に落下する寸前にその体を消滅させた。
みずほは高圧電流のムチを収納させ、サンダー・スティックを腰のケースに戻した。
異次元のトンネルを駆け抜ける真紅のスーパーマシンに跨り、みずほは前方の虚空を睨み続ける。
…これは決して仇討ちなんかじゃない…
…カイン。あなたの意思は、きっと私の中で生きているから…
「うわぁ!やっぱダメだよぉ!」
少年は手の痺れに耐えきれず、握っていた鉄棒を放して尻餅をつく。
「譲治ぃっ!あと少しだ!あと少しで出来そうなんだぞっ!」
鉄棒の側で優太はぶんぶんと拳を振る。本人以上にリキんでいる様子だ。
「そんなこと言ったてぇ… ぼくはダメなんだよぉ…」
譲治という少年は、今日で五回目のベソをかく体勢に入った。
「泣くなっ!泣いてても何も始まらないんだぞぉ!」
優太はみずほから受け売りの台詞を言う。これも今日で五回目だ。
「そうだよ。だから、もう少し頑張ってみようかぁ〜!」
優太と譲治は、背後から突然掛けられた声に振り向く。
「あ、みずほおねーちゃんだ!」
「こ… こんにちは…」
突然公園に現れたみずほに対し、優太は嬉しそうに、譲治はしどろもどろに反応した。
「頑張ってるねぇ。感心感心。」
みずほは腕を組み、にっこりと微笑んで二人を見下ろす。
「みずほおねーちゃん、どーしたの?今日はおにーちゃんと“でーと”じゃなかったの?」
急激にみずほの顔がオーバーヒートする。かっかと熱を持った頬は、水をかければ瞬時に蒸発しそうな程だ。
「ど、どうしてそれを?…」
「ぼく、ふたりが出ていくのをみてたもん。それより映画、面白かった?」
「なんで知ってるのよっ!」
「おかーちゃんが言ってたよ。映画でも見に行くんでしょ、って。」
がっくりとみずほは肩を落とした。理由の分からない敗北感と、全てを見透かされていた事実に、暫く立ち直る事が出来そうもない。
ぐっとみずほは顔を上げる。力強く拳を握りしめ、肩に力を込めて言う。
「鉄棒はね、全身運動なの。何より大事なのは、怖がらない事よ。」
「は… はい。」
「あ、おねーちゃんが話題を変えた…」
「見ててね。こうするの。」
動揺を隠しつつ、みずほは大人用の高い鉄棒に歩み寄る。
手を伸ばせば辛うじて握る事の出来る鉄棒を掴み、みずほはたんっと地面を蹴った。
「うわぁ!すげぇぇ…」
「あの… おねーちゃん…」
逆上がりから空中逆上がりを三回、そして膝かけ後ろ回りと膝かけ前回りに地球回りから回転コウモリと続ける。
みずほの体が回転するたび長い髪がさらりとなびき、デニムのミニスカートの裾がひらりと宙を泳ぐ。
前回りの手前で止め、鉄棒に掴まったままでみずほは譲治に笑いかけた。
「どう?逆上がりはちょっとしたコツで出来るようになるの。大事なのは、踏み切った後で鉄棒をぐっと腰に引き付けるのよ。」
再びくるんと回転し、優雅なフィニッシュでみずほは着地した。
「わぁ!すんげえや。先生より上手いよ。」
「おねーちゃん… ぱんつ見えてるって…」
「さあ、譲治くん。やってごらん。」
「はい。」
譲治は今度こそという決意を込めて鉄棒を握る。
ざっと地面を蹴るが、空しく足が落ちた。
「惜しいなぁ。まず鉄棒に向かって思いっきり足を振り上げて。それから肩を勢いよく後ろに倒すの。腕は伸ばしたままよ。そら!そこで足の付け根を鉄棒に引っかける!」
その時、譲治の視界がくるんと回った。
一瞬だけ違う世界に入ったような不思議な感覚。それは困難というハードルを乗り越えた者だけが見る事が出来る、一つ成長した自分自身の視野でもあった。
「あ…」
「あ…」
「あ…」
