静寂な闇の中に窓からさしこむ月の光。
ぼくはそんな中で飲むオンザロックが好きだ。
琥珀色した液体に透きとおった氷。
その氷にさしこんだ光がおりなす光と影のハーモニー。
月が揺れながら踊る。
心が身体から離れて行き、そのエネルギーは静けさの中、さらに活力を生み出し冴えわたる。
カランと氷が溶けて落ちる音。
いい音だ。
氷を見つめる。心の耳が何かを感じる。ぼくは振り返る。何もない。
氷を見つめる。何かが走る。ぼくは振り返る。何もない....。
でも確かに感じるんだ。目には見えないけれど誰かが、何かがぼくを誘っている。気配...。
今日の月はいつもと違って赤かった。
赤い月の日は何かが起こる。
「やあ」
その声にぼくはふりかえった(声の主を押して進む)