Say Again


 「英語の苦手な私が作るATC講座」と銘打ちましたが、そんなたいそうなモノはとても作れません。なにせ英語が解らないですから・・・。そこで、私がこれまで経験したATCを書き綴ってみました。
 よく「ATCは、慣れだよ。慣れ!」と言われますが、まったくそのとおりだと思います。場面や状況により管制から言われること、そして自分が喋らなければならないことは想定できます。あらかじめ予想しておくことで落ち着いて対処できるでようになるでしょう。ただ、あまり予想しすぎると管制官が喋ってもいないことが聞こえてしまうようになるので注意が必要です。(^^;)
 もし、聞き取れなければ遠慮なく「Say again!」と言いましょう。(弱気な私は、ちょっと遠慮して「please」を付けてます) 考える余裕が欲しければ「Stand by」と言ってもいいです。とにかく返事をしましょう。黙ってしまうのは最悪です。場合によっては危険な状況に陥るかもしれません。でも、私は最初の頃は「Say again!」すら怖くて言えませんでした。(いまでは連発するようになりましたが・・・。)

*ここに書かれていることは私の経験に基づいて  いますので、正しいかどうかは・・・。間違っている 点は、ぜひご指摘いただきたいと思います。


ATCの前に−ラジオの使い方−

 ふつうC172にはラジオが2台ついています。送信するときはどちらかを選択するのですが、受信は2台とも使って2波同時に聞くことが出来ます。これはこれで便利なのですが、慣れないうちは混乱を避けるため、使うラジオは1台だけにした方がいいと思います。送信をbP、受信をbQなんてやってしまうと相手の返事は待てど暮らせど聞こえてきません。(私はソロ3回目の時にこれをやってしまいました)
 また、bP、bQ両方とも受信にしてあったとしても、聞きたい側のラジオのボリュームが絞ってあることがあります。この場合も結果は同じです。
 そこで、私はbPを交信用にして、bQはATIS受信専用にしてます。異論があるかも知れませんが、私はこの方が間違いが少ないと思っています。

最初はATIS

 ATISとは、使用滑走路、風向風速、視程、気温、ノータムなどを発着する航空機に知らせるサービスです。タワーの管制官が話した内容がテープで繰り返し流されています。何度か聞けば主な部分は聞こえてくるでしょう。
 訓練中はメモを取る習慣をつけましょう。教官が不意に質問してくることがあります。答えられないと「メモを取ってください!」と叱られてしまいます。

次はRAMPにコンタクト

 訓練で最初にするATCの相手は、RAMP CONTROLでしょう。何と言っても簡単です。搭乗者数と飛行予定時間を告げるだけです。
Ramp Control, Cessna5252R  2 crew  1 hour.」と言うと、
「Contact Ground. Have a good flight!」なんて言ってくれます。
たったこれだけです。素直にリードバックしましょう。

そしてGROUNDです

 グランドには、現在地、搭乗者数、目的(意図、高度)、飛行予定時間、ATISを受信した旨を通報します。

例として、
「Agana Ground, Cessna 5252R student pilot at commuter terminal 2 persons on board go to practice area alfa at or bellow 5,000feet 1 hour flight with Delta」 意味としては、
「アガナグラウンド、セスナ5252R 訓練生です。コミューターターミナルにいます。2名搭乗、訓練空域アルファに向かい5,000feet以下で飛行します。飛行予定時間は1時間です。ATIS Deltaを受信しています。」

他の目的の例としては、
「Remain the traffic pattern for touch and go」(タッチアンドゴーをしたいとき)
「Cross country to SAIPAN」(サイパンへクロスカントリー)
「After departure going to Andersen air force base for low approach. then clockwise around entire island. 1,500feet.」(離陸後にアンダーソン空軍基地にローアプローチ。それから、時計回りに島を一周。高度は1,500フィート)
「Counter clockwise around north potion of island」(反時計回りに島の北側を1周)
などがあります。
 目的はいろいろな言い回しがあるので、特に決まったことはありません。管制官に意図が伝わればいいので、この辺では英会話力が試されます。困ったら教官に聞きましょう。
 予習では簡単そうに思えても、実際に喋るとなると搭乗者数や高度などを言い漏らしてしまうことがあります。そうすると、
「How many persons on board?」「Say request altitude?」
などと聞かれます。

