『こちら、桐生探偵事務所。』人名辞典

 
 当作品をお読み頂き、誠にありがとうございます。
 既に筆者にとっても収集の付かない、混沌のハチャメチャワールドと化した感もありますが、この先どう転がってゆくかは当の筆者も知る由もなく(こら)これからの展開を楽しみにしているのは、実は筆者そのものであったりします。
 ここでキャラクターを整理する意味で、また新たな着想の為に人名辞典なるものを綴ってみました。
 当作品『こちら、桐生探偵事務所。』は筆者の「好き」を思い切りブチ込んだ作品でして、登場するキャラクターも同様に、筆者の個人的好みを思いっきり注ぎ込んだものです。
 既に物語を読まれて筆者の異常な世界観に納得された方も、これから読んでみようという勇気のある方も、ちょとした息抜きと思って楽しんで頂ければ本望です。

桐生 拓也(きりう たくや)
 本編の主人公である。
 何は無くとも主人公であることに間違いはない。
 筆者が彼に求めたものは、現代の男たちが忘れかけている野生だ。
 喧嘩は滅法強いが、義理人情と女の子には弱い。往年の少年漫画雑誌でお約束だったヒーロー像と言える、『硬派純情熱血単細胞少年』を地で行くような主人公。
 だが、どこか狡猾なくせに肝心な所で間抜けであり、更に銃器の扱いに長け、無免許で高級スポーツカーを乗り回す程メカニズムに精通している。彼の場合、学習によってメカニズムを理解しているのではなく、それこそ天性のカンに頼っている部分が大きいと思われる。
 賢明な読者の方は、彼の行動パターンにお気づきだろう。そう、彼には正義とか○○の為にといった大義名分は存在せず、只の喧嘩として全ての事件に関わっている。(本人は正義の為だとか言っているが、バレバレの真っ赤な嘘である)
 いや、この主人公の存在そのものが事件を巻き起こしている訳であって、筆者にとってはネタの宝庫と言える有り難い存在なのだ。
 ともかく桐生拓也は、何も考えずに今日も戦う!

桐生 恭介(きりう きょうすけ)
 世界中の諜報機関が、その名を聞いただけで震え上がるというワンマン・アーミー。
 主人公である桐生拓也の父であり、本編のタイトルは彼がいないと成立しないが、そのくせ出番が少ない。
 謎の多い人物であるが、彼の行動や言動にも謎が多い。
 儲け話と来ればどんな悪どい事もやってのけ、破壊工作と諜報活動に精通する『わるいおとな』だ。だがその肩書きとは裏腹に、妙に女子供には親切で優しい。(拓也が手の着けられない悪ガキになったのも、この男の放任主義が原因と言えるだろう)
 おそらく本気を出せばとんでもない事態を招くだろうと思われるが、よいこの皆様には到底読ませる訳にはいかないし、本編の趣旨に逸れる事になる。
 彼の大人の魅力も小出しにして行きたいなと、筆者は一応考えている。

神塚 江里佳(かみづか えりか)
 主人公である拓也の母。
 国際秘密組織 シルフ“S・I・L・F Special Informal Large Factor”の誇る凄腕のエージェント。
 恐るべき戦闘能力と、三十代半ばにしてその美貌は更に磨きがかけられ、成熟した女の色香は世界の男どもの理性を狂わせる。
 が、正義のためなら手段を選ばないという、『サイドワインダー』の異名で恐れられる彼女の最大の武器は、その内に秘めた凶暴な性格である。
 正義感が強く、曲がった事が嫌いなのはあくまでも他人に対してであって、当の本人はかなり自己中心的であり、典型的な「自分に優しく、人には厳しい」タイプのおかーさんである。
 近寄らないほうが身の為だ。

桐生 和孝(きりう かずたか)
 拓也の祖父。
 本編における諸悪の根元と言っていい人物。
 本人は既に他界しているだけに、余計にタチが悪い。
 旧日本軍の兵器開発プロジェクトの部分に深く関わっていたと思われるが、虚実が交錯している上、生前の本人の出鱈目な生活態度の為か、真相は歴史の闇に葬られたままである。

