


2000年 夏。 今年もやっぱり北海道!
いったい僕は、何度北海道にやってきたのだろう。
何故また、ここにくるのだろう。 正直、自分にも解らない。
しかし、どうしてか夏になると北海道の事が頭から離れなくなる。
ここを走る者だけが得るアノ感覚、そうしてここへやってくる。
目前には遥かに広がる、大地がある。長い距離を走った者だけには、はっきり解る魅力がある。
この色、この音、この感触。 オートバイでなければ得られない事がたくさん有る。
遥かなる道程、北海道の路。
陽光のハレーション。屈託無く全てを包み込む大気の匂い。それが体に染み込んでくる。
地面がフツフツと日差しを受ける。その音と同調をとるように、Vツインの音が聞こえてくる。
「晴れましたね」 金髪の若い彼が話しかけてきた。
「どこからきたの?」
「東京っす、就職して給料でバイク買って、初めての休みで初めての北海道来て、あんまりおもしろいんで電話で会社辞めちゃいました。」
ファンキーな彼だった。
海辺の集落で一服をする。
白いゴム長に胸までのエプロンを掛けた男が魚を入れる木箱を洗っていた。「何も無いよ」、潮焼けした顔にくわえタバコの男がこちらに目を向けた。
ちかずいて見る。「なんだ、バイクか?ここまで来る奴はめずらしいな。どッからきた?」
男は海を睨みながら喋った。この海は日本中のすべての魚が全て捕れると胸を張った。
「バイクに乗る奴は薄汚れているから嫌いだ」とも言った。
「夏だけこないで、冬にも来い」と、言っていた。
大地に沈む夕焼けを見ながらテントを貼る。太陽が沈んでしまえば後は闇だ。
「あっちでみんなとのみませんか!」バイク乗りが飲み交わしている。
「何回目?毎年来ちゃウンだよね」
「あ、カニ食った」 「ウニ丼食った」 「金、ネーよ」 「やっぱり自走でしょ」 「苫小牧からフェリーですよ」
「バアカ、飲み過ぎだよ」 「このマフラーウルサイっすよね」 「アソコは300キロだせますよ」 「林道でさー」
「帰りたくないな」 「一緒に行こうぜ」
普段は、絶対に口を聞く事なんかない、いろんな奴らがとりとめのない話しをし酒をのむ。
ひたすら走る。目的は無い。
好きなだけバイクに乗って、ハラが減れば飯をくう。泊まる場所なんか決めてない。気が向いたら休むだけだ。
近くで作業をしていた農夫がまっすぐ僕にちかずいてきた。
「どこからきた」
「ここはいい所だろう」
「働かないか」
丁寧にお断りをした。
農夫は逆光の中で笑った。
「また、ここへ来い」
「また、来ます」
今年も僕の旅は続いている・・・
北海道の魅力・・・
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人それぞれですが、僕はあの道がダイスキです。