グランドからの返答は、
「Cessna 5252R, taxi to Runway 6L via Delta. Departure frequency will be 118.7. Squawk 1252. Contact tower when ready.」
「セスナ5252R、D誘導路を経由して滑走路6Lへ向かってください。ディパーチャーの周波数は118.7Mhz、トランスポンダーは1252。離陸準備ができたらタワーにコンタクトしてください。」

グアムの場合、Runway6で運用されているときは必ずと言っていいほど「6L via Delta」と言われます。ディパーチャーは3波設定されていますが、かなりの割合で118.7Mhzが指示されます。最後の「Contact tower when ready.」は言ってくれないことがありますが、慣習なので言われなくてもタワーにコンタクトしましょう。

いよいよタワー

 離陸準備が整ったら「Agana Tower, cessna5252R  6L at Delta ready for takeoff.」と言いましょう。周波数はちゃんと切り替えましたか?グアムではトラフィックが少ない時間帯には、タワーとグランドを一人の管制官で管制することが多いです。そのため、グランドの周波数で「Agana Tower」と呼びかけると当然のように「Go ahead?」と返ってきます。管制官もなぜか気が付いていないようです。気を付けましょう。

 タワーの周波数では、特に他機のATCに注意を払いましょう。予想されるトラフィックとしては、エアラインの旅客機が最も多いです。特に到着機はタワーにコンタクトし着陸許可を得ると、2、3分ほどで降りてきてしまいます。(なにせ時速200km以上で接近してきますから)この場合は、
「hold short of 6L due to landing traffic」(着陸機のため滑走路6L手前で待機)
少し時間に余裕がある場合は、
「cross runway 6L taxi into position and hold 6R」(滑走路6Lを横断し6Rに進入して待機)
などと言われます。
6Lから離陸させてくれるときもありますが、
「clear for takeoff 6L, landing traffic behind you」(6Lから離陸許可。後方に着陸機)
などと言われ急かされたりします。

 また、グアムではタワーの管制空域内でスカイダイビングが行われます。「report jumpers away」「jumpers area active」などと聞こえると注意した方がいいです。スカイダイビングの飛行機は、最高で高度10,000feetまで上昇しますが、ディパーチャーに移管されることなく、ずっとタワーにコンタクトしているのが通常です。そのため、関連する飛行機はタワーの周波数を維持するように指示されます。
「remain my frequency remain clear of jump zone.」(タワーの周波数を維持して、ジャンプゾーンを避けてください)
「keep close traffic」(トラフィックパターンを狭く(クロスウインドを狭く)してください。)
スカイダイビングの飛行機は、ジャンパーを飛ばした後に高度10,000feetからライトベースめがけて急降下してきます。気を付けましょう。
 余談ですが、このスカイダイビングの飛行機は、10,000feetまでの往復を0.3時間(約18分)で終えてしまうそうです。

ディパーチャー・センター・アプローチ

 グアムでは、一人の管制官がディパーチャー、アプローチ、センターを同じ周波数で管制しています。そのため、コールサインは「Guam departure, Guam approach, Guam center」を相手によって使い分けています。当然こちら側も出発時、到着時で使い分ける必要があります。
 ディパーチャーには、あらかじめこちらがグランドに要求しておいた意図が伝わっています。そのため、コンタクトしたときに何も伝えなくても「Right turn approved maintain VFR」などと言ってきます。もし、自分が意図する旋回方向と違うようであれば、「Request left turn to Two Lovers Point.」などと言いましょう。必要に応じてインテンション(目的、意図)を通報しましょう。逆に管制官からこちらのインテンションを確認されることがあります。合っていれば「affirmative(affirm)」又は「That's correct.」間違っていれば「Negative.〜正しいインテンション〜」と答えましょう。