桐生 大和(きりう やまと)
 拓也の従兄。
 フランスに留学している(と本人は言っている)若き天才科学者。
 その優雅な物腰と端正な美貌は、世の女性達の心を次々ととろけさせ、当の本人もそれを楽しんで放蕩を続けている困った野郎だ。
 だが、醜いもの(精神的な)を極端に嫌い、それに遭遇したときに突然ブチ切れるという厄介な性格を備えており、更には格闘技やドライビングテクニックを始めとする数々の能力を持つ贅沢者だ。
 これ程の資質と才能を持ちながら、心が満たされていないのにはそれなりの訳があって、それが彼を無鉄砲な戦いの世界に駆り立てているようである。

下垣内 倫子(しもごうち りんこ)
 主人公である拓也のフィアンセ。
 負けず嫌いの一途な性格で、幼少より学んだ琉球空手の技は凄まじく、大抵の男ではまず敵う者はいない。
 その反面、家庭的で料理の腕も抜群、更に美少女。
 「守りたい理想の女の子」ではなく、「守ってもらいたい理想の女の子」のベストだろう。
 アホな主人公を陰で支える、悲劇のヒロインといった構図が出来上がる… 筈だった。
 とんでもない。
 世の中そうそう都合のいい、商品のような恋人なんているものか。
 そう、彼女は闘うヒロインである。
 本編に登場するキャラクターの中で、最もマトモな神経を持ったキャラクターと言えるかも知れないが、巨大兵器や怪獣映画が大好きという伏線も存在する。

下垣内 将馬(しもごうち しょうま)
 倫子の父。
 防衛庁での体術指導の権威であり、桐生恭介とは古くからの友人である。
 頑固一徹、質実剛健、鍛え抜かれた体躯にちょび髭を生やした褐色の精悍な顔。
 筆者のイメージにある「こわいおっさん」というキャラクターの集大成であるが、こう言ったおっさんに限って「かわいい娘」がいたりして、その娘の前ではデレデレのメロメロになっていたりする。
 倫子とつき合えるのは、拓也だからこそという特権かも知れない。

武郷 玄蔵(ぶごう げんぞう)
 世界制服を目論む悪のマッドサイエンティスト。
 その昔、桐生和孝と共に旧日本軍の狂科学の分野に関係していたと思われるが、真相は定かではない。
 自分では『悪』とうそぶいているが、実は子供好きで人情に脆く、現代に於ける地球環境の悪化や社会構造の廃退を嘆いている頑固ジジイである。
 桐生和孝の妻である澄江(すみえ)と、若い頃に一緒に写った写真を大切にしているのはトップシークレットである。
 目下『ちきゅうにやさしい超兵器』の開発に余念がない。

望月 香織(もちづき かおり)
 世界制服を目論む悪の女子高生。
 武郷玄蔵の孫娘と噂されているが、複雑な家庭事情もあり、真相は定かでない。
 本来『悪役』の筈であった彼女だが、あまりの人気に筆者もたまげた。
 成績優秀、スポーツ万能、格闘技と射撃、数々の潜入活動や破壊工作に長け、おまけに美少女。
 近隣の不良学生どもを手なずけ、独自の情報網と人脈を作り上げて、「人とは利用する為にあるのよ」などと強がってはいるがその実、情に流されやすく優柔不断な部分が彼女にとって障害になる場合が多い。
 主人公の拓也を恋い慕っているのは、本人も認めない事実である。
 無類のバイク好きで、現在の個人所有台数は20台余り。今後更に増え続けると思われる。