三人が同時に口を開ける。
「出来たぞ、譲治!おまえ、出来たんだぞ!」
「ぼく… 出来たのかな、逆上がり…」
当の本人である譲治は、鉄棒を掴んだまま呆気に取られている。
「その調子よ。もう一度。」
「はい。」
みずほの勧めでもう一度、譲治は地面を蹴る。
今度はスムーズに体が回転した。
「出来たぁ!優太!おれ、出来たんだ!夢じゃないぞ!」
「うん、おれのコーチが良かったんだよ。」
みずほはくすりと笑って言う。
「大切なのは自分に自信を持つ事よ。自分は出来ないと決めてしまえば、本当に何も出来なくなるの。さてと、おねーちゃんは帰るから頑張ってね。」
公園を立ち去るみずほの後ろ姿が見えなくなるまで、二人の少年は手を振り続けていた。
「おれ、ガンバってホントに良かったと思ってる。逆上がりも出来たし、優太と親友になれたし…」
「まーな。ガンバったぶんだけいいこともあるさ」
夕日が二人の少年の顔を赤く染めている。
公園の地面に落ちている鉄棒の影が、昼間に比べうんと長く伸びていた。
「おまえン家のおねーちゃん、いいよなぁ… 運動神経バツグンで、優しいし、かわいいし…」
「へへ、そーだろ?」
得意げに胸を張る優太の側に座り込んだ譲治は、決意を胸に秘めたように力を込めて言った。
「…おれ、おまえン家のおねーちゃんとけっこんしたい…」
「は?…」
* * * * * *
今日、エミーは時空犯罪組織の兄弟と思しき相手と遭遇しました。
彼らは同時多発的な破壊工作を目論んでいましたが、私が何とかくい止めてやりました。
最初に起こった事故でも大怪我をした人がいなかったのは、本当に不幸中の幸いです。
彼らは油断ならない相手です。
それから、ある男の子に逆上がりを出来るようにコーチして上げました。
あの嬉しそうな目を見た時、エミーは本当にこの惑星に来て良かったと思いました。
この前のお手紙でお父様はエミーの交友関係を心配されていましたが、一切心配は要りません。
“年頃の娘が彼氏の一人や二人や三人ぐらい”というのがお父様の口癖ですが、エミーは相変わらずです。
カインの事なら、もう大丈夫。
どうかお父様もお体には気を付けて。
親愛なるお父様へ。
* * * * * *
みずほは買い物かごを提げ、鼻歌混じりに商店街の路地を抜けた。
昼下がりの商店街は人の数も少なく、すれ違った下校中の女子高生が足を止めて振り返り、みずほの笑顔につられて口元をほころばせる。
「今日はカレーだよぉ〜。なぁんて。優くん、喜ぶだろうなぁ。」
買い物かごから形のよいジャガイモを取り出し、手の平でポンポンと跳ねさせる。
大通りの歩道に出た時、向こう側の歩道に見覚えのある背中を見た。
行き交う車の隙間から、それははっきりと陽一のものであるとみずほは確信する。
「あ、陽一さん… よういちさ!ぁ…」
陽一はみずほに気付かない様子で、隣に連れた大学生らしき女の子と楽しそうに話しながら歩いていた。
がぁっと音を立て、みずほの前を運送会社のトラックが通過する。
みずほの手からぽろりとジャガイモが落ち、アスファルトの上を転がる。
視界を遮ったトラックの長いコンテナーが通過した後、既に陽一の姿は見えなくなっていた。
「陽一さん?…」
みずほはそっと跪き、落ちたジャガイモを拾う。
「そうか。そうだよね… あの陽一さんが、モテない訳ないじゃん…」
みずほは買い物かごにジャガイモを押し込むと、脇目も振らずに駆け出した。
See
you again …
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