 また、トラフィックがある場合は、こちらの高度を確認してくることがあります。「Say altitude?」と聞かれるので、「maintain 2,500feet」「passing 1,800feet climbing to 5,500feet」などと現在高度とともに上昇しているのか、下降しているのかも教えてあげます。適切な管制が期待できるでしょう。
 トラフィックが接近している場合「11 o'clock 5 miles southwest bound 2,500 climbing Boeing 737. report insight.」などと言われます。ふつうは「Looking for traffic」と答えましょう。「report insight」と言われているので、視認したら「traffic insight」ですね。再び情報提供があった場合、雲などで視認できなければ「negative contact」と言いましょう。いつまでも「Looking」と言わない方がいいですね。

 訓練飛行の人気コースと言えばアンダーソン空軍基地へのローアプローチですね。(^^;)
グアムセンターにリクエストしてみましょう。ちなみに、グアムセンターはアンダーソン基地内にあります。管制レーダーも当然ですが同じところにあり、グアムを中心にサイパン以遠までカバーしています。
 ATCは「Request go to Anderson air force base for low approach.」で通じるでしょう。認められれば「Contact Andersen Tower.」と言われます。タワーへのコンタクトは「2 mile left base for low approach.」とでも言いましょう。
もし認められなければ、「Not available.」とでも言われるので、残念そうに「Roger」と答えましょう。

 訓練空域に着いてマニューバーをしている間は、何も言われることは無いですね。ただ、高度を下げすぎてセンターのレーダーから機影が消えると「Radar contact lost.」と言われることがあるので、「墜落してませんよ」と言うつもりで場所と高度を知らせてやりましょう。

 訓練空域からパゴベイ経由で帰ろうとしたときに、グアムアプローチから、かなり早い段階でタワーにコンタクトさせられるとスカイダイビングをやっている可能性が考えられます。タワーからは「remain clear  of jump zone.」と言われたり「海岸線から海側へ1.5マイル離れて飛べ(もちろん英語で)」などと難しく言われることがあります。もし、スカイダイビングは分かったけど、詳しい指示が分からなかったら、「Request straight in via nimitz VOR」とでも言って逃げてしまいましょう。これで、スカイダイビングのエリアに近づくことはありません。

再びタワー

 タワーの管制空域に進入するためコンタクトすると、「Report entering Right downwind.」などと言われるので、間違えることなくレポートしましょう。レポートを忘れると怒られます。また、危険な状況になるかもしれません。アガナタワーはレーダーを持っているので、安全度は高いと思いますが、その分ごまかしはできません。
 ライトダウンウインドに入ったら「Entering Right downwind for full stop」とでも言いましょう。「6 left clear to land」と返ってきます。リードバックの際は必ず滑走路も言いましょう。もし滑走路を間違えて着陸すると、後でタワーから会社の方へお叱りの電話がかかってきます。
(電話で済めばいいですけどね・・・。)
着陸後は、「Turn left Delta taxiway. Contact Ramp when off」が一般的。たまに「Turn left pilot discretion」の時もあります。

締めはRAMP

 ランプには「Taxi to maintenance line」と言いましょう。「proceed to maintenance line」と返ってきます。サイパンからクロカンを終えて返ってくると「Welcome back.」といわれることも。

トラフィックパターンでのATC

 トラフィックパターンのATCは、完璧にしておきましょう。でないとファーストソロに出してもらえません。
 トラフィックがいない時のタッチアンドゴーは、「Left(Right) downwind approved」「Abeam Tower for the option.」「Cleared for the option 6Left(Right)」しか言いません。1時間くらい、この3語の繰り返しということもあります。けっこう退屈です。
 しかし、トラフィックが増えてくると切れ間のないATCとなり、管制官もパイロットも早口になってきます。とても「Say again please.」なんて言える雰囲気じゃありません。ヘタなATCをやっていると「Go to PagoBay until I call you」などと言われ、トラフィックパターンからはじかれてしまいます。こうなると失格を通告されたみたいで、複雑な心境ですね。