風見 沙織(かざみ さおり)
 世界制服を目論む流離いの美女。
 香織とは腹違いの姉である。
 世界の国家機関と金融機関に幅広いコネを持っており、七カ国語を流暢に喋り、高度な射撃技術と運転技術を使い、悪党共の上前をさらってゆく“ヴァルチュアー”の正体。
 数々の秘密兵器を駆使して巨大な悪を粉砕し、それは仮に相手が一般市民であろうとも情け容赦ない。だが彼女の本当の秘密兵器は、その抜群のプロポーションと脚、そして乱暴でガラの悪い言動だ。
 本人は緻密な作戦を立てているつもりであるが、実際は出たとこ勝負的なところがあり、実は難しい事を考えるのが苦手ではないかと思われる。
 そのじゃじゃ馬的性格とは裏腹に、妹思いで仁義を重んじる。
 目下の目標は、パリ・ダカールラリーへの出走を夢見ている。
 筆者にとってはアイドル的な存在でもある。

結城 詩織(ゆうき しおり)
 世界制服などまるで眼中にないおっとり少女。
 香織とは腹違いの妹で、常に沙織と行動を共にする。
 舌足らずな喋りをする、黒髪ストレート清楚系美少女。
 高度なハッキング技術と、手料理の腕は保証済み。
 一見何も考えてないように見えるが、実際は本当に何も考えていない。
 二人の姉を慕いつつも拓也に思いを寄せる心優しき少女であり、そのずば抜けた明晰な頭脳はドイツで博士号が約束されている。
 本編での香織に続くニューアイドルが誕生した感もあるが、本人は全く関知していないようである。
 実は、薬物と爆発物のマニアという裏設定が存在する。
 目下の目標は医者になる事で、南半球を覆う貧困と飢餓と伝染病を撲滅する事が彼女の夢である。
 いい子だ。

李 箔石(り はくせき)※中国語の読みを筆者は知らん
 齢百歳を越える、『伝説の白虎』と恐れられる中国国家保安部の重鎮。
 前世紀の極東各地における彼の戦歴と、彼が使う仙道が巻き起こす摩訶不思議な現象は、本編で取り上げられた狂科学と肩を並べる程の、いい加減な設定の元で書かれた驚異を主要キャラ達と読者に見せつける。
 だがその噂とは裏腹に、当の本人は子供が大好きで、美人を見れば必ず変なクセを出してしまう。
 ただのスケベジジイと断言していい。

李 宝蘭(り ほうらん)※同じく中国語の読みを筆者は知らん
 李箔石の娘。
 北派拳法を使う美少女工作員。
 拳法の腕は相当なものであるが、なにせ日本語が下手くそなうえ、思いこみの激しい厄介な少女だ。
 一途に拓也を慕っているが、周囲の迷惑をまるで考えない行動こそ彼女に相応しい。
 面白いので今後も出番が増える予定である。

手嶋 健(てじま けん)
 CIAの工作員。
 報告された謎の飛行戦車の調査の為に来日した、日系アメリカ人。
 とんだトラブルに巻き込まれた挙げ句、結局くたびれ損で帰国した。
 このキャラの名はある人物の実名を拝借したものであり、彼は実在する筆者の恩人であり親友である。
 実は御本人の熱いリクエストにお答えしたものであるが、個人情報保護の為これ以上の事は語らないでおく。
 恩を仇で返すとはまさにこの事だ。今更ながら深くお詫び申し上げます。(私信)

白木 姫子(しらき ひめこ)
 某怪奇特捜隊のアルバイト女子高生。
 空手道を通して倫子とは大の親友である。
 その身体能力は凄まじいものがあり、使いようによっては強力な破壊兵器になりかねないが、心優しい素直な心を持つ少女ゆえにその心配は無用。
 等身大特撮ヒーローと時代劇の果てしないファンであり、藤岡弘と宮内洋と高橋英樹と里見浩太郎のサイン入り色紙を大切に持っている。
 実はファザコンな部分があるのではという、筆者の勝手な憶測である。
 また食欲も破壊的であり、『色気より食い気』を地でゆくようだ。彼女に密かに思いを寄せている、中村少年の心に気付く日は遠い話だろう。
 

 

 当作品「こちら、桐生探偵事務所。」は、全て脳細胞のイカれた筆者の妄想の産物です。実在する個人、団体とは一切関係ありません。
 この荒唐無稽、意味不明、支離滅裂な物語にお付き合い頂いている読者の皆様に、心からの感謝を込めてお贈りします。

Club30-06