 さて、順序立てて説明しましょう。
 離陸後にUp windで考えられることは、「Continue Up wind」ですね。間隔設定のために使われるようです。空いている時間には、たまに離陸後しばらく飛んでも、何も言われないことがありますが、単にタワーから忘れられているだけなので、「Request Downwind」と言いましょう。(ったく!(^_^;))
また、Up windで、後続機がいる場合は速やかに行動するようにしましょう。後続が離陸待ちの旅客機の場合は、こちらがCross windに旋回を始めるまで、管制官は離陸許可を出しません。私の経験ですが、旋回のためエルロンを切った瞬間に後続機に離陸許可が出されました。(管制官はずっと私を見ていたわけですね。さっさとどけよ!と言われた気がしました。)

 Cross windでは、特に何もないですね。たぶんですけど。
 めったにないことですが、ランウェイチェンジ(24から06)が行われたときに、「Turn left 270 approved report left base runway 6L」と言われました。これはちょうどDown windへ旋回をし始めたときのことで、左270度旋回をやって、Runway 6のLeft baseへ入れということでした。ランウェイチェンジ自体がほとんどないので、あまり参考にはならないですね。
 もうひとつ変わった例として、Runway 6のLeft crosswindで「Go to Two Lovers. Report entering left downwind.」というのがありました。これはトラフィックが混んできたときに間隔設定のために言われたのだと思います。

 Down windでは、おなじみの「Make 360(three-sixty), report entering downwind」、Baseに入ろうと思ってるのに「Make 270(two-seventy), report entering left(right) base.」、ショートフィールドの練習でもしようかなと思っていると「Make short approach」、などといろいろ言われます。でも、一番多いのが「Continue downwind」ですね。「Extend downwind」も同じ意味です。ただし、一言「Continue」というと「アプローチを継続してください」という意味になるので注意が必要です。
 Downwindでは、着陸もしくはオプションをリクエストしますが、トラフィックがいると「Are you insight?」とか言われます。複数のトラフィックがいると「VOR inbound traffic」「Shorts 360」「DC-10」など特定してきます。視認したことを報告すると、「Cleared for the option. Caution wake turbulence.」とか、「You are No.2 follow cessna 152」などと返ってきます。「Sequence change. Make short approach. You are No.1.」ということもあるでしょう。
 それから「Cancel landing clearance report left base.」と言われるときもあります。聞き漏らすと大変です。注意しましょう。

 Base を経てFinal に入るころには、ほとんどの場合、着陸もしくはオプションの許可が出ていますが、タワーから「Go around.」と言われることがあります。後続の着陸機を優先して降ろす場合や滑走路をバックタキシーさせる機体があると言われます。いずれの場合も手早く確実な操縦が求められます。言われることとして「Go around right side of 6R above 500feet」「Go around left downwind approved.」などがあります。
 もし、ウェイクタービュランスを回避する必要があると思えば、自分から「Go around」を言いましょう。また、空いているときであればタワーの許可を取って滑走路上で待機することもできます。「Stay here 2 minutes due to wake turbulence.」とでも言えば通じるでしょう。

クロスカントリーのATC

 グアムからセスナで行ける空港は、ロタ、テニアン、サイパンの3カ所しかありません。それぞれの島は、グアムから北東方向に一列に連なっているので、コースはいつも決まってます。ATCも予想どおりになることが多いので対策ができます。それでは、グアム−サイパン−ロタのクロスカントリーを考えてみましょう。

行きのグアムディパーチャーとセンター

 グアムを離陸後ディパーチャーにコンタクトします。「Air born Agana passing 800 for 5,500」とでも言いましょう。グアムセンターでは、こちら側の高度が確認できないので、トラフィックがある場合は「Say altitude leaving?」とよく言われます。
 また、上昇するとき、維持するとき、降下するときには、必ず通報するようにしましょう。雲が多くて上昇を一時中止する場合には「maintain 2,500 because of cloud」とでも言いましょう。再び上昇をするときは「start climbing 5,500 」で分かってもらえます。
 私がちょっと戸惑ったATCで「fly runway heading until east of island then proceed own course to ROTA」というのがありました。これはトラフィックがあったためで、島の東端までランウェイヘディング維持し、その後は、自分のナビゲーションでロタに向かってくださいという指示でした。
 また、アンダーソンタワーの管制空域は、半径5マイル、上空2,600feetまでです。うかつに近寄ると難しいことを言われるかもしれません。慣れないうちは、避けて飛ぶようにしましょう。

 巡航中はトラフィックの情報提供以外は何もないですね。他の飛行機は、ほとんどIFRで飛んでますし、のんびりしてていいでしょう。ただし、周りは全て海という状況なので、ナビゲーションはしっかりやらないと、私のように「ROTA Island 10 o'clock」なんて言われてしまうかも。
 もし、巡航中に天候が悪化してグアムに帰ることにした場合は、「Cancel to SAIPAN back to GUAM because of weather. altitude 4,500」とでも言えば通じます。早めの決断が大事です。もし、グアムに帰ることができなければ、ロタに着陸してコミューターで帰ってきましょう。(でも英語の話せない訓練生が事情を説明して、一人で入国審査を受けるのは難しいかもしれません。電話を借りて会社のサポートを受けましょう。余談ですが、ロタで入国すると何かの手数料として100ドル徴収されるらしいです)

 ロタを過ぎると「frequency change 118.4」と言われます。実は、グアムセンターはグアム及びサイパンの周辺を管制していますが、アンダーソン基地の送信所では、100マイル以上離れたサイパン周辺までカバーするのが難しいので、サイパンに118.4Mhzの送信所を持っています。この送信所はグアムセンターと回線が繋がっており、アンダーソンの送信所とサイパンの送信所から、異なる周波数で同時に管制を行っています。一人の管制官が2波使って送信するので、2台のラジオでそれぞれの波を受信するとエコーがかかって聞こえます。(余談です。^^;)

 ロタとテニアンに間では、見通しがいい日でも周りは全て海という状況がしばらく続きます。教官同乗だと安心ですが、ソロで飛ぶ場合は心細いものです。万一のためにレーダーベクターのATCも考えておきましょう。
「I'm lost. Request flight following to SAIPAN.」でいいですね。(「Radar vector」ではなく「Flight following」と言うそうです。)そうすると、ヘディングを教えてくれます。

 さて、サイパンの手前にあるテニアンに近づいてきました。そろそろ降下を始めましょう。降下の際には「leaving 5,500 descending to SAIPAN. We have Echo.」でいいですね。降下する前にサイパンのATISを聞いておきましょう。ATISを聞くのは忘れてしまいがちです。教官から「何か忘れてませんかぁ?」と言われないように心がけましょう。(私はよく言われました)
 降下を開始し、しばらくすると「Radar service terminated. Contact SAIPAN tower.」と言われます。夜間や視程のよくない日には、「SAIPAN airport insight?」と聞かれ「Negative.」と答えると「Report airport insight.」とか「Keep altitude until airport insight.」と言われたりします。また、トラフィックがある場合には「何時降下を始めるんだ?」と聞かれたりするので「5 minutes after.」とでも答えるといいでしょうね。

やっと着いたサイパンタワー

 サイパンタワーでのATCは、基本的にはアガナタワーでのATCと変わりません。(当然といえば当然ですね)ただ、サイパンタワーはレーダーを持っていないので、高度とポジションのチェックは頻繁に行われます。タワーからは、白地に日の丸(ハト抜き)塗装の小さなC172なんかを視認するのは困難です。通報は正確に行いましょう。サイパン独特のATCとして、「South of localizer?」などと聞かれます。ローカライザーの北にいるのか南なのかという意味ですね。グアムでは聞かれたこと無いです。他にもあるかも知れませんが、私はサイパン周辺であまりフライトしていないので、詳しくありません。
 タワーに近づいて、オプションのリクエストをするときには、その次のインテンションも伝えておくといいですね。伝えていないとファイナルやアップウインドにいるときに聞いてきます。例として「abeam tower for the option. after takeoff right turn to GUAM」または「Request touch and go one more time.」でいいと思います。
 グアムへ向けて離陸した後は「report 5 mile south of tower.」「report out of D air space.」などと言われます。いずれも管制圏を離脱したらレポートしてくださいという意味ですね。

帰りのグアムセンター

 サイパンタワーを離れると「Contact GUAM Center 118.4」と言われます。グアムセンターへの通報は「passing 2,500 climbing to 6,500 going to ROTA」でいいですね。インテンションはかならず言うようにしましょう。ロタに近づいてきたら、降下を開始しますが、ATCはサイパンに降下するときと同様です。しばらくすると「Change advisory frequency approved.」と言われます。ロタレディオにコンタクトしましょう。

ロタレディオ

 ロタレディオへ通報する内容としては、現在地、インテンション、滑走路、進入方式、ETA(到着予定時間)があります。「10 mile north east of airport inbound from SAIPAN for touch and go entering left downwind runway 9. ETA 15:20 local」ちょっと過剰かも知れませんが、レディオから聞かれそうなことは、自分から言ってしまったほうがATCは楽です。
 ロタレディオからは、トラフィックがいなければ「no traffic reported」トラフィックがいると「We have Freedom 400 Harnon point inbound runway 9」などと返ってきます。ロタで出くわすトラフィックは、一日に数便ある定期便だけなので、あまり心配する必要はないですね。でも、訓練生の中には、なぜか毎回出くわす人もいるらしいです。もし、出くわしたら相手を先に行かせてあげましょう。ATCは「holding over left downwind for you」でいいのかな。
 ロタでのATCは、基本的にセルフなので常に自分の現在地とインテンションを通報します。「entering left downwind for touch and go runway 9」「after departure right cross wind departure to GUAM」などですね。そういえば、ロタでは「Good day!」の代わりに「adios!」と言う人が多いです。スペイン統治の名残なのでしょうか。

グアムアプローチ

 ロタを離陸後のグアムセンターへのコンタクトは、サイパンの例と同じです。グアムに近づき降下を開始する際は、グアムアプローチに「leaving 6,500 descending to agana with Golf」ですね。ATISを忘れずに聞きましょう。RITIDIAN POINTを通過してしばらくすると、「Contact Agana tower」と言われます。もし、TWO LOVERS POINTを過ぎても何も言われない場合は、忘れられてる可能性もあるので、「Request contact tower」とでも言いましょう。
 また、グアム周辺は雲が多いことがあるので、雲を避けるために「Request direct Rock Quarry from present position because of weather」と言ってもいいですね。「deviation approved」と返ってくるでしょう。タワーにコンタクトした後は、もう分かりますよね。

最後に

 ここに書いたことは、私が経験したことが中心です。多くは教官から教わったことですが、一部に私の勝手な解釈があると思います。間違っている点は、ぜひ指摘いただきたいです。ATCは定型文が多いですが、英語を母国語とする地域では、会話っぽく通信が行われることもあります。早口で長文を喋られると、わけがわかりません。困ったものですが、早く聞き取れるようになりましょう。英語が分かれば分かるほど訓練が楽しくなると思います。私のようにチェックライド間際になって焦って勉強するより、訓練を始めた頃から勉強しておくといいでしょうね。

おまけ

 私がサイパンへ初ソロクロスカントリーに出かけるときに、偶然にもM教官と別の訓練生がIFRで同じくサイパンへ出発しました。そのときに聞こえたIFRクリアランスのATCです。
M教官「Request IFR clearance to SAIPAN at 5,000feet, 2 persons on board」
GROUND「Taxi to runway 6L via Delta stand by clearance.」
GROUND「IFR clearance ready to copy?」
M教官「Ready to copy.」
GROUND「Cleared to SAIPAN airport via radar vector after departure fly runway heading climb maintain 5,000feet departure frequency will be 118.7 squawk 1107」
いつかは言ってみたいですね。



        Top  Flight Log  Photo Galley<Guam>(0.6MB)  Photo Galley<L.A.>(0.4MB)>  Photo Galley<Best>(2.2MB)  Say Again  Link  e